紙の本
烈火の契り (キャラ文庫)
著者 秀 香穂里 (著)
思い出が眠る島を守りたい!!リゾート開発の視察で、離島を訪れた斎たち不動産会社の一行。案内人は褐色の肌をした島の青年・高良—18年前、この島で夏を共にした相手だ。しかも高...
烈火の契り (キャラ文庫)
烈火の契り
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商品説明
思い出が眠る島を守りたい!!リゾート開発の視察で、離島を訪れた斎たち不動産会社の一行。案内人は褐色の肌をした島の青年・高良—18年前、この島で夏を共にした相手だ。しかも高良は「おまえは俺のつがいなんだ」と謎の言葉を告げ、斎を無理やり抱いてきた!!拒みながらも、高良の愛撫に囚われていく斎…。けれど突然、チームの一人が謎の死を遂げ!?因習と伝承が息づく島のミステリアスLOVE。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
「契り」はしあわせなほうがいい
2007/07/12 11:26
13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に濃厚な印象のお話でした。
沖縄戦の影を深く残したまま無人島となった「神喜島」と、そのリゾート開発を計画する不動産会社社員たちの不協和音の強い人間関係を背景に、社員の一人である斎と、島の出身者であり幼い日を共にしたこともある高良との、運命とも因縁ともつかない絆が、恐ろしいまでに深いものであったことが語られていきます。
高良が島の秘密の「伝い手」という立場にあること、そして「伝い手」は「つがい」と呼ばれる同性のパートナーとしか結ばれてはならないというしきたりがあることなどは、いかにもこのジャンルに都合のいい設定ではあるのですが、島の歴史や住んでいた人々の感情などが、開発の下見にやってきた社員たちの抜き差しならない思いや軋轢をも交えながら、生々しく回顧されていくので、いつの間にか納得させられてしまいます。
お話のなかでは犯人および殺害方法不明の殺人事件や、極限状態に追い込まれた者同士の傷害事件まで起こるなど、ミステリー小説の様相を呈している部分もあるのですが、メインはあくまでも、斎と高良という二人の青年の互いを思う気持ちと、運命に対する覚悟であるのだと思います。
秀香穂里氏の作品では、恋愛感情の強さがとにかく半端でなく、互いに侵食し合いたい、丸ごと食らってしまいたいというレベルであることが多いようですが、この作品においては、人格の壁をぶちぬいて互いに融合してしまいたいという意味の発言が繰り返しでてきて、心に迫ります。「融け合いたい」というのは言葉にしてしまえば簡単なことですが、それをリアルな思いであると感じさせるだけのお話にしてしまう作者の秀香穂里氏、いつもながら、すごいと思います。
蛇足ですが、上田秋成の「雨月物語」に、「菊花の契り」という、BL的な要素が、露骨にないでもないような気がしないでもない作品があるのですが、もしかしたらこの作品のタイトルはそこから来ているのでしょうか。約束を果たすために死を選ぶという痛ましい結末となる「菊花の契り」とは違い、このお話の二人は因習という檻に取り込まれながらも幸福に融合するのですから、江戸時代の秋成には書けなかった、「菊花」のハッピーエンド版と言えるのかもしれません。
電子書籍
孤島のミステリー
2018/09/20 20:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきちん - この投稿者のレビュー一覧を見る
リゾート開発のために孤島を訪れた不動産会社の社員と
ミステリアスな島の青年。
目の前に情景が浮かんでくるような描写がお見事でした。
受視点だからか、受の印象がイマイチ弱いのですが
その分攻の高良がこれでもかってくらい、男っぽい色気が前面に出ていて印象的です。
イラストも雰囲気にあっていて良かった。
秀さんの作品の中では一番好きです。
電子書籍
若干乱歩っぽい孤島のミステリー
2015/09/13 22:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人事件が絡む祟りとか島の神様とか守り手とか言い伝えとかが語られる
オカルト風味なミステリーが飽きさせず楽しめました。
事件の謎解きは大したことはなかったですが、
孤島に閉じ込められて人が殺されて、
と江戸川乱歩のような雰囲気がまあまあ良かった。