紙の本
リッチーのユーモア全開
2018/09/30 19:00
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
短い作品の中に面白さが凝縮しています。計算された設定や、ひねりを入れた結末があって短編小説ならではの妙技が味わえます。
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シリーズ物は別の本にして!
2007/11/05 09:35
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投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近日本ではジャック・リッチーがブームなのだろうか。晶文社の「クライム・マシン」を皮切りに、河出書房新社から本書「10ドルだって大金だ」に「ダイヤルAを回せ」と、リッチーの短編集が次々と出版されている。何にせよ非常に喜ばしい。リッチーの短編は、読みやすい軽快な文体、気の利いた着想、スマートな切れ味と、とにかくおもしろくて、手放しに楽しめるからだ。
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ただし”非シリーズ物に限っては”というただし書きがつく。残念な事に、本書はカーデュラ物1編、ターンバックル物5編と、シリーズ物が非常に多い。カーデュラはまずまずだが、ターンバックルはあまり好きでないので、なおさら残念に思う。つまらなくはないのだが、非シリーズ物の方がどんなに良いか…と恨みを感じざるを得ないのだ。1冊に1編なら許せるが、5編は勘弁してほしい。
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シリーズ物はシリーズ物で、別の本にまとめてほしい。そうしてくれたら、非シリーズ物のファンのみならず、シリーズ物のファンも喜ぶと思うのだが。
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まさに意外な結末
2023/11/18 16:52
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投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
軽快なのに本格的、先の読めない展開が痛快。迷推理ならターンバックル物が他の追随をゆるさないし、吸血鬼×探偵のカーデュラ物も捨てがたい。要するにハズレがない。何を読んでも楽しめることまちがいなし。
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小洒落たショートミステリーは、やっぱり外文の方が上手いのだ。
長編ミステリーでうんうん言うより、
ショートミステリーではっとさせられよう。
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またまた、ジャック・リッチー登場。短編集である事もさりながら、読み易い文体で着想の妙のみを純粋に味わえる、珠玉の短編集。「迷探偵」というのは可哀相な気もするが、「二重解決モノ」のターンバックルシリーズを五編収録。
特に気に入った作品を挙げておこう。
「妻を殺さば」
生活無能力者の男が遺産目的で妻の殺害を計画するという定番の物語。。。。なのだが。。。。
「毒薬であそぼう」
青酸カリの塊をひょんなことから手にした反抗期の兄妹。劇薬回収にやっきになる敏腕警部補を手玉に取る、子供の知恵の大胆さが、クイズ的に楽しませてくれる。そして。。。。
「10ドルだって大金だ」
10ドル紙幣の重さを痛感するユーモア・サスペンス。シチュエーション・コメディとしても気の利いた表題作。
「とっておきの場所」
とっておきの場所の意外性が楽しい、ブラック・ユーモア色の強い一編。
「キッド・カーデュラ」
「クライム・マシン」収録の「不死身」のオプ、カーデュラ登場。シリーズではエピソードゼロに相当する、探偵になる前のカーデュラを描く。すかんぴんのカーデュラが天職とも言えるビッグ・マネー獲得法を思いつくのだが。。。。
「誰も教えてくれない」
ターンバックルシリーズは、今だったら十分長編に成り得るアイデアを贅沢に短編に収めた感じがする。が、この一編だけは短編の妙を強く感じさせる。どちらかというと「奇妙な味」に近いテイストが楽しい。
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あとがきどおり、読んでるときはおもしろいけど何も残らない本。でもその軽さがいいのかも。ユーモアがスパイスがたくさん。たのしい!
