紙の本
こんだけ統計資料を集めちゃえば信憑性だってそれなりでしょ?
2008/08/03 06:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
250ページあまりの本だが,左ページはほとんど図表なので「本文」の分量は125ページ分くらい。字ばっかりだと読むのがイヤになっちゃうようなヒトにもお読みいただける親切設計である(か?)。
内容をひとことで言うと,いろんな出典のいろんな統計を片端から集めて世界におけるニホンの位置や立場を把握,巷間言われている二ホンの格差拡大が愛か誠か……ぢゃねぇや,ウソかマコトかを検証してみようぢゃねぇか,というもの。オレが面白いと思ったのは,とかくこのテの本につきものの「統計資料の選択が恣意的である」とか「自説に合ったデータばかりを抽出してる」という批判に国際標準の必殺技「質より量」で対抗しているところである。
つまり個々のデータの信憑性については「まちょっと怪しいとこがあるかも知んない」と退き,その代わり「でもこの会社の統計も,この団体のデータも,これも,あれも」と数で稼ぎ,こんなに多くの資料を並べてこうなんだからやっぱりホントなんぢゃないの? と実に民主主義的な帰納法で事実に迫ろうとするのね。で,それによれば,二ホンは現在世界中でまぁ上の下くらいにいい国であるが,格差は拡大傾向にあり国民が描く将来像はあんまり芳しくない。
でも今のところ(このデータのでどこはBBCだけなんだけど),二ホンは世界で2番目に好かれている(二ホンに対して好印象より悪印象が勝つ国は中国と韓国だけ。あ,北朝鮮は調査範囲外ね),と。まぁ手法に比べて結論には目新しい話がないんだけど,たいくつな本ではありませんってとこかしら。
投稿元:
レビューを見る
いろんなデータを引っ張り出して世界中の国々を比較しています。
なんだかんだいって、現状の日本はぜんぜん贅沢なお国なんだなと。
投稿元:
レビューを見る
世界は広い!見開きで、1テーマ・1グラフでまとまっていて、多角的な視点で世界を見ることが出来ました☆
投稿元:
レビューを見る
見開きの左にデータ右に解説と言う形式で、様々な視点から見た世界における日本の位置付けをしている。
いろんなデータが手軽に見れたのがよかった。
投稿元:
レビューを見る
世界との格差・日本国内での格差がわかりやすくデータ化されている。世帯の平均貯蓄額が1500万円という数字に違和感を感じたが、分布別に見ると、貯蓄額ゼロの世帯がなんと約4分の1もいる。つまり、一部の高額貯蓄者によって、平均値が引き上げられている。格差。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
いま、世界では5人に1人が1万円で3カ月暮らしている。
豊富な統計(データ)から見る貧困と格差。
[ 目次 ]
一章 世界の街角で一万円を使う
二章 世界と日本の賃金・購買力を比べてみた
三章 世界に拡がる格差問題を知る
四章 日本の実情と実力をあからさまにする
五章 日本の格差の本当のところを知りたい
六章 日本人に生まれて幸せか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
1万円で何が買えるか? 日本はもう豊かさのトップグループにはいないけど、ずっと貧しい国々はたくさんある。トップにいる必要はないけど、世界中の人々が僕らと同じ程度の豊かさを享受出来たらいいと思う。
世界では5人に一人が3ヶ月を1万円以下で暮らしている、というのが現実。ただ、この本は先進諸国と日本との比較が主で、世界の富の偏在に核心的に迫っているわけではないのが残念。
投稿元:
レビューを見る
スイスやアイルランドが思ったよりも良い順位につけているなど、
統計を通して各国に対するイメージが変わりました。
ただ、2005年のデータが多いので、リーマンショックによって変わったところも多いのでしょうが・・・
結論、日本は格差はあっても幸せな国なんだよ、ということなんだと思います。
投稿元:
レビューを見る
世界における日本の地位低下は感じていたが、改めて考えさせられた。下を見て優越感に浸るか、上を見て切磋琢磨するか、日本人のアイデンティティーが今試されている。データブックとしても貴重な一冊。
投稿元:
レビューを見る
1万円がどういう価値をもつかを様々な視点から分析した新書。しかし、タイトルの1万円の価値については、最初の部分だけで、全体としては統計的に各国間の経済格差や生活の質、教育水準、幸福度などの分析となっている。全体を通じて、格差に対する問題意識をベースにした著作であると思える。1つの事象について原則見開き2ページのみの解説にとどまるため、どちらかというと雑学本である。とはいえども、各国のマクロ経済指標などの資料としての価値もすてがたく、ビジネスにおいて参考になることはあると思う。
投稿元:
レビューを見る
20111007読了 10月の通勤読書?
