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海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)
「海に住む少女」の大海原に浮かんでは消える町。「飼葉桶を囲む牛とロバ」では、イエス誕生に立ち合った牛の、美しい自己犠牲が語られる。不条理な世界のなかで必死に生きるものたち...
海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)
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商品説明
「海に住む少女」の大海原に浮かんでは消える町。「飼葉桶を囲む牛とロバ」では、イエス誕生に立ち合った牛の、美しい自己犠牲が語られる。不条理な世界のなかで必死に生きるものたちが生み出した、ユニークな短編の数々。時代が変わり、国が違っても、ひとの寂しさは変わらない。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
海に住む少女 | 7-22 | |
---|---|---|
飼葉桶を囲む牛とロバ | 23-57 | |
セーヌ河の名なし娘 | 59-75 |
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紙の本
意味を考えるより雰囲気を味わう。
2007/03/13 17:27
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大海に浮かんでは消える町に住む年をとらない少女を描く表題作「海に住む少女」。キリストが誕生したとき傍にいた動物の心を書いた「飼葉桶を囲む牛とろば」。ちょっと目線を変えた、不思議な世界の短編集である。
多分好き嫌いがはっきりする作品だろう。何かをはっきり主張するような話は少ない。読んだ後は悲しさやせつなさ、かすかな滑稽さなどのような情感が心にのこるだけ。ある場面を切り取った画のようでもあるが、画とすれば柔らかい色調の抽象画であろうか。情景から色だけ、あるいは香りだけが広がり、読んだ後も余韻としていつまでも漂っている感じである。その余韻がかなり長く残る、というのもあまり感じたことのない不思議な読後感であった。
何をいいたいのか、もどかしいような、結末もはっきりしないような作品もある。意味を考えるより、このような雰囲気を味わうことを楽しめばよい作品だと思う。
作者は1884年生まれのウルグアイ出身の作家。堀口大學など、多数の人が訳しているそうであるが、現代ではあまり知られていない。訳者は作者を「フランス版宮沢賢治」と表現している。こんな古典もあった、と知らされた。
紙の本
ファンタジックな話たち
2015/09/12 14:31
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純に面白い! 感動する! という本でない。透明感があるといえばいいのだろうか?ジワリと心に来る話が多く、不思議な魅力がある。
紙の本
不思議で、でも華聯な短編が満載のフランス人作家ジュール・シュペルヴィエル氏の短編集です!
2020/05/10 09:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、フランスの詩人で、小説家であったジュール・シュペルヴィエル氏の短編集です。表題作の「海に住む少女」は、「この海に浮かぶ道路は、いったいどうやって造ったのでしょう」という書き出しで始まります。水深6000メートルもある大西洋の真ん中にある架空の道路なのですが、そこに12歳ぐらいの少女がたった一人で住んでいるのです。毎日パンを食べたり、学校に通ったりしていますが、この海の上の町にはパンを焼く人も勉強を教える先生もいません。海の上では、波にだけ目玉があって少女を間近から見守ってくれているだけなのです。この少女は、なぜ、そんな海の真ん中にいるのでしょうか?実は、この少女の父親は船乗りでしたが、遭難して死んでまったのです。しかし、少女のことがどうしても忘れられなかったらしく、長い航海の間、思い続けたおかげで、少女が海に現れて、人の目には見えない海の上の町で暮らすようになったのです。この後は、どのように話が展開していくのでしょうか?ぜひ、続きは同書をお読みください。
紙の本
水面幻想
2015/08/23 12:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:落雁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの作で水面の向こうに潜む儚い存在。
水底のイメージから、頭の隅で映画『狩人の夜』の場面に始まり連想の火が灯る。
触れれば波紋に霞む、天蓋の映しかもしれない孤独は、彼女/彼らの属性だろうか…煌く程に小さく閉じていく。
繋がりが断たれているからではなく、掌で作った小さな囲いで世界を測るのがひとりぽっち。
毀れる恐れ構わず光の欠片摘み上げる作者の語りに手もなく中てられてる。
紙の本
孤独は美しい
2015/02/05 21:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クロぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
例えて言うなら淡い淡い世界の寄辺ない孤独。どんな暴力的なことや残酷なことがあっても世界は常に静ひつで、揺らぎあれど微々たるものです。
シュペルヴィエルの描く世界はそんな世界です。
対峙する人も、存在する空間も時間も全て交わることはなく、永遠に一人。哀しくも美しい世界です。
幻想を描きながらも、人生そのものって気がするんだな。