- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.6
- 出版社: 日経BP社
- サイズ:20cm/405p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8222-8322-3
紙の本
ポアンカレ予想を解いた数学者
百年来の難問であるポアンカレ予想の解決という歴史的な快挙を達成したグリゴリー・ペレルマンを、2003年4月のMITでの歴史的講演から追ってきた数学者オシアが描くストーリー...
ポアンカレ予想を解いた数学者
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商品説明
百年来の難問であるポアンカレ予想の解決という歴史的な快挙を達成したグリゴリー・ペレルマンを、2003年4月のMITでの歴史的講演から追ってきた数学者オシアが描くストーリー。〔「ポアンカレ予想」(新潮文庫 2014年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ドナル・オシア
- 略歴
- 〈ドナル・オシア〉米マウントホリオーク大学の数学科教授。高次元空間における特異点に関する幾何学が専門。
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紙の本
問題点と、その解決に挑戦するの数学者の意気込みの雰囲気だけは、感じ取ることができた
2008/04/10 21:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで位相幾何学の門は眺めても、門をくぐったことはない。この本の内容についても、位相幾何学の研究の歴史に関する各数学者の研究内容や業績に関する部分については、理解はできなかった。また、近代数学の大きな研究分野である多様体に関する部分も、理解できなかった。しかし、その時代時代における問題点と、その解決に挑戦するの数学者の意気込みの雰囲気だけは、何んとなく感じ取ることができた。素人としてはそれで十分ではないかとも思う。
本書には、数学の解説と数学者の伝記、文化、歴史の話が入り混じっている。この本の主題は、1904年のポアンカレの位相幾何学に関する五番目の補稿の末尾の問い、すなわちポアンカレ予想を、2006年に解いたロシアの数学者グレゴリー・ペレルマンにつながる数学史、である。位相幾何学が作られる背景として非ユークリッド幾何学があり、さらにその背景として平面幾何学としてのユークリッド幾何学がある。そこでこの本では、ユークリッド幾何学の成立とその問題点から位相幾何学の発展の歴史を解説している。位相幾何学と幾何学について、地図から地球の形を推定する方法などの、面白い比喩をいろいろ使って説明している。
ポアンカレ予想は2000年に百万ドルの懸賞金のついたミレニアム問題となり、数学の門外漢にも有名になった。又、ペレルマンが数学者の最高の栄誉であるフィールズ賞の受賞も、百万ドルの懸賞金も断って、消息不明になったことも、日本の新聞等でも報道された。放浪の天才数学者エルデシュや日本の岡潔のように、世俗の欲とは無縁な人が、数学者には多いようだ。欲まみれの俗人には、それが魅力ともなる。