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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.1
- 出版社: 東京新聞出版局
- サイズ:21cm/157p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8083-0861-2
読割 50
紙の本
山岳遭難の構図 すべての事故には理由がある
著者 青山 千彰 (著)
木漏れ日の山路にも、厳しい雪稜にも、事故は一様に待ち構えている。ヒューマンエラー、道迷い事故、加齢問題など、さまざまな山岳遭難要因に着目し、事故防止策を提言。山岳遭対関係...
山岳遭難の構図 すべての事故には理由がある
山岳遭難の構図 : すべての事故には理由がある
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商品説明
木漏れ日の山路にも、厳しい雪稜にも、事故は一様に待ち構えている。ヒューマンエラー、道迷い事故、加齢問題など、さまざまな山岳遭難要因に着目し、事故防止策を提言。山岳遭対関係者、山岳団体のリーダー諸氏必読の一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
青山 千彰
- 略歴
- 〈青山千彰〉1949年徳島市生まれ。関西大学土木工学科卒業。同大学総合情報学部教授。日本山岳協会遭難対策常任委員、日本勤労者山岳連盟顧問、日本山岳文化学会理事。
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紙の本
<遭難>を学問の観点からとらえる
2017/01/22 07:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
山岳遭難、特に雪山遭難ものについひかれてしまう私はふと気づく。
遭難を学問として扱っている人はいるんだろうか?
だいたいの遭難本は、誰かの体験談である。 本人が書くか他の人が書くのかの違い。 そして個別の事例に対し専門家と呼ばれる誰かが自分の経験をふまえて原因について語ったり、教訓を引き出したりする。 それ以外の基準で、遭難について判断材料になるものはあるのだろうか?
そして見つけたのがこれである。
筆者は関西大学の教授だそうで。
中身は、大学の一般教養の講座のテキストになりそうな感じ(実際、そのように使っているのかもしれない)。 過去の事故のデータを集め、学問としての遭難を突き詰めようとする姿勢にまず賛辞を送りたい。
まず、「遭難」といっても新聞沙汰になるような大きな事故だけじゃないということから。
天候の激変などどうしようもない場合以外はほとんどが本人のちょっとしたミスがきっかけになるという。
まずはヒューマンエラーを以下の3つに分類。
1.ミステイク : 錯覚・勘違い・誤判断
2.スリップ : 意図は正しかったが行為段階での誤り・し忘れ
3.ラプス lapse: 動作の意図を忘れる、記憶された情報が取り出せない
これでほとんど説明がつくらしい。 でもこれって仕事とか、日常での失敗にも言えることかと。
そして「山岳遭難の研究を始めた動機は、現在の学部に移ったとき、応用地質の研究ができなくなったからである」という身も蓋もないコメントをさらりと書いてしまうあたりにさらに好感を持ち、笑ってしまうのだがしかし大学というものはそれでいいのだろうか・・・。
まぁ、内容はデータ集積が中心なので読み物としての面白さを求めたらそこに「物語」はないけれど、表記は結構面白いです。
ところで「ヤブこぎ」って普通に使う言葉? 専門用語?
後半、道迷い実験について多くの部分が割かれていてこれがなかなか興味深い。
「自分は道に迷わない!」というカンだけでは実際はどうにもならないというのがよくわかる(だからコンパスを使って地図を読むという技術が大事ということです)。
「なお、実験(A)には、被験者にGPSを取り付けて自動測定し、自由に山行軌跡を見る方法もあるが、帰ってきてくれる保証がないので、恐ろしくて試みたことがない」などとこれまたお茶目な記述があったり。
この方の講義は面白そうである。(2010年10月読了)