紙の本
キャンディの、削り取られた、露の
2007/12/05 02:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私的で詩的な世界。現実のリアル。
世界ってものはここにいる自分が思うもので、
だけどあいつにとっては、今ここにいるあたしがなくても平気なもので…。
痛みを伴う現実。感じる…。
すべてだったものの消失とか、過去のこととか。
未来を思えないこととか、それでも未来に向かうこととか。
魚喃の描く世界は、個人の錆と核を映し出す。
その核は多くが向かっていた恋愛による。
そのものの歓喜と破綻。そしてその後の人の姿。
彼女が匂いで映すもの。
映写で写し、削り取る。抽出し、残った姿を露に見せる。
削って削って削って。余計なものがすべてなくなるまで削ぎ落として。
そして過剰が消えて残った。
残ったものはしかし、もしかしたら、まだ余分かもしれなくて。
尖ったそのものを見ると、頼りなくて、弱くて、
些細に加えて貧弱で、
吹けば飛ぶようなものもので、
だけれどたぶん、必要なもの。
そのときの自分が必要だったもの。
たぶん、大切なコアの動力。
石ころみたいなかけらのもの。
真っ黒かもしれない。傍目には炭素のかたまりというだけの。
角度を変えれば、だけれどそれは。
痛みを通り越して、エッジを効かせて眺めてみれば。
それは未来では、きっと。
硬い手ざわり、ひやりと硬い。
透明に、綺麗になるため通り抜けること。
それは通り抜ける過程の…。
きっと歩ける。そのためのこと。
削り残った本質。
それはそのままの、あたりまえで尊い、痛みもよろこびも伴う。願いの…。
純化された露。それはキャンディの赤い色。
かつて甘かったそのものの、赤い色を真に感じるとき…。
生きる本質というものの確かに近くに魚喃はいる。
電子書籍
キャンディーカラー
2017/11/11 10:52
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投稿者：とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンガの合間に小説が数ページマリアージュしてます。
マンガの方が、全てサインペンで描いてあるっぽくて、線が太くて圧迫感があるのが個人的には残念ですね。
電子書籍
半分詩
2017/11/11 03:28
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投稿者：Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
断片的に詩的に恋愛を描いている。 若い頃の思い出とか 別れた男の話とかハッピーエンドがないところが辛いけど。。。 ふんふん、といい感じなんだけど それ以上どうって思わないのは私感受性のせい？
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今回もなんか読んだあとどんより（笑）
遠いようで近いようで遠いような。
たまに笑える話もあった。
何より絵がきれい！
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久々に出た魚喃の新刊。といっても、この人はいっつもこんなペースだっけか。以前にも増して言葉が増えた。画では表しきれないことがこの人の中で確実に増えているのだろうと感じた(だからといって、言葉でそれを表せられるかっていったら、きっとそうでもないのだろうけど)。迸る感情。マッチを擦った瞬間、ライターに火をつけた瞬間のような、その迸り方に羨望すら感じる。それよりも、これってハイタイムの番外編だったものだよね。問題のハイタイムはどうしちまったんだろ。。。(07/8/22)
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一番最近読んだ魚喃ｷﾘｺ作品。
あたしが変わったのか
彼女の描き方が変わったのか
わからないけど
今までほど棘がないように思えた。
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絵のタッチが変わっている。筆のような。個人的には前の細い線で描かれた絵が好きだった。18の恋愛模様がおさめられた極上の短編集。この人は恋愛でどれだけ傷ついて泣いて笑って、人と人とのぶつかり合いで目を背けたくなるような、経験をしてきたのだろうか。角度が違ってて面白い。今回は全体的に、喪失感から立ち直ってゆくそういう物語が多かった。 ラモンズパンク ハッピースーサイドパラノイア 新しく、行く。 恋するマリー ラブレター 13年間 水中遊泳。が特に秀逸。
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いいいみで、だらだらながれていって。
おわりがないはなしが沢山つまってた。
でも、つたえたいことはちゃんとあるってかんじでした。
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自分が子どもの頃に想像していたような大人に、自分はなれているだろうか。
幼い頃には思いもしなかったことのひとつ。大人になっても恋をするっていうこと。
大人の恋は、ほろ苦くて、切なくて、でもときどき驚くほど甘いこと。
さりげない言葉ひとつひとつにぐっと心をつかまれてしまいます。
いろんな恋を経験したひとが共感できる言葉がそこらじゅうに散りばめられています。
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マンガの枠から出ているような、、。あの言葉攻めのページ、漫画家ならあそこは言葉でなく絵で表現してもらいたかった。漫画家じゃなくなってきているのかなぁ。いい意味で。ただ今変貌中みたいな。
ところで「ハルチン２」の後半もそうだが、ペンタッチが太くて絵が見づらい。荒々しい感じもするし、個人的にはちょいがっかり。昔の描き方の方が個人的には好みだった。
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必ずしも同じ経験したことあるわけじゃないんだけど
超わかる
シーザーを理解するためにシーザーである必要はない
みたいな
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短編だー大好きだー！
ちょっとよくわかんないのもあるんだけど
わかるやつは、うん、ああもう痛あいくらいにわかる！
もう友達に返しちゃったから詳しく覚えてないんだけど
なんですぐ忘れちゃうんだろうな
とりあえずやっぱり魚喃キリコさん好きやねん
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安らぐことはないけれどまだ大丈夫だって思える。安心感は与えてくれない励まし具合が絶妙。それぞれの短編についてるタイトルが素晴らしくツボ。
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飽きるくらい一緒に居たい
ってわたしなら分かるの
不即不離がいちばんって知っているけれど
すきなんだもん 君が
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20代の日常。かなぁ
読み始めから何か自分と似たものを感じるなぁと思った。中盤あたりでやっぱりそうだと思った。
きっともっと共感できるようになるのは私が今より年をとって、色んな経験をしてからなんだろうなぁ
