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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.8
  • 出版社: 集英社
  • レーベル: 集英社文庫
  • サイズ:16cm/347p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-08-746074-6
文庫

紙の本

ハナシがちがう! (集英社文庫 笑酔亭梅寿謎解噺)

著者 田中 啓文 (著)

上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典...

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ハナシがちがう! (集英社文庫 笑酔亭梅寿謎解噺)

583(税込)

ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

540 (税込)

ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

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商品説明

上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。【「BOOK」データベースの商品解説】

〔「笑酔亭梅寿謎解噺」(2004年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

たちきり線香 7-48
らくだ 49-93
時うどん 95-137

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みんなのレビュー78件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

小説を読んでいると、ひょっとして作者はこのシーンを描きたくてこの小説を書いたんじゃないかな?と思う瞬間があるのですが、私が感じたその1つは、梅寿師匠と竜二のケンカシーンでした。

2009/02/03 23:47

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:どーなつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

万引きはやるし、ケンカもする、しょっちゅう警察のご厄介になっている金髪トサカ頭の不良少年・竜二が、上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられることになります。
大酒のみで手が早く、口がものすごぉ~く悪い梅寿師匠。時々理不尽な言葉を投げつけたり、ほんまにやる気あんのかいな?と首を傾げてしまう場面もたくさん。
ひょっとして何も考えてないようで、裏ではすごいことを考えてたりするのかな、と思いきや、本当に何も考えてなかっただけだったり。

小説を読んでいると、ひょっとして作者はこのシーンを描きたくてこの小説を書いたんじゃないかな?と思う瞬間があるのですが、私が感じたその1つは、梅寿師匠と竜二のケンカシーンでした。(もちろん、本当は落語の部分を書きたかったのでしょうけどね)
とにかくスゴイ。「んなアホな!」と思ってしまえる恐ろしい場面がたくさん。これを映像化したら、俳優さんは何針縫うハメになるんだ?と心配してしまうほど、竜二はとんでもない目にあってます。(とんでもない目にあうのは彼だけではないのですがね)
漫才師よりも、師匠のドツキの方が神がかり的ではないのか、と思えてしまう。
だけど、読んでてこの二人のケンカシーンにとても人情味を感じるんですよね。理不尽なことで怒られたり、いつも被害を被って「このクソジジイ、殺したんぞ」と心の中で思っていても、最終的に行き着く先は師匠と弟子という確かな信頼関係なんですよね。
どうしようもない師匠だけど、彼の中に学ぶべきところはたくさんあって(それが酔いのせいで隠れてしまってる^^)
師匠からしても、今までの落語家になかった金髪ヘアーに口答えをたくさんする小憎らしいガキである竜二が、実はとても可愛かったりする。可愛いって言い方は語弊があるかもしれませんが、大切な自分の弟子として一人前の人間としてみているフシがあります。
落語家としてはまだまだ駆け出しであるけれど、この竜二が梅寿の元でしごかれるというのは、ある意味運命だったのかも。なんか出会うべくして出会った二人、って感じがします。
落語に興味のない人でも、ミステリー要素が交えてあるので、全然難しくなく、むしろテンポよく読めるので安心して楽しめる作品だと思います。

