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アンラッキーヤングメン 2 (単行本コミックス)
3億円強奪計画は失敗に終わり、仲間のひとりは服毒自殺を図る。やがて政治の季節は終りを遂げ、事件は忘却の彼方へと消え去るのだが…。壮大な青春ドラマ、完結編。【「TRC MA...
アンラッキーヤングメン 2 (単行本コミックス)
アンラッキーヤングメン(2)
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- 税込価格:2,640円(24pt)
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商品説明
3億円強奪計画は失敗に終わり、仲間のひとりは服毒自殺を図る。やがて政治の季節は終りを遂げ、事件は忘却の彼方へと消え去るのだが…。壮大な青春ドラマ、完結編。【「TRC MARC」の商品解説】
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マンガでこんなことも表現できるのだと思わせられた。最近のマンガにはない読みごたえだ。
2009/01/27 20:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはやはり大塚英志の作品なのだと思う。
藤原カムイは結構原作付きマンガを描いているが、それらは藤原カムイの絵が原作に負けておらず、藤原カムイのマンガとして読めるものが多い。だから私は『雷火』が好きだし、『帝都物語』なんていうのもあるし、『犬狼伝説』なんてのも良いと思う。『ロトの紋章』はちょっと考えるところもあるが。
そのようなマンガに比べると、この『アンラッキーヤングメン』の絵は負けず劣らずなのだけれど、ストーリーがどうしても勝ってしまっている。ストーリーと言うよりも、そこに描かれている60年代末の日本の姿に負けてしまっているのかもしれない。かろうじて当時のことを知っている世代として、これはフィクションだとわかっていても、本当にあったことかもしれないと思わせられるくらいによくできた話なのだ。
「あとがき」のような形で原作者である大塚が、「描きたかったのは60年代末の若者でも、啄木の時代の若者でもない。あるいは特定の時代の空気でもない」と言い、「どの時代の若者たちも「アンラッキーヤングメン」としての自意識にさいなまれて生きて、あるものは道を外し、あるものは名を成し、そしてたいていのものはありふれた大人になっていく、ということをめぐる絶望的なまでの息苦しさのようなものを描いてみたかったのだ」と言っているが、もしそうだとするならば60年代末というのが太平洋戦争後の日本という国そのものが「アンラッキーヤングメン」の時代、若者から大人になっていく時代だったのかもしれない。だからそこに生きた若者とその時の日本の状況が二重写しのようになってこのマンガの中に描かれているため、若者でなくなった私には、時代性だけが強調されて読めてしまうのかもしれない。
それでもやはり藤原カムイのマンガとしても、きちんと読んでおきたい。
他の藤原マンガと雰囲気を異ならせているのは、最近の藤原マンガと違い読者層を比較的高年齢に設定しているかと思われるタッチの登場人物と、黒の多用にあるかと思う。これも時代の雰囲気を表しているように読んでしまうのは、深読みのしすぎかもしれない。
画面全体が黒いのだ。暗いというのとも違う。どう見ても黒いのだ。だが、それがこのストーリーには合っている。