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商品説明
政治システム、官僚と政治家の関係、戦後続いてきた旧来のシステムが根底から崩れようとしている。今、政治の世界でどのような激震が起こっているのか。権力の迷宮を実名で一刀両断する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
舛添 要一
- 略歴
- 〈舛添要一〉1948年福岡県生まれ。東京大学法学部政治学科卒業。同大学教養学部政治学助教授等を経て、2001年参議院議員に当選。著書に「構造改革で得する人、損する人」など。
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紙の本
マスゾエ節炸裂!
2007/05/22 14:32
11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い本である。前回、160万票を集めダントツのトップで参議院議員に当選を果たした舛添要一議員が出した待望の書。最新の政治問題を分かり易く解説してくれているので、いま、何が問題であるのか、マスコミ報道の歪みは何かを知るのに便利である。それにしても日本のマスコミは低俗・低レベルで、常に国民をミスリードし続けてきたわけだが、それが近年益々ひどくなってきていることが良く分かる。テレポリティックスの最悪の代表選手として、ここでは「みのもんた」が取り上げられる。朝からワイドショー全開の番組で、みのもんたは数々の政治問題を取り上げ、その方向性をゆがめてきた。例えば、サラ金のグレーゾーン金利禁止問題では、金融の実体を歪めに歪めまくり、サラ金という日本が生み出した素晴らしい、真の金融機関を殺す法案を通させてしまい、銀行という既得権に胡坐をかいたバカ集団を結果として焼け太りさせる結果を生んだことは記憶に新しい。英国のハロッズデパートのローン金利が29%であることはピーター・タスカ、ビル・エモット『日本の選択』にも書いてある通りで、担保の無い有象無象に貸すリテールバンキングとは、要するに高利貸しで、高利貸しは経済の潤滑油で必要なのにもかかわらず、後藤田正純というバカ議員はこれを全面禁止する悪法を、みのもんたと組んで通してしまった。これは日本の経済に大きな悪影響を及ぼすことになるだろことは、舛添議員の言うとおりであろう。このほか、ホワイトカラーエグゼンプションという「無駄な残業をなくして、お父さんをさっさと家に帰し家族団らんを復活させる為の法律」がネーミングの悪さと日本マスコミの浅薄な報道で歪められ廃案にされたことは返す返すも残念である。
本書にいみじくも記載されているが、日本政治の最大の問題は、肝心の政策論議が国会では戦わされず、自民党の政務調査会やその下の部会という自民党の組織の中で行われてしまい、そこで決議がなされると、国会は、あとはそれを通すだけというシステムになってしまっているので、国会の論議が空洞化し、非常につまらなくなっているという点であろう。これは日本社会党というバカ野党が、自民党と議論らしい議論を戦わそうとせず「とにかく何でも反対」という姿勢を貫いた遺産でもあるのだが、これは非常に残念なことである。一日も早い改革が望まれる。なお、本書中、実名で一刀両断されているのは杉村太蔵議員くらいで、あとの議員は実名は出てくるが、とくに一刀両断はされていなかった。
紙の本
相当以上の信念をそなえた人物
2009/08/17 12:54
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
自民党の次のリーダーの一人と考えられている舛添氏による2007年刊行書であるが、内容は、同氏の政策について構想を展開したようなものではない。自民党の部会制度、議員活動における官僚との関係などについての自身の行動を含む現状についての省察といったものが中心となっている。こうした状況を知らない人なら参考にはなるだろうが、同氏の政策構想を知りたいというような期待を持って読むような書物ではない。第2章では小泉改革について述べるが、著者のこの問題についての評価、考察は明確性に欠けるものであることは遺憾である。
リーダーに求められる資質は、知力ばかりではないことは言うまでもないことではあるが、最近の日本国首相には知力において疑問を抱かざるを得ないような人物が多すぎる。一国の指導者には、相当高度な知力とそれに基いて自身の頭で構築した政策を提示できる能力がまず第一にして絶対不可欠な要件だと思う。この点についての必要条件を満たすと私が考える人物として、今後ともに舛添氏の言動に注目していきたいと思う。
本日(09年8月17日)のニュースは、舛添氏が、党・東京都連などから衆院選比例代表東京ブロック1位での立候補を打診されていたが、くら替えを明確に拒否していたことを報じている。このことだけでも、同氏が原則を欠落した“祭り上げ”などに軽挙に乗るような人物ではないことを示しており、少なくとも、同氏が相当以上の信念をそなえた人物であることを表わすものであると私には思える。
舛添氏には、本書のような観察的評論ではなく、自らの主体的な政策構想を緻密に展開する本格的著作を早期に発表されることを期待したい。