ＩＴとカースト インド・成長の秘密と苦悩

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2月19日読了。ＮＨＫスペシャルでインド凄いと思って借りてきてみた。最近著しいインドのＩＴ産業の成長は、ＩＴがカーストに規定されない新たな職であるため、いろいろなカーストから人材が集まること、またイギリス植民地であったことから、高等教育を受けた人々はほぼ英語を話せることが要因となっていることがあげられている。一方、根強いカースト制や、貧富の差による国内の分断の深刻さも事細かく描かれていた。国民国家は「国民」を基盤にする以上、愛国心や同胞意識を持った国民が
いて、きっちりまとまって安定していることは強みになるわけだが、インド国内は、圧倒的に分断されているという。別カーストのことは関係ないという意識、都市と農村の格差などだ。だからこそ、能力のみが絶対のＩＴ産業、そして都市は、そういう分断を取り払う場であり、インドの成長にとって必要不可欠であるとする。
なかなか読みやすくておもしろかったが、どうも本質論的で、上から目線なのが頂けない。インドは今まで「停滞社会」でその原因に、輪廻転生を信じていて、農民の多くが現世の不幸は前世の業（カルマ）のためで、やむを得ず、現世で有力者に奉仕するなどの利他的善行を積めば、来世で幸せになれると信じているから、社会的上昇志向が生まれないからとか書いてあるところは本当かよ、と正直思った。イスラーム教はジハードを教義にしているから、テロリストが多いんです、イスラム教の考え方はひどいですねとかいう大まかで無理矢理な考え方の臭いがする。何かといえば、日本の明治維新を引き合いに出して、江戸時代の日本には近代化のための素晴らしい要素があったと書いているのも、優越感？な気がする。（深読みかもしれないが）インドと中国を一緒に扱おうとしているのも気が知れない。中国の明清時代は私がしる限りカーストとか士農工商とはほど遠い「一君万民制」、つまり皇帝以外は平等で、えらく流動性が高い社会だったのだが。その高い流動性＝リスクも高さのために、相互扶助として宗族などが生まれたというわけだ。まあ、私はインドに行ったことがないから偉そうなことは言えないけれど、有力者に従っているのは、輪廻転生思考のためじゃなくて、毎日の生活のためだと何より思う。

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中国と並び、今世界経済の注目となるインド。年８％に及ぶＧＤＰ成長率の実態とは。またインドが抱えている現状とはなにか。作者自身、そんなに長期にわたっての取材ということではないと断っているが、ある意味表層的なことや、既に知られていることも記述が多い。が、全体的にはよくまとまっていると思う。

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インド関連の書籍が多く出版される状況にあって、目新しい情報がそれほど多く盛り込まれているわけではない。不満な点として、?資料や関連文献での裏づけ、紹介、?平易ではあるが繰り返しが多い話し言葉的文体。
長所として、?“体当たり感”と“取って出し感”、?インドについての専門家ではないが、日本で何が伝えられていないかという点にについてはわかっていること。
印象に残った点として、インドの抱えるパラドックスを構成の中にうまく取り込んでいること。特に?大学や民間企業での積極的是正措置（優遇枠制度）が憲法で禁止されているカースト（女性や黒人に比べインヴィジブルであるにもかかわらず）を顕在化させざるを得ない。?グローバリセーションの波をモロに受ける農村で貧困の末に自殺する農民が増える中、寡婦を支援救済する措置を政策的に打ち出したところ、自殺者がさらに増加した。?政治家は識字率を高めることに熱心でないどころか低いほうがいいと思ってる者もいる。これらのパラドックスを指摘するだけでも十分インドの笑うに笑えない惨状がうかがい知れる。

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学科でのインド調査に際して読了。
著者のインドに対する所感が述べられている。
インドをどれくらい知っているんだという筆者に対する批判を目にしたこともあるが、概ね自分には参考になったし現地を知らない日本人が高慢に書いているという印象は受けなかった。

今後のインドの課題についても検討をしていたりけっこう面白かったな。

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　インドの経済発展の秘密と、その影に横たわるカーストという問題についてのレポート。
　世界の中でますます存在感を増すインドの、光と陰をわかりやすく紹介している。
　「インドといえばカレーでしょ」みたいな自分の知識の浅さを反省して手に取った1冊だが、終始興味深く読んだ。

　インドはＩＴ技術で世界の先端を走っている。もとより数字に強い国民性、ＩＩＴ（インド工科大学）卒業生を通じたシリコンバレーとの密接なつながり、英語が準公用語であること、アメリカとの12時間の時差……これらがインドをＩＴ大国にしたことはよく知られている。

　インドの将来はバラ色か？　たしかにインド経済は成長している。３年連続で８％以上の成長率を記録し、韓国を抜いてアジア第3位の経済大国になった。とはいえ、まだＧＤＰは7000億ドル程度しかない（日本は４兆7800億ドル）。まだまだ成長のための「伸びしろ」は大きく、短期的な成長は約束されているだろう。
　しかし、国内に目を転じてみれば、いまだ人口の３割が文字を読めないという教育における格差があり、ＩＴ産業に従事する若者の初任給が７万円程度であるのに対して、４億人が１日１ドル以下の所得で暮らすという貧富の格差もある。

　さらに、もちろんカーストの問題がある。カーストが違えば、世界が違う。11億人の人口がいても、カーストでこまかく縦割りされ、人々は意外に小さく窮屈な世界に住んでいる。カースト制度の下、今でもインドの結婚は親主導の見合い結婚である。結婚は神聖であり、浮気も、離婚もないというかできない。インドは「世界最大の民主主義国家」とも言われているが、建前と現実では大きな差があることには、この地も例外ではない。
　ヒンズー教の世界観は輪廻転生を基本としている。今生では低いカーストに生まれても、功徳を積めば来世では上級のカーストに生まれ変われると、ヒンズー教徒は信じている。１回限りの人生ならば、あれにもこれにも挑戦しようと思えるが、ヒンズー教を深く信じるほど、現状肯定的になり、制度の問題点をどうにかしようとは思えなくなる。

