紙の本
ページをめくる指がとまらない!
2012/07/22 15:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこでだったか柴田よしきさんの本はのめり込むほど面白い!と聞いて、久しぶりにのめり込む本に出合いたいと思っていた私は、さっそく一冊選んでみました。
「自分と貴之とは、並んだ木馬に乗っていた。そのまま何事もなければ、回転が停まるその時まで、木馬は二つ、並んだまま。そして二人も、並んだままでいられただろう。だが途中で、貴之は別の木馬に跨った。回転は続く。終わりの日が来るまで続く。そして、回転木馬の上で。それぞれの木馬の距離は決して変わることがない。」
ある日突然、いなくなってしまった夫の貴之。
その妻は、夫の探偵業を継ぎ、自ら探偵となってあらゆる場所を夫の居場所を探し続ける。
ある時、偶然にも夫を見かけた妻は、夫がすでに誰かと暮らし始めて家庭を持っていることを知り…。
京都、佐渡、信州と、日本のあちこちに舞台を移し、物語は進んでいきます。
内容を詳しくご紹介できないのは当然のことですが、妻が10年以上の月日を経ても夫を探し続け、
幾度も衝撃的な事実に遭遇しながらも、少しの希望を持って突き進む姿に、感動の嵐!
夫が失踪後に抱えてしまったどうする事も出来ない状況、
目の前の守るべきものへの責任。
強い愛情、固い絆で結ばれた友情、恩返しの気持ち、理不尽な犯罪への復讐、いろんな感情が絡まり合って、最後に迎える大団円!
もうこれは、ページをめくる指が止まりません。
夫失踪の謎がとけていくキーワードがいくつかあるのですが、私が一番注目したのは、琵琶湖の近くで食べたパン!
「昔、大好きだった女性と、そこで食事をした時のことがわすれられない」と話していた夫・貴之。おいしい記憶の力、共通の思い出、二人だけのゆるぎない絆に、ただただ素晴らしいの一言、でした。
投稿元:
レビューを見る
再読。
こないだドラマ化されていたのと、偶然「観覧車」を再読した直後だったのでこちらも読み直し。
綺麗にわすれていたけど、ハッピーエンドでよかったよ…。
・「観覧車」続編で、完結編にあたる。12年もの間、失踪した夫を捜し続ける唯。夫を捜すにあたって出会う女たちの物語も交え、見事な連作です。「良かったねえ!」と言いたくなる様なラストでした。
・観覧車の次が回転木馬…うまいタイトルだなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
よかったねぇ主人公、ってエンディングが◎。ミステリ的にはあまり意外性があるとは言えないけど、終わりよければ…でも、もう続編はないという事でもあり、それはちと哀しいかな?
投稿元:
レビューを見る
謎の失踪を遂げた夫・貴之のあとを継ぎ、探偵となった下澤唯。偶然、佐渡に渋川さわ子という関係者がいたことを突き止めるがすでに彼女は死んでいた。切れそうになる夫への細い糸をたぐって、唯は執念の追跡を続ける。2年を経て、さわ子の友人で佐渡から信州・蓼科へ移ったというペンション経営の大谷憲作のもとへと向かった。
そこには貴之の目元を残した美少女−小松崎ゆいがまっていた…。
「観覧車」の続編。後半はもう涙をボロボロ流しながら読了。
10年以上も夫を信じて探し続けた唯を思うと胸がぎゅっと締め付けられました。
ただただ、唯の幸せを祈りながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
結末が見えてるな。。と思いながら読み進めていくと、ちょっと引き込まれそうになるがそれが遠のいたように終わった。ストーリーも平凡過ぎて柴田さんの良さが伝わってこなかったです。
投稿元:
レビューを見る
07年6月。
「観覧車」の続編だそうで、その観覧車を読んでないのに読んじゃった。
失踪した夫を追い続ける女探偵・下澤唯がようやく真相にたどり着くというお話し。夫が黙って自分の前からいなくなるはずがない、という強い気持ちが貫き通され読み応えがありました。
投稿元:
レビューを見る
「逢いたい。もう一度彼に逢いたい」失踪した夫を追い続ける女探偵・下澤唯の前に、忌まわしい過去の事件が浮かび上がる……。希望と哀しみが交錯する著者渾身の感動ミステリー。作家新井素子さんも推薦!主人公の唯。こんなに莫迦でこんなに哀しい女はいない。夫に失踪され、夫が自分を裏切っていることをうすうす予感しながら……十年以上、待つ。待って待って夫の消息の切れ端を掴んだ処で、彼女は言うのだ。帰ってきて欲しいでも、やり直したいでもなく……「逢いたいんです。もう一度」。こんなに莫迦で、こんなに哀しく……こんなに素敵でかっこいい女は、なかなかいるもんじゃない。――作家 新井素子
投稿元:
レビューを見る
2007.9.22読了。こんな風な原因にしちゃったのかあ。最後のご都合主義もしかたないなあ、とか、無理して続編作っちゃったわね的な同情をしてしまいました。中年女の軌跡は上手く描かれているので、一つ一つの短編として読んだ方が良かった。
投稿元:
レビューを見る
女探偵下澤唯が失踪した夫を探す連作短編。いろいろな人たちの人生と錯綜しながら真相に迫っていくミステリー。しっかりした個人描写、複雑なそれぞれの人生。いろいろ考えさせるミステリーです。
投稿元:
レビューを見る
10年以上前に失踪した夫を探し続ける下澤唯のお話。
「観覧車」の続編。
裏切られていることがわかっていても、もう1度夫に会って話したい、その気持ちがただ切なかった。
他にもたくさん傷ついている女性たちが出てきて、それもまた切なかった。
そしてラストがよかった、泣いた。
投稿元:
レビューを見る
夫はなぜ失踪してしまったのか、今何をしているのか。夫を探し当て、その理由もはっきりするのだろうか。ミステリー仕立てですんなり読めた。
投稿元:
レビューを見る
観覧車の続編。
シリーズ完結編。
やっと、真実にたどり着けた。
けれどその真実はとても辛いものだった…。
主人公の心を思うとひどく切なく、哀しくなる。
普通なら失踪した夫を10年以上も待ちつづけることなど、絶対、できない。
それを続ける主人公をまるで裏切ってしまうような真実。
読んでいくほどに切なく、痛い。
それでも物語に引き込まれていく圧倒的な何かがあった。
投稿元:
レビューを見る
先日読んだ『観覧車』の続編。
消化不良のところで終わってしまったので読みました。
だって肝心な夫の事はわからないまま終わってしまったら…ねえ。
でもこれでやっと解決。
女探偵が12年前失踪した自分の夫を捜す話。
小説と同じように前作の12年後に出版されました。
作者がすごくこの作品を大切にしている事を感じました。
このお話は本当に切ない!
