- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.4
- 出版社: 平凡社
- サイズ:26cm/246p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-582-28611-3
紙の本
澁澤龍彦幻想美術館
著者 巖谷 國士 (監修・文)
マニエリスム、シュルレアリスム、江戸〜昭和の日本美術、人形、童画、写真、ポスター、オブジェ…。7つの驚異の部屋、美とエロスの宇宙へ。澁澤龍彦が熱愛し賞賛した古今東西の美術...
澁澤龍彦幻想美術館
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商品説明
マニエリスム、シュルレアリスム、江戸〜昭和の日本美術、人形、童画、写真、ポスター、オブジェ…。7つの驚異の部屋、美とエロスの宇宙へ。澁澤龍彦が熱愛し賞賛した古今東西の美術家の傑作・異色310点を一挙掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
巖谷 國士
- 略歴
- 〈巖谷國士〉1943年東京生まれ。東京大学仏文科卒業。仏文学者、批評家、紀行作家、明治学院大学教授。著書に「澁澤龍彦考」「澁澤龍彦の時空」など。
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紙の本
美の世界。幻想の夢と彼の愛
2007/05/22 01:01
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
感嘆のため息…。美しい世界、美術。澁澤の愛したものが並んでいる。
幻想、美の収録…。この本を待ち望んでいた。
澁澤の愛した美が、巖谷が振り返って残す彼への記録とともに備わる。
その地点、佇む人はどこにいるのか。
ページを捲る、手が停まる。
写っている美のものの鼓動が伝わって、それは声として聞こえるよう。
ざわめく肌が冷たくなる。頭はぼうっとして、皮膚は脊髄を伝い、脳裏と共振を図り始める。
とろけて一体化する。一は全となり、有は無と化す。
幻想、まどろみ。現実と夢の境が薄くなり行く。
色を思わせるかたちが、かたちを思わせる色の世界が大気を変える。
妖艶な幻。美というその世界が、実存危うい現世を揺さぶる。
夢幻のこと、美だ。
妖艶と遥かの美のものに、言葉をなくして見惚れてしまう。
澁澤は確かにこれらを愛していたのだろう。
作品の美しさに息が漏れ出すと、そこには重なり行くように、美を愛した彼の呼吸も聞こえるようだ。
伝わる思いが収録から。息吹として、愛し見つめた姿かしこに。
異端の幻想は、汎用性を何処か備えて今に残る。
狭義の汎用性。趣向する者に、確かな力で伝わる表現。
歪んでも、どこか滑稽でも、美しく、それは美しく揺さぶるもの。
作品は今も、姿をあらわし残っている。
人々に現在も愛される。確たるものとして、深い強さを持って震えで。
美しい幻に酩酊する。心地よい迷い、眩暈。
それは現実を遥かに、遠いもの、人にあるものとして魔術を起こす。
監修の巖谷が思う、澁澤への敬意と愛にも溢れている。
彼へのオマージュ、献呈。大きな想いを鑑みる。
読み手は二人の関係に、遠いほのかな思い、微笑ましさをも感じるだろう。
そしてやはり澁澤。幻想の宇宙を紹介してくれた個人。
美を愛す、ニヒルな笑顔の彼が浮かぶ。
それらに大きな感謝を。
今一度、愛好者からの敬愛を注ぎたく思う。
幻想に、そして美にも。美しい遥かな、夢の世界の。
2007.澁澤の没後20年。
補足だが当書は、以下美術企画展の図録でもある。
/澁澤龍彦 −幻想美術館− 展(2007.4/7〜5/20)
主催:埼玉県立近代美術館
監修:巖谷國士
紙の本
その方の趣味のある人向き
2015/11/16 11:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.H. - この投稿者のレビュー一覧を見る
私には少し物足りない内容だ。もう少し芸術的かと思ったら案外普通?幻想度合いとしてもうすいかも。