- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.1
- 出版社: 雲母書房
- サイズ:20cm/250p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-87672-212-9
紙の本
引きこもり狩り アイ・メンタルスクール寮生死亡事件/長田塾裁判
支援者、家族を激しく揺さぶった死亡事件を、引きこもり問題に関わりの深い論者たちが徹底検証。煽り立てるメディアの責任、拡大する支援の産業化、「善意」がはらむ暴力性など、根深...
引きこもり狩り アイ・メンタルスクール寮生死亡事件/長田塾裁判
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商品説明
支援者、家族を激しく揺さぶった死亡事件を、引きこもり問題に関わりの深い論者たちが徹底検証。煽り立てるメディアの責任、拡大する支援の産業化、「善意」がはらむ暴力性など、根深く絡み合った問題の全貌を明るみに出す。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
「善意の道は地獄へ通ずる」ということ | 芹沢俊介 著 | 7-30 |
---|---|---|
アイ・メンタルスクール事件報道の概要 | 川北稔 著 | 31-54 |
予期された事件 | 山田孝明 著 | 55-82 |
著者紹介
芹沢 俊介
- 略歴
- 〈芹沢俊介〉1942年東京都生まれ。上智大学経済学部卒業。評論家。著書に「引きこもるという情熱」など。
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紙の本
それでも「ひきこもり」のままで良いとは言えない
2008/08/11 23:31
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
2006年4月18日に名古屋市にあった「引きこもり者支援施設」で、26歳の男性が死亡する事件が起きたことに端を発し、同時期に同じ名古屋にある同様の引きこもり者支援施設にまつわる裁判と関連させて、同年7月に行なわれたシンポジウムを基とした本である。
シンポジウムの記録そのものは「付録」に位置づけられ、メインは編集者でもある芹沢俊介を初めとして、精神科医、こども虐待などにも関わっている弁護士、ひきこもり支援者、大学講師、そしてひきこもり体験者による、ひきこもり支援に関する論文からなっている。一部、ひきこもり者にどれだけ実際にかかわっているのか考えたくなるような文章もあるが、全体的にはひきこもり者への支援を真摯に考えていることがわかる。しかし、ここで語られているのはむしろ、ひきこもりそのものよりも、ひきこもりに関わることの危うさとでもいった「支援」についての批判的論調である。ひきこもり者に対する本当の支援とは何かということが問題とされている、と言ってもよいだろう。それぞれの著者の言わんとするところはわかるし、ある程度共感もできる。だが、これもある意味正論すぎて、そのまま鵜呑みにしてもいいのかと思ってしまうところがないわけではない。それだけ「ひきこもり」問題が複雑なものを抱えているということだとは思う。
事件からはすでに2年が経過してしまっていて、一時言われていたような「ひきこもり」や「ニート」に対する世間の反応が薄くなっているように思う。そんな時だからこそ、また改めてこの本で語られていることを考えないといけないのではないだろうか。