当事者だったら絶対に耐えられないと思います。
それなのに主人公の唯は本当に強くて…最後の方は鳥肌が止まらなくなり、電車にも関わらず泣きそうになりました。
唯の待ち続ける姿勢に感動しました。
最後に風太が出てきたのは良かったのですが今回唯をかなり支えていた多美子が全然出てこなくて残念でした。
とにかくスッキリしました。
だって『観覧車』の終わり…あれは反則です。
気になって気になってモヤモヤしてました。
この本だけでも楽しめますがやっぱり『観覧車』を読んでからの方が楽しめるし、感動も深くなると思います。
恋をしたことは後悔してない。あの人の出逢ったことは、少しも、後悔してない。
けれど。
投稿元:
レビューを見る
「誰かの人生と別の人生とを比較して、どちらがより幸福、どちらがより不幸、などと考えるのは、無駄なことだ。人生は、結局、それぞれひとつずつしかなく、他人のものを自分が体験することはできない。より幸福だと言われてもそれを自身で証明することはできないのだし、より不幸だといわれても、だからどうしたらいいのか、それは誰にも答えられない。」
ミステリーだった!!
ぽややーーんとした物語かと思ったら、すごく切なくって苦しいミステリーだった。
雪国の寂しさとか、そういうのが手に取るようにわかる記述に、苦しくなったし、そういうところで一人で生きていくつらさとか、それはどこでも一緒だけど、そういう悲しさみたいなのがありありとわかったのだ。
最終的に、春の兆しが見えるのだけれど、それまでがとっても苦しくって、それでも一体どうなるのかと、目を離せない展開だった。
柴田よしきさん、、引き出しが多いんだなぁ・・・。
【10/12読了・初読・市立図書館】
投稿元:
レビューを見る
『観覧車』の続編。
結婚2年で行方不明となってしまった夫貴之の行方を12年に渡り捜し求める下澤唯。
前作で貴之らしき人物を佐渡へ渡るフェリー乗り場で発見する。
新潟の探偵社の川崎多美子とともに佐渡へ。
大腸がんの宣告を受けた香住笙子。彼女と同室だった佐野明子。二人の生涯に絡めながら話がすすむ。
明子がかつて同室だった渋川雪の母からの手紙を笙子は預かり、唯に見せることとなる。
その手紙の中に、夫貴之と一緒にいる渋川雪の存在、そして、二人に深く関わる人物、大谷憲作が浮かび上がる。
大谷は佐渡にペンションを持っていたが蓼科へと移転。
それを追いかけ舞台は蓼科、女神子畔に移る。
10年ほど前、クラブ『花模様』でチーママをしていた天野言美の人生にそう。その『花模様』に雪も勤めていたのだ。
言美は5年前強盗殺人で夫と娘を殺された被害者だった。犯人が出所してきたら彼女自らの手で犯人に復讐しようとしてた。
そんな言美 の魂を少しでも救う手伝いをしたいと唯は考える。
唯は言美をネイチャーカメラマンの小松崎鶸矢の展覧会に誘う。
言美は彼の写真に魂を揺さぶられ、小松崎にあって話をしてみたいと強く思う。
唯は彼の展覧会の中に夫貴之が撮ったと思われる写真を見つける。
小松崎は貴之の行方を知っていると確信する。
唯と言美は連れ立って女神子へと向かう。
そこで、唯は「ゆい」という10歳くらいの貴之の面影を持つ少女に出会う。
「ゆい」は雪と貴之との娘だった。
12年前、雪は実の父親を探しに京都に来た。父を探すことを貴之の探偵社に依頼する。雪は貴之の到着を待たずにホームレスとなった父と思われる人物に出会う。
丁度、そこを雪を追ってきた雪のヒモが見つけてしまう。争う二人に割って入ったヒモは彼をつき飛ばし、彼は打ち所が悪く死んでしまう。逃げる二人を追った貴之がヒモと争っている時雪が鉄パイプでヒモを殴り殺してしまう。
しかし、貴之は頭を強く打っていたため記憶喪失となってしまう。
雪はヒモを殺したのは貴之だと告げる。
貴之は大谷たちの計らいで大谷敬吾として雪と12年を歩み、「ゆい」をもうけたのだった。
いつか貴之も記憶をとりもどすが、すでに「ゆい」がいたため彼女たちのために生きよとする。
しかし、雪は胃がんで余命あと1ヶ月と知らされ、雪を看取った後、唯のもとへもどることになるんじゃないかと匂わせた幕切れ。
かえって、貴之が戻ってきた。と終わるんじゃなくて、戻ってきそうな予感をあたえた終わり方がすごくいい!!