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共謀罪とは何か (岩波ブックレット)
犯罪に関わることを「話し合っている」段階で犯罪となり処罰される法制度、共謀罪。「共謀」の定義と成立要件、この法制度の危険性や問題点、誕生の経緯などを解説し、共謀罪が犯罪の...
共謀罪とは何か (岩波ブックレット)
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商品説明
犯罪に関わることを「話し合っている」段階で犯罪となり処罰される法制度、共謀罪。「共謀」の定義と成立要件、この法制度の危険性や問題点、誕生の経緯などを解説し、共謀罪が犯罪の抑止に有効かを探る。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- はじめに
- 第一章 ただの「目配せ」で共謀罪成立?――共謀の定義と成立要件
- 第二章 犯罪の手前から引き返してくる
- 「黄金の橋」を焼き捨てていいのか
- 第三章 共謀罪の対象となるのは,組織的犯罪集団に限らない
- 第四章 「共謀」を実行に移す「行為」とは何か
- 第五章 共謀罪はなぜ生まれたか
- 第六章 国連条約に基づくあらたな犯罪捜査がもたらす監視社会
- 第七章 共謀罪は不要――国連条約の批准をめぐって
著者紹介
海渡 雄一
- 略歴
- 〈海渡雄一〉1955年生まれ。弁護士。監獄人権センター事務局長。共著に「刑事司法改革ヨーロッパと日本」など。
〈保坂展人〉1955年生まれ。衆議院議員(社民党)。著書に「年金を問う」など。
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なぜ彼らはそこまでするのだろう?
2006/12/05 21:04
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
海渡雄一弁護士と保坂展人衆議院議員による「共謀罪反対」の立場から書かれた共著です。
「共謀罪って何だろう?」という素朴な疑問を抱く人は、けっして少なくないだろうと思います。そもそも(私自身を含めた)一般ピープルは法律のことなんかよく分からない。さらには「国連」による「国際(越境的)組織犯罪防止条約」の「批准」がどうこうなどと言われれば、「そういうものかな」と納得しかねません。
おそらく共謀罪推進勢力は、その線を狙ってきているのでしょうね。「どうせ、大部分の国民は小難しいことなど理解できないし、理解しようともしない」とタカを括って。だからこそ国会で「デタラメ虚偽答弁」を重ねても恬として恥じないのでしょう(「共謀罪、与党理事ら「審議入り」を提案(追記あり) 」。日本国民もまったく安く見られたものだと思いますが、シラッと嘘をつく官僚の腐敗度も相当なものです。
先に挙げた「国連」による「国際(越境的)組織犯罪防止条約」。政府与党は、この条約をあたかも金科玉条のように掲げ、これを批准しないことには日本は立ちぬかぬと言わんばかりに共謀罪成立を推進してきました(今現在もしています)。ところが、これはきわめて怪しい話・眉唾物なのです。
そもそも「条約の批准」とは、その条約にとって拘束されることを国家が認めるという一方的意思表明です。その国家の意思表明に対して、国連が審査を行なったり「合格・不合格」といったような判断をするわけではありません。国連によって各国の「批准=一方的意思表明」が否定されることはありえない。国連にそんな権利はないからです。
そして、条約を批准するときに「自国の基本的方針に反する」として条約の一部に関してその効力を認めない権利を国家は持っている。これを「留保」といいます。実際、アメリカ合州国が「国際(越境的)組織犯罪防止条約」を批准(2005年11月)するにあたっては、条約5条を「留保」しているのです。
アメリカが実際に行なっている「留保」。「なんでもかんでも米国追従」というのが、日本政権担当者たちのトレンド(?)のようですから、我が国も堂々と「留保」の権利を行使すればよい。私などはこう思うのですが、なぜか政府与党はそう考えないらしい。あまつさえ、アメリカが「留保」したという事実を隠蔽した痕跡さえあるのだそうです(「共謀罪、隠してきた米国留保の謎が解け始めている」)。
恥も外聞もなく国民を欺くことまでして、ひたすら共謀罪成立を図る官僚と政治家たち。その共謀罪は祖国日本を北朝鮮のような暗黒社会へと変貌させかねない悪法・愚法です。共謀罪成立に狂奔する官僚・政治家を目の当たりにしていれば当然の疑問が生じますね。「なぜ彼らはそこまでするのだろう?」「なぜそんなに急ぐのだろう?」と。