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商品説明
教科書の理想を追求した大谷刑法学の集大成。刑法の基礎、犯罪、刑罰と保安処分について実務との関連に配慮しながら体系的に叙述する。縦書きを横書きに改めるとともに、近年の刑事立法や学説を踏まえ全面改訂した新版第2版。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 第1編 刑法の基礎
- 第1章 刑法と刑法学
- 第2章 近代刑法学の歴史
- 第3章 刑法理論
- 第4章 刑法の法源と解釈
- 第5章 刑法の適用範囲
- 第2編 犯罪
- 第1章 犯罪論
- 第2章 構成要件
- 第3章 犯罪成立阻却事由
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行為無価値論の司令塔
2007/04/17 01:34
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧版との最も大きな変更点は2つである。ひとつは、判例の言葉のそのまま引用部分が大幅に増加していること。ふたつ目は、形式面として横書きカラー含みになったこと。
判例の生の言葉引用は非常に便利だし、有用だと思う。判例はなんと言っているのかということは、法解釈において重要である。例えば、因果関係でいかなる学説を採ろうと、必ずあるべき結論がある。それはすなわち事案の落としどころとでも言うのだろうか。結論に至る理論は別にしても、判例の落としどころはやはり生の言葉でそのまま覚え、参考にした方が良いように思う。
個人的に注目していたのが、因果関係の認識の論述であった。因果関係を故意の認識対象とするかという困難な論点について、旧版では従来の説を変更されて、認識不要説に転向された。圧倒的少数説である同説がそのまま持続しているか注目していたが、変更はなかった。
旧版は、縦書きで一色という正に「漢」そのものの教科書であった。しかし、本書は横書きカラーという相当に読み易いものに変貌した。行為無価値二元論の有用な教科書が無くて困っていた人たちにとっては、大谷刑法講義総論各論の今期改定こそが福音となると思われる。この改訂を眼前にし、何も自説を曲げて前田や山口に走る必要はなくなるだろう。