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上質な短編が読めるジャック・リッチー。ウィットの効いた台詞や皮肉な落ちなど、SFはちょっと・・・なんて敬遠している人にも自信を持ってオススメできます。ガハハではなく、ニヤッを楽しみましょう。
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軽くてスッ〜と読める短編集。あとがきにも書いてある通り、読んだ後何も残らない。(笑)でも、生涯、短篇ミステリを書き続けていく才能ってすごい!「妻を殺さば」という作品が好きです。
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図書館で借りたもの。
一編一編が飛びぬけて面白いとか優れているというよりはどれもすっきりまとまってるという印象なのだけれど、このクオリティをコンスタントに書き続けていらしたということに脱帽。ただシリーズ物のほうに関してはさほど好みではなかったです。
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短篇集。14篇収録。
お茶漬けのようにサラサラッと。登場人物も皆何だか憎めなくていい感じ。子どもの頃観ていたヒッチコックのTVシリーズに出てきそうな話だなぁと思ったら、映像化された作品もあるそうで。「キッド・カーデュラ」のカーデュラが素敵。シリーズ・キャラクターだそうで。同じくシリーズ・キャラのターンバックルも愉快。
――The Enormous $10 and Other Stories by Jack Ritchie
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今まで海外モノが苦手だった理由の一つにゴテゴテした
文体が合わないっつーのがあったんですが、今作は
超が付くほどシンプルで余分なもんがほとんどなくて
読みやすいっすねー。ページ数の少ない短編なので
当然そうなるんでしょうけど、個人的には凄く合う感じでした。
ストーリー自体の面白さが圧倒的に前に出ていて
最初の数行で引き込まれる話ばかりですねー。ユーモアと
なんか妙なペーソスとちょっとした爽快感が読後に残る作品群。
後半のヘンリー部長刑事シリーズは魔夜峰央の
「プリコロ」の元ネタのような脱力推理が最高っす。
推理はどうあれ事件は解決されるんだね(笑)。
他の作品も早速予約だす。
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1935-1982年のミステリー作品を集めたもの。
後半に収められたヘンリー&ラルフの2人の刑事のシリーズがテンポ、内容ともに面白いです。
一方、前半に収められた作品の謎解きは、現在結構見かけるような内容なので、新鮮味はないけど、逆にこんな時代の作品が現在に影響を与えているのかと関心しました。
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面白かった!短編集ですが、読みやすいし、どんでん返しもきちんと入ってるし。寝る前とかにちょこちょこ読むのに最適です。
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洒落た、とか小粋なという言葉が似合う短篇集。シンプルで無駄のない文章やツイストの効いた意外性のあるオチは短篇ミステリのお手本のよう。ターンバックルものが多く収録されてたのも良かったね。
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辛口でひねりのきいた短編が好きな自分好みの本。軽快なタッチとブラックユーモアがきいている。「妻を殺さば」「結婚して三ヵ月、そろそろ妻を殺す頃合だ」…って書き出しにシビレます。もろ好み。植物学者の妻を殺そうと画策する夫だが…。オチが意外にソフト。「毒薬で遊ぼう」青酸カリの丸薬が偶然子供たちの手に渡った。子供たちのご機嫌をとりながら丸薬を必死に探す大人たち。やがて見つかったのは…。子供たちがなんとも憎たらしい。そして怖い。「10ドルだって大金だ」町の小さな銀行で算定金額が10ドル余計になってしまった。誰かが銀行のお金に手をつけたのか?心当たりのある人はどきどきかも(笑)。「50セントの殺人」精神病患者の療養所内にいる男が、自分を陥れた者への復讐を目論む。拘留中の制限された状況を効果的に使った策略。「とっておきの場所」殺害した妻の遺体を捜して屋敷中を捜索される夫。隠し場所は盲点。「世界の片隅で」叔父に唆されて強盗をすることになった青年。だが計画は失敗、逃走する羽目に。偶然逃げ込んだ先は…。「円周率は殺しの番号」突然部屋に尋ねてきた女性。その目的は殺人の証拠をネタにした脅迫だった。悪い予感。「誰が貴婦人を手に入れたか」名画『貴婦人像』を偽者とすりかえる作戦。実際こんなに上手くいくの?「キッド・カーデュラ」ボクシングトレーナーの前に現れた一人の男。怪力を生かしてプロボクサーになりたいという。カーデュラの正体はすぐにわかるが、なんだか貧乏くさくて(逆玉!)○○○のイメージとちがう^^;「誰も教えてくれない」新米探偵の刑事ターンバックル氏の初仕事、という妙な設定。初めての依頼がまた妙で「ある女を探す振りして探さないで欲しい」というもの。推理が空回り。(以降もターンバックル氏の話)「可能性の問題」容疑者の取調べ中にまた妙な推理を空回りさせて様々な可能性を列挙し混乱(笑)。「ウィリンガーの苦境」見に覚えのない大金を手にしたという記憶喪失の男の前歴調査を依頼された。早とちり(15秒間の沈黙)がおかしい。「殺人の環」5つの連続殺人事件が未解決の状態で捜査を任命された二人。ターンバックルは本当に最後の切り札になるのか?「第五の墓」やっと推理が当たった感じ。後半に登場するターンバックル刑事は推理が得意なようだが妄想型の推理なのでなんだかいつも先走って間違ってしまうところがおもしろい。ジャック・リッチーって初めて知ったが短編の名手だそうだ。他の短編がないか探してみよう。