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紙の本

笑いたい人に贈りたい

2008/03/20 01:37

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これは古典落語を題材にした本格ミステリにして、本格ミステリの体裁をとった新作落語だ。謎と伏線というまくらがあって、解決というさげがある。しかも、ミステリの世界ではお馴染みの「人間が描かれていない」という批判を蹴散らすように義理と人情がある。落語の世界における熊さん、八っつぁん、ご隠居のように人々が生き生きと息づいている。
 と興奮気味にここまで書いてきて、ふと、思うのです。
 逆じゃないのか、と。
 実は落語とは本格ミステリの一種なのではないか、と。私の大好きな人情噺「芝浜」のさげの一言は強烈な「最後の一撃」。なぜ酒好きの亭主は女房に勧められた酒を断ったのか、という不可解な謎に対する答えの合理性、そこにあるロジックはまさに本格ミステリのそれではないか。小銭をちょろまかそうとする「ときそば」には言葉の二重性を用いたトリックがあるし、完全犯罪(ややせこい)の崩壊を描くクライムコメディと読むことも出来ます。食通ぶるいけすかない知人に舶来の珍味と偽って腐った豆腐を食べさせる「ちりとてちん」の面白さは、チェスタトンや泡坂妻夫先生の「逆説」を思わせます。裏返しを裏返したら表に、ねじれがねじれて元に戻って筋が通ってしまうような感じ。
 落語とミステリの類似性はしばしば指摘されてきました。ともに古典という型があり、ときにはその制約に縛られもします。しかし、そんな縄などないかのように華麗に飛び跳ねてみせることを粋とする。本格ミステリの基本的な骨格、謎と解決という構図そのものにはオリジナリティなどありません。「芝浜」だって「ちりとてちん」だって、おおまかな噺の流れは同じです。噺の大枠にオリジナリティはありません。謎と解決という構図、噺の大枠、この二つはともに型でしかないのではないでしょうか。
 型があるから、誰がやってもそれなりに形にはなってしまう。だからこそ、誰がやっても同じにならないように、その人ならでは味が出るようにしなければ面白くない。これは非常に難しいことだと思います。トリックを考える、くすぐりを考える。プロットを練る、間をものにする。人間を描く、人間を演じる。落語も本格ミステリもそういった工夫の蓄積で創り続けられている伝統芸能です。
 主人公の青年(トサカ頭!)は落語という伝統芸能やさまざまな人々に触れ、ガマンを覚え、成長していきます。一篇、一篇がよく出来たお話であり、一冊通して読むと主人公の成長物語として実にぐっとくるものがあります。

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紙の本

上方落語の師匠と弟子の破天荒な物語

2007/11/05 22:52

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前読んだアンソロジー、「孤独な交響曲」の中に収められていた一編、著者の「時うどん」を読んで、こちらを読んでみる気になった。もちろん、「時うどん」が抜群に面白かったからだ。
 上方落語の落語家見習いの主人公が金髪、鶏冠頭の竜二、その師匠が笑酔亭梅寿、この関係をもとにストーリーは展開していく。そのエピソードが7編収められている(そのうちの一編が「時うどん」である)。いずれも落語のお題が付けられている。偶然であろうか、
上方落語といえば、今丁度、NHKの朝の連ドラで取り上げられている。
 各エピソードでは、必ず何かの事件が勃発する。本書の副題も「笑酔亭梅寿謎解噺」となっている。梅寿謎解噺とは書いてあるが、主人公の竜二が意外にも、事件解決の才を見せて、見事に謎解きを果たす。そのためかどうか分からないが、梅寿師匠の息子が刑事という役で登場する。
 お決まりのパターンとしては、梅寿師匠が分かっているのかどうか不明だが、事件の謎解きの説明を求められると、それでは竜二から説明させるといって逃げてしまう。竜二は冴えた頭脳で事件のあらましを説明する。
 竜二は金髪の鶏冠頭で見た目には皆に感心されないが、落語の才能には恵まれているようである。兄弟子たちにいつも嫉妬されている。実は竜二よりは、梅寿師匠の生活の方がはるかに破天荒なのである。生活が破綻している。いかにも小説的であるが、どうやらモデルがいるようである。
 各噺の前に、実在の上方落語家である月亭八天の解説が入る。落語はあくまで口頭による芸なので、書物で読んでも面白さは伝わらない。各短編の中にもそのお題の特徴や筋立てが述べられているが、どうもピンとこない。しかし、ピンとはこないから是非実際の落語を聞いてみたいという気にさせるのが、この小説の力ではないか。
 芸人の世界は、最近身近になりつつあるものの、その実態はよく知られてはいない。一種特有の業界なんだろうという想像だけである。とくに、年輩の巨匠などと呼ばれている気難しそうな芸人に至っては、一体何を考え、どのような生活をおくっているのか分からない。その世界をわれわれに近づけているのは、若手の芸人であろう。
 落語はその中でも歴史がある分、古典芸能の範疇に入っており、いささか型に嵌ったところがある。本書の短編はそこもお見通しで、その型を何とか打破して皆に親しんでもらおうという意図がよく読み取れるのである。
 この凸凹コンビの師匠と弟子はどこまで続くか分からないが、ちょっと面白いキャラクターなのでもっと大勢の人に読んでもらいたいものだ。

