紙の本
ベリアルの誘惑 (キャラ文庫)
著者 ふゆの 仁子 (著)
クールな美貌で遊び相手には事欠かない弁護士の里美。ある晩、行きずりの男・安岐と関係を持つ。「痛がる表情も、俺を煽るためなんだろう?」。鍛えた身体をスーツに包んだ安岐は、今...
ベリアルの誘惑 (キャラ文庫)
ベリアルの誘惑
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商品説明
クールな美貌で遊び相手には事欠かない弁護士の里美。ある晩、行きずりの男・安岐と関係を持つ。「痛がる表情も、俺を煽るためなんだろう?」。鍛えた身体をスーツに包んだ安岐は、今までの誰よりセックスが上手い。遊びのはずが、快楽に囚われたのは里美だった…。ところが、実は彼は、里美と敵対する特捜部の検事だったのだ!!スーツを脱ぎ捨てた淫らな夜—エロティックLOVE。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
続編が出なかったら怒ります。
2007/06/09 15:51
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふゆの仁子氏の作品で、主人公の里見が弁護士というのですから、その相手の安岐という人間は、当然鬼畜でサドで底意地が悪くて、とんでもなくひどい人間だろうという先入観をバリバリに持って、身構えて読み始めたのですが、あ然とするほど違っていました。
たしかに出会いからしばらくの間は、安岐の行動はひどく思わせぶりで分かりづらく、里見はすっかり心を囚われて振り回されてしまうのですが、頭の切れる里見がカマをかければ簡単にボロは出すし、それと同時に型破りながらも人間くさい行動力や、あたたかみのある誠実な人柄も露出するしで、あっさり予想を裏切られます。
父親を知らずに育った里見は、子供のころに一度だけ、温厚なエリート弁護士である父親と面会するのですが、それからまもなく、父親は背任行為で逮捕され、一年後には自殺を遂げます。父の死の真相を知りたくて法曹界を目指した里見は、就職した弁護士事務所で、父の後輩だったという矢崎に取り込まれるようにして関係を結ばされ、いつのまにか彼の手駒のようになっています。最初のうちは矢崎に父親の面影を見ていた里見ですが、矢崎が父親のライバルだった政治家と懇意にするなど、油断のならない面を持つ人間であることを悟り、さらには父親の死と矢崎との関わりについて、確証はないながらも嫌な感触を持ち始めるに至ります。
そんな時期に里見の前に現れた安岐は、里見の素性を事細かに知っていただけでなく、返信できないフリーメールで連絡を取ってくるなど、思わせぶりなやり方でコンタクトを求めてきますが、実は矢崎の関わる背任行為を捜査する立場にある検事であることが分かります。仕事のためにいいように利用されかけたと感じた里見は傷つき、安岐の股間をいきなり蹴り上げるほど怒りますが、心から切り捨てることができません。
安岐の方も、里見が予想外なほど天然に感情を見せるので、冷静に感情をコントロールして仕事モードにシフトすることが不可能になり、真情を晒します。
その後、矢崎がとうとうグロテスクな本性を現して里見を陥れようとするに至り、里見と安岐は約束されたように絆を深め、矢崎の背任行為を暴く方向で協力体制を結ぶことになるのですが……驚くべきことに、事件がなんにも解決しないうちに、本のページが終わってしまうのです。安岐が鬼畜キャラでなかったこと以上に、この終わり方にはあ然としました。言うなれば、助走をつけて序章を走り抜けた途端、宙に放り出されたような気分です。魅力的なお話ですし、里見と安岐の関係もまだまだこれからというところですから、おそらく続編が書かれるだろうとは思うのですが、あとがきを読む限りでは、それが確実に約束されているわけでもない様子で、もどかしいことこの上ありません。早急になんとかしてほしいと思います。
蛇足ですが、作中で里見の知人が説明するところによると、安岐はいわゆる「片づけられない男」で、職場のデスクは汚穢の山状態であるとのこと。そういえば同じ作者の「100万$の男」に出てきた小日向もその系列の人物で、すさまじい破壊力を伴って自室や職場を散らかしていました。作者はそういうエピソードの描写になると特に筆が冴える方のように思うので、もしも続編があるのなら、几帳面できれい好きな里見との片づけデスマッチなども期待できそうで楽しみです。また、回想シーンのみの登場であった里見の母親も、育児能力が皆無であったり、やたらと小説やマンガを読んでいるくせに息子にオタク呼ばわれされると腹を立てて頭から本を降らせたりする、いささか妙な女性であるらしいところにも興味が引かれます。
電子書籍
検事×弁護士
2018/07/28 19:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クールな美貌で遊び相手には事欠かない弁護士の里美。ある晩、行きずりの男・安岐と関係を持つ。途中までは面白かったのに…終わり方が消化不良。ただ高階さんのイラストに釣て買ってしまった。