図、表、グラフと解説がセットになり簡潔にまとめられている。様々な指数がだされ非常に参考になった。…のは前半戦。
後半戦はなんだか脱線気味。経済格差の本かと思いきや、日本の社会格差の話にすり替えられている感がある。
各国の可処分所得の統計ページでは、著者が迷走しているところがあった。可処分所得の割合が高い=税率低い のはずなのに…。
あとデータは水物。都合よく操作できちゃうのねん。説得力に欠ける箇所もあり★×2っす。
投稿元:
レビューを見る
全体的な本の評価としては残念ながら高くはないのですが、昔から知りたいと思っていた日本の技術貿易が黒字となっているカラクリ(p151)について実際のデータとともに解説してあった点はとても良かったです。
それ以外の項目については、少し誤解を招くデータの紹介もあったような気もします。
以下は気になったポイントです。
・2006年6/26にウォーレン・バフェット氏は、370億ドル(当時:4.3兆円)をビルゲイツ財団に寄付すると発表した、世界60位であるクロアチアのGDPと同額(p78)
・世界100傑の大富豪に日本人はいないが、世界にいる870万人の富豪(金融資産:100万ドル)のうち、アメリカ人:267万人(31%)、日本人:141万人(16%)である(p82)
・日本国民の平均寿命は世界一(81.9:男女合計)だが、スワジランドでは、33歳、アフリカでは40歳以下の国も多い(p109)
・日本の技術輸出:1.76兆円、輸入:0.56兆円@2004だが、輸出額の73.4%からは海外の子会社から日本の親会社への支払い、これを除くと、輸出額:0.47兆円、輸入額:0.48兆円で輸入が多い、アメリカは482億ドル輸出、200億ドル輸入で、差し引き:282億ドルの黒字(p150)
・日本の大学進学者数は92年の79万人から06年の69万人と減っているが、大学進学者(短大除く)は増加している(p162)
・貯蓄、株等の金融資産を1億円以上保有する金持ち世帯は、2005年時点で86.5万世帯、全体の2%だが、資産総額(213兆円)は全体の18%(p194)
・日本における給与所得者数は、4494万人(男性:2274)で、平均給与額は、男性:538、女性:273万円(p196)
・東大生の13.9%は、年収450万円以下の世帯出身(p213)
・初婚年齢は男:29.8@2005、28.5@1995、女性:28.0@2005、26.4@1995であり、男性の生涯未婚率は、15.6%(7.2)@2005、6%(4)@1990である(p249)
2012年2月12日作成
投稿元:
レビューを見る
情報元が明記されているのでデータ本としては機能するし、編輯も見やすくて便利。大学一年生の春に配布すれば、彼らの4年間に何らかの影響が期待されるのでは、という気がする。
投稿元:
レビューを見る
世界各国と日本の、政治・経済・文化に関わる統計を比較して、その順位から各国の位置付けを考える本。
日本に居ると、世界各国との比較で、結構良い暮らしをしている印象があるが、意外と、経済的にも自由度的にも、思っていたほどではない様子。
投稿元:
レビューを見る
1万円の価値を、昔と比べる。外国と比べる。そういうところから、統計データに「実感」を込めようという試みは、大成功だと思う。世界第2位の経済大国とか、いやいやウサギ小屋住宅&カローシの国だとか、いろんな「イメージ」を、統計をもとに検証していく。
いろーんなデータを幅広く集めて、おもしろい読み物になっている。首をかしげるのは、日本の中の格差を扱った5章と、国内の犯罪や事故などを扱った6章。だけどむしろ、疑問に感じることによって、同じデータでも「取り方次第」という側面が出るのが、よくわかって興味深い。