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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2006/11/10
- 出版社: 岩波書店
- サイズ:22cm/92p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-00-115579-6
紙の本
百まいのドレス
著者 エレナー・エスティス (作),石井 桃子 (訳),ルイス・スロボドキン (絵)
「百まいのドレス」を持っていると言い張る、まずしいポーランド移民の女の子ワンダ。人気者で活発なペギーが先頭に立って、みんなでワンダをからかいます。ペギーの親友マデラインは...
百まいのドレス
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商品説明
「百まいのドレス」を持っていると言い張る、まずしいポーランド移民の女の子ワンダ。人気者で活発なペギーが先頭に立って、みんなでワンダをからかいます。ペギーの親友マデラインは、よくないことだと感じながら、だまって見ていました…。どんなところでも、どんな人にも起こりうる差別の問題を、むずかしい言葉を使わずにみごとに描いた、アメリカの名作。ロングセラー『百まいのきもの』が50年ぶりに生まれかわりました。【「BOOK」データベースの商品解説】
いつも同じ服を着ているワンダが「あたし、ドレスを100まい持ってる」と言っても、だれも信じませんでした…。どんなところでも、どんな人にも起こりうる差別の問題を、むずかしい言葉を使わずに描いた、アメリカの名作。〔「百まいのきもの」(1954年刊)の改題改訳〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
エレナー・エスティス
- 略歴
- 〈エレナー・エスティス〉1906〜88年。アメリカ生まれ。ニューヨーク公共図書館児童部の図書館員を経て作家となる。「ジンジャー・パイ」でニューベリー賞受賞。
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紙の本
石井桃子からの贈り物
2017/01/22 09:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童文学者石井桃子さんは桃子と名付けられてだけあって、3月10日が誕生日です。
1907年の生まれですから、生きておられたら110歳。しかし、石井さんは没後まだ10年にもなっていません。
101歳まで生きられた女性です。
しかも、いつまでもお元気でいらした。
その成果のひとつが、この作品の改訳です。
石井さんが最初にこの作品を訳されたのは1954年のことです。
この時には『百まいのきもの』という題名でした。
戦後まもない時期、まだドレスよりはきものの方が呼び方としてなじみがあったのでしょう。
この時期の石井さんは「未来をになう若い人たちに、心の糧となるようなゆたかな文化を、ぜひとも伝えたい」と、さまざまな作品を求めていたといいます。
そんな時に手にしたのが、この作品でした。
この作品は現代風にいえば「いじめ」の問題を描いています。
貧しい移民の娘ワンダに「ドレスを何枚持っているのか」とからかうクラスの同級生たち。そんな彼女たちに「百枚持っている」と答えるワンダ。
そんなはずはないと、同級生のからかいは毎日続きます。
ワンダの親はついにひっこしを決断します。
転校していくワンダにからかったのはまちがいだったと悩む少女も出てきます。
いじめにあっている人に何もしてあげられなくて悩む子どもたちもたくさんいます。
こういう作品が1954年には読むことができたのも、石井桃子さんのような先人たちがたくさんいたからでしょう。
でも、残念ながら、いじめはなくなりませんでした。どころか、もっと悪質になっていきました。
石井さんはどんな気持ちで改訳の作業をされていたのでしょう。
最後にこう記されています。
「もうじき百歳の私から、若いみなさんに手渡すことができることを心からうれしく思っています」。
紙の本
身近な問題を取り上げた子供の文学
2012/04/05 14:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニューベリー賞という名誉ある児童文学の賞を受賞しているから、
知る人ぞ知る児童文学の傑作なのだろう。
外国生まれの児童文学というと、とかくファンタジーやらが思い浮かぶ。
だが、それはそれで魅力としても、
夢の世界で遊ぶよりも、リアルな状況に心を惹かれる子供(あるいは親)も少なくないはずだ。
本書で取り上げているのは、学校におけるいじめの問題である。
なるほどこうした問題は子供にとっても切実な問題だし、
その種の児童文学があるのは当然なのだと今更のように納得。
そういうわけで話自体は重いが、とくに途中からはサスペンス性も増して加速して読める。
舞台はアメリカで、いじめの対象はポーランド系の貧しい少女である。
移民社会というアメリカの現実にも目を開かれる。
主人公は、気がすすまないままに引きずられていじめに加担してしまい、それを後悔する少女である。
我々読者にも、いかにも等身大の物語といえるだろうか。
子供社会とはいえ、いろいろなタイプの人間像が描き分けられていて興味深い。
厳しいテーマだが、その思いに対しては、ある種の救いが用意されている。
鍵を握るのが「絵」というモチーフである。
この本は絵本ではないが、印象的な挿絵が多く含まれていて、
描かれている挿絵を呼応するように、
物語の中でも「絵」というものが重要な役割を果たすことになるのである。
「絵」に託されたものが何だっのか、それが明らかになる結末部は感動的だ。
挿絵も含めてアメリカで生まれた物語だが、
どこか夢見るような透明感のある絵は、
むしろ日本の読者の趣味に合うのではないかという気がした。
そういう意味でも違和感なく読めると思う。