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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.10
  • 出版社: 角川書店
  • サイズ:20cm/291p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-873718-X

紙の本

美丘

著者 石田 衣良 (著)

美丘、きみは覚えているだろうか。ぼくときみがいっしょに暮らしはじめた八月。あの夏の光と夜のやさしさを—。残された命を見つめ、限りある生を全力が走り抜けた美丘。彼女が生きた...

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美丘

税込 1,650 15pt

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商品説明

美丘、きみは覚えているだろうか。ぼくときみがいっしょに暮らしはじめた八月。あの夏の光と夜のやさしさを—。残された命を見つめ、限りある生を全力が走り抜けた美丘。彼女が生きたことの証として最期を見届ける太一。奇跡のラストシーンに向かって魂を燃焼しつくした恋人たちを描く、号泣の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】

残された命を見つめ、限りある生を全力で走り抜けた美丘。彼女が生きたことの証として最期を見届ける太一。奇跡のラストシーンに向かって魂を燃焼しつくした恋人たちを描く、号泣の物語。『野性時代』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

石田 衣良

略歴
〈石田衣良〉1960年東京都生まれ。成蹊大学卒業。「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し小説家デビュー。「4TEEN」で直木賞、「眠れぬ真珠」で島清恋愛文学賞を受賞。

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評価内訳

紙の本

死ぬまでに叶えたいたった二つの願い

2008/12/03 13:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界中(セカチュー)より生々しくて少しエロくて痛々しい。そしてどこまでもヒロインと彼との二人だけで完結してしまう、悲しく苦しい恋の話だ。

石田氏の作品にはどこかに感極まる山場があり、素直に理屈抜きの感動がある。難しい言葉は取っ払いできるだけ感情的に本能的にダイレクトに流れ込むそのシーンは、素直に「泣ける作品だったよ」言わせるだけのものがあるのだ。 
いわゆる「猟奇的な彼女」といえる少し過激なヒロイン美丘が屋上フェンスに上って自殺するところを止めに入った主人公、それが彼らの出会い。 

ドラマ『あすなろ白書』のような展開で彼のグループに加わることになった美丘は、強くたくましく下ネタOKのすっ飛んだ、美丘ならぬ『嵐が丘』だ。
「僕たち」の中に喜びも悲しみも楽しさも苦しさも、喜びも怒りも運んできた嵐のような美丘は実はいつ発病するかもわからない病気(ヤコブ病)を抱えている。発病したら数ヶ月のうちに脳が破壊され死んでしまう。段々壊れていく心と身体。ことあるごとに生への執着と、死への怒りと今このときの懸命さを見せ付ける美丘の姿は美しく力強く痛ましい。

急速に接近して、キスしてSEXして、重なり合っていく。これ以上ないほど愛した人が刻一刻と「壊れて」行く時、人はどうするのだろう?見つめ続けることが出来るのだろうか、最愛の人が壊れていくのを? 
彼女と彼が交わした約束はふたつ。
一つは彼女を最後まで見届けること、この世に存在したことを証明すること。もう一つは、壊れてしまう前に必ず消してほしいということ。
彼は2回目のクリスマスの日、真っ赤な薔薇の花束を抱えて病室にたつ。・

いくつか既存の作品名を例に挙げたように、ありがちなストーリー展開の組合せとも言えなくはない。しかし目が離せなくなるのは、死へのカウントダウンの緊迫感が私を放さず、「そうした場面」を自分に反映することがとてもじゃないが出来ないからかもしれない。
何より最期まで見届けること、それが美丘の唯一の存在証明であるのだし。

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2006/11/15 22:05

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2006/12/01 16:24

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2006/11/23 23:19

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2006/11/28 23:50

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2007/01/14 17:47

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2007/01/18 17:06

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