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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.8
- 出版社: 論創社
- サイズ:19cm/342p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8460-0761-8
紙の本
不思議の森のアリス (ダーク・ファンタジー・コレクション)
初期の名品を中心に十六篇を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】得体の知れない怪物を一人称の日記体で描いた、処女短編「男と女から生まれて」。真夜中、喉の渇いた男が水...
不思議の森のアリス (ダーク・ファンタジー・コレクション)
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商品説明
初期の名品を中心に十六篇を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
得体の知れない怪物を一人称の日記体で描いた、処女短編「男と女から生まれて」。真夜中、喉の渇いた男が水を飲みたいのに、様々な障害からそれが果たせず苦闘する「一杯の水」など16編を収録。異様な世界をご堪能あれ。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
男と女から生まれて | 3-9 | |
---|---|---|
血の末裔 | 11-25 | |
こおろぎ | 27-39 |
著者紹介
リチャード・マシスン
- 略歴
- 〈リチャード・マシスン〉1926年ニュージャージー州生まれ。大学卒業後、作家デビュー。著書に「地球最後の男」「縮みゆく人間」など。
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紙の本
秀作ぞろいとは言えないが、いくつか目にすべき作品はある
2010/07/13 22:24
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、映画『アイ・アム・レジェンド』の原作者として再び脚光を浴びている作家リチャード・マシスンの短編集。1950年(「男と女から生まれて」)から、1969年(「狙われた獲物」)までに書かれた作品16編を収めています。
マシスンは幻想的な怪異譚を物してきた、私のお気に入りの作家です。しかし、本書の短編は必ずしも秀作ぞろいとは言えません。
1973年刊の『激突!』(ハヤカワ文庫NV)の巻末に同書の訳者・小鷹信光氏がマシスンについて大変詳細で優れた解説を書いています。その中で小鷹氏は、50年代のマシスンは「当時のSF作法の定石的な毒に気づかぬうちにまみれて」いて、「わずらわしい」“科学的な説明”をつけようとしていると難じています。
本書で「奇妙な子供」と名付けられた短編The Curious Kid(54年)も小鷹氏は「SF的な定石でオチをつけた」「案の定不出来なもの」と一刀両断しています。
小鷹氏が指摘する点は私も大いに頷くところで、他にも本書にある「生命体」など50年代SF的作品は残念ながらあまり出来がよくありません。
SF的説明をそれほど感じさせない作品で、私がお薦めの作品は「こおろぎ」、「機械仕掛けの神」、「服は人を作る」そして「生き残りの手本」です。しかし「こおろぎ」以外の3編は、英語の言葉遊びが利いている作品ですから、日本人読者が理解するには多少の予備知識が必要です。
例えば「機械仕掛けの神」とは演劇用語ですが、本当にそういう神がいるという設定にしたマシスンの発想が素晴らしい掌品ですし、「服は人を作る」の原題「Clothes Make The Man」は英語のことわざであることを知っている必要があります。
また「生き残りの手本」に出てくる複数の登場人物の名前に秘密が埋め込まれていることに気づくためにも英語の人名に関するちょっとした知識が必要でしょう。
最後に、少し苦言を添えます。
校閲が不十分であるため、誤字脱字が多すぎます。いくつか気づいたものを以下に列挙しておきます。
「動きまわってように思えた」(106頁)→「動きまわっているように思えた」
「ミランダを見つけと一緒に立ち去った」(156頁)→「ミランダを見つけると一緒に立ち去った」
「手にれてくれたテスト・サンプル」(158頁)→「手に入れてくれたテスト・サンプル」
「言い出すの恐れた」(167頁)→「言い出すのを恐れた」
「もし通ったたらどうするの?」(170頁)→「もし通ったらどうするの?」
「本全米フットボール」(292頁)→「本」は要らないのでは?