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紙の本

おもしろ落語ミステリ

2008/06/02 21:22

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

『UMAハンター馬子』や『銀河帝国の弘法も筆の誤り』等のSF作品を読んで、すっかり田中啓文のファンになったのですが、作者のミステリは初めて、果たしてどんなもんだろうと読み始めたのですが・・・。登場する人物たちの造形、彼らの小気味よい関西弁での会話などなど、ミステリとしての出来はもちろんのこと、とても楽しく読めました。

上方落語の大看板、笑酔亭梅寿のもとへむりやり弟子入りさせられた不良少年の竜二。この梅寿師匠、芸は一流だが大酒飲みで暴力はふるうは口は悪いはの、とんでもない人物。彼らの周りで起きる事件を解決していく竜二だったが、考えることは逃げ出すことばかり。しかしそのうち、落語のおもしろさに魅せられていき・・・、といった内容の短編七作が納められています。

私は落語が好きなので特におもしろく読めましたが、興味が無いという人でも、あらすじからウンチクまでが書かれているのですんなりと読み進めることができると思います。で、本書を読んで落語にちょっとでも興味を持ったという方は、ぜひ寄席へ足を運んでみてはいかが?

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紙の本

やっぱり、落語って、面白いかも!

2007/09/28 14:34

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴぃたぁ・パンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)
上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。
大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。
ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 啓文
1962年大阪府生れ。93年「凶の剣士」で第二回ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短編「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

======

たちきり線香 江戸時代の純愛噺
らくだ    酒で身上潰した噺    
時うどん   関東でも有名な「時そば」のうどん版
平林     粗忽者の丁稚の噺
住吉駕籠   大阪と堺を結ぶ住吉街道を走る駕籠屋の滑稽商売繁盛記
子は鎹    人情噺
千両みかん 希少価値とその代金の噺


各章の噺に、原典を監修しているのが、月亭八天 師匠、解説は、桂文珍 師匠。


今回は、上方落語&噺家の成長過程と、謎解きのおハナシ。

主人公の竜二は、両親に早く亡くし、高校中退で、バイトしながら生活はしているものの、何度も警察のお世話になるという、所謂「厄介者」。
それを見かねた、高校の恩師が世話になっている(というか、元弟子だった)師匠へ、更正させ方々噺家にさせたいと、竜二を連れて行く。


竜二は何とか逃げようと思うのだが、
柔道・合気道・剣道の有段者の英語教師、
飲んだくれて倒れたこともある葉茶めちゃな師匠、
師匠の息子がいつも世話になる警察官、
という組み合わせでは、逃げようにも逃げられない。
加えて土地柄的にも、「師匠のところの弟子が、○○のあたりを歩いとったで~~~」と、師匠へ報告が行くような土地柄。


だが、だんだん師匠の芸に魅せられて、逃げようという気持ちがだんだん無くなって行く。
師匠の芸はすごい→面白そうだ→やってみよう→やったらなかなか難しいがやり応えがある→
初舞台を踏んだら、もう舞台から降りたくない、までの快感→続けて行こう!


竜二の進歩との流れとは別に、元の噺になぞらえた「事件」が起こる。


それの謎解きを、竜二がするのだが、師匠に花を持たそうとするところが可愛い(笑
「~~~(謎解き)、と師匠が言うとります」 まるで、名探偵コナン のようだ(汗


私が好きなのは、
「たちきり線香」(怪談系芸人のロミ・ジュリ噺):
巻頭だけあって、登場人物と状況の紹介。竜二が落語って良いかも?と思い始める。
それと、芸人同士の悲恋が、、、、(謎


「子は鎹」(師匠の孫が融解された?の人情噺):
一旦、落語は止めたる~~!といって、漫談をやるんだ~~と、ふらついている竜二。
町でコロッケを買っているところを、女将さん(師匠の妻)に、羽交い絞めされて、師匠の孫が行方不明?誘拐?と聞かされて、取る物も取りあえず、師匠の下へ。
一件落着後、竜二が出ているライブハウスで聞かされる師匠の「子は鎹」。
さて、竜二は、どう聞く?


やっぱり、落語は面白い、言わざるをえない。
こういう本を読んでいると、寄席へ出かけたくなる。
ちゃんとした寄席は、値段が張るが、新宿の末広亭では、深夜寄席 (21:30~)などは、ワンコイン¥500と、お手軽に楽しめる手立ても有る(笑


秋の夜長に、ばかばかしいお笑いを一席、というのも如何だろうか?


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2006/09/27 23:38

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2009/06/09 00:53

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