　インドの進学塾で学ぶ生徒たちに、著者が挙手でアンケートをとったシーンが印象的。子どもたちの夢は、スポーツ選手でもなく、パイロットでもなく、圧倒的に「ＩＴ技術者」だそうだ。
　これにはインドのカースト制度が深く関係している。インドでは、職業とカーストは分かちがたく結びついている。その枠を越えて実力勝負ができる数少ない舞台が「ＩＴ技術者」なのだ。
　インド躍進の陰にもカースト制度がある、というわけだが、それだけインドの潜在的なパワーがカースト制度によって押さえ込まれている証拠ともいえるだろう。

　インドの秘められたパワーと、そしてその力を閉じこめている鎖がいかに丈夫か、その両方がよくわかる本となっている。

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・インドは見合い比率が80%、離婚率は1%以下・
日本は工が商と分離されているがインドは工がない。カーストの一番上が司祭なので想像以上に宗教色が強い社会。
・ｲﾝﾄﾞﾓ中国も小さ地域や階級の固まりが国を作っている。
・最大の財閥は「パルシー」＝ヒンズー語で「ペルシャ」タタもその中の一つ。
パルシーの人口は１８０千人ほどしかいない。
シーク教徒は人口の２％を占めるだけだが肉食だし体が大きい。シン首相もそう。パルシー、シークが活躍できたのは縦割り社会ではなく活力があったから。
・インド工科大学は全国で４千にんしかとらず質を維持している。国内で就職口がなくｱﾒﾘｶなどで就職していたがGEが能力の高さに気づき、１２時間の時差と共に積極活用し始めた。

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http://www.nikkeibook.com/book_detail/35241/ , http://www.ycaster.com/diary/index.html

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真新しい内容はあまりなかった。特にIT関連の記述は表面的で誰でも知っていることを書いている印象。
読む価値があるとしたら政治面。インドの人から直接聞いた政治への思いはそれなりに読みごたえがある。

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上っ面を舐めただけのような薄っぺらい内容。インドに3回訪問しただけなら仕方ないか。斜め読みのやっつけ読書本。

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today`s study

「ITとカースト―インド・成長の秘密と苦悩　伊藤洋一著」
2007年出版（区の図書館orz)&Amazonレビュー的にｗおすすめはできませんが僕みたいな全くのインド初心者が読むには読みやすく、全体もつかみやすいかと。

読んで一番感じたのはインドの何重にも重なる「格差」。カースト、宗教、教育、人種、情報量・・・。
しかし、その格差をのりこえているのがITであると。
（インターネットの世界はバラモンがみるには不適切な情報もあるし、クシャトリヤがするにもめんどい作業が多い。かといって、お金が入るからシュードラも・・・結局ITはヴァルナ関係なくやればいいじゃん！らしい。少し怪しいけど）

しかし、もちろん問題はそれらを享受できない農村の貧困。特に農村の識字率が低すぎるために借金の恐ろしさすら知らず土地にもあってないアメリカの種子を買わされ・・・・というよく聞くけど行ってみないと感じられない現状があり。

しかし、このままでは格差が広がる一方なのでインドでは政府によって大学や民間企業ででアファーマティブアクションをとっているらしい（これが25％とか結構高い）。しかし、民間企業は単純にカースト関係なく優秀な人をとりたいのにあえてカースト下層階級を分けて雇用することに反対。さらに現在都市部ではカーストを知らずに生きている人も多い中、アファーマティブアクションをとることにより、かえってカーストが意識されるという現状も・・・。格差解消ってホント難しい。

さらに貧しい人ほど実は保守的であるという現状も。輪廻解脱の考えから「現世の身分は前世の行いによるものである」ため、言葉も知らずそれだけ教えられている貧しい人ほどその教えを深く心にとどめている。だから現状を何の違和感もなく受け入れ、むしろ、今地主等に尽くすことが来世につながると考えていると。支援の難しさもかいまみられる。

都市部と農村、経済発展の影にある格差・・・インドの児童養護施設はまさにその最たる存在であり、日本とは違う姿なのかもしれないなと。


ちなみに。

インドはなぜオリンピックでメダルをほとんどとれないのか。
→アテネオリンピックでは銀メダル一個のみ。（中国は金メダル３５個）
一つはおわかりでしょうが最も盛んなスポーツがクリケットだから。
そして、もう一つは「スポーツ選手になり得る」身分がないため。バラモンやクシャトリヤはそのままいい仕事についた方がいい。しかし、シュードラがスポーツ頑張っても誰も上の人たちは応援してくれない・・・・。ってことでスポーツそのものがあまりはやらないのだとか。

ただ一人実力のある女子テニスプレーヤーがいてその人はイスラム教徒であるため国の人気者に。（テニスウェアは露出が多いため祭司に非難されたらしいけど「leave me alone!」っていって言葉が流行っただとか。

あと最近は街中でも手をつないであるいているカップルもいるらしいから頑張って!!!←（でもまだまだお見合い結婚。というか付き合う概念すらやっと都会でらしい。安井あんまり誘惑しない方がいいよ。）

��上。

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「ITはカーストに規定されない職業であり、能力があれば問題ないことから、様々なカーストの人々が流入し、発展した」
「先進国かどうかの尺度は「農村部の豊かさ」」

だそうな

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現代のインドを理解するに役に立つ書。インドにおけるITがカーストを突き破る武器であったということは、新たな知見だった。