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有頂天家族 1
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 506件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2007.9
  • 出版社: 幻冬舎
  • サイズ:20cm/357p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-344-01384-1
  • 国内送料無料

紙の本

有頂天家族 1

著者 森見 登美彦 (著)

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄...

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有頂天家族 1

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商品説明

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天—。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。【「BOOK」データベースの商品解説】

狸の名門・下鴨家。父に先立たれた4兄弟は、一族の誇りを取り戻すべく、街を駆け回る。しかし、今日もまた狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす化かし合いが始まって…。『パピルス』掲載に書き下ろしを加え単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

森見 登美彦

略歴
〈森見登美彦〉1979年奈良県生まれ。京都大学大学院修士課程修了。「太陽の塔」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞。

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みんなのレビュー506件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

ブラボー!

2013/02/26 22:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者は違うが、鴨川ホルモー同様に理屈抜きで面白い!
この1刷で森見ワールドに嵌まりました!!!

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紙の本

まさに有頂天

2015/06/07 03:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

京都を舞台に狸と天狗と人間が織りなす物語です。
狸で偉大であった父の血を引き損ねた兄弟と言われる、長兄の下鴨矢一郎、次兄の矢二郎、三男であり主人公の矢三郎、四男の矢四郎。そして決してそうは思わない偉大である母。家族愛ですね!
また、天狗である赤玉先生や、人間でありながら天狗でもある弁天様、下鴨家と敵対している夷川家、それぞれに個性があります。

狸でありながら天狗に憧れ、人間に化けるのも得意である矢三郎が、面白おかしく日常を送っているのですが、本当に面白い!!
実に阿呆の血のしからしむるところです。
面白い面白いと読み進めると、シリアスなところもあるんです!
サヨナラのところはほろりときちゃいますね。そうゆうものだなって共感しました。

最後に、京都が舞台になっているので、京都の通りや建物など色々と作中で出てきます。京都の町を知っているとより楽しめるのではないでしょうか。言い回しが独特で、森見ワールドが展開しているのも私は好きだなと思いましたした!
二部の方も楽しみです!!

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紙の本

あほうの血が滾ります。

2015/12/13 00:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大好きな森見作品なのに、なぜかスルーしていたので、この辺でちゃんと読んでおくかと思いちゃんと読みました。
タヌキと天狗の話で「あれ?ホテルが舞台じゃなかった?」って友人に言ったら「そりゃ『有頂天ホテル』だよ。作者が違うよ」って怒られた。
偉大な父(故狸)を持った四兄弟の活躍のお話し。活躍に?が付く??
下賀茂神社でタヌキを見たことないけど、きっといると思う。いて欲しい。

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紙の本

まさに有頂天になる一冊です

2007/11/16 22:41

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 遙か昔桓武天皇の時代。大勢の人間達が万葉の地をあとにして京都に移り住んできた。その頃より人間は町に暮らし、狸は地に這い、天狗は空を飛行するという。
 遡れば平安の御代より脈々と続いている下鴨家。当主総一郎は狸の中の狸とその名を洛中に轟かせ狸界を束ねていた偉大な狸だったが数年前無念なことに狸鍋となり不帰の狸となった。遺された四兄弟。偉大なる父の跡を引き継ぐにはちょっぴり器の幅が足りない子狸達だった。長男は責任感だけを次男は暢気な性格だけを三男はアホぶりだけを四男は純真さだけをというようにきっちり四等分して受け継いだのだ。そんなバラバラな兄弟をつなぎ止めているのは海より深い母の愛と偉大なる父との思い出であった。そんな兄弟達が「面白きことは良きことなり」と今日も洛中を駆け回る・・・
 雰囲気は前作「夜は短し歩けよ乙女」に似ている。また前作の登場人物も
顔をみせている。そして引退した天狗の赤玉先生や人間ながら天狗の神通力を身につけた美女弁天や下鴨家を目の敵とする夷川家の金閣銀閣兄弟などなどきら星の如く更にパワーアップされた登場人物達が入り乱れて京都の街を縦横無尽に駆け回る。
 京都という街にはそんな不思議な魅力がある。人混みに紛れて狸やら天狗が混じっていても納得してしまうのだ。目を凝らせてみればふさふさとした尻尾が見えるかも知れない。
 「面白く生きる他に何もすべきことはない。」そんな言葉を語り手である三男坊である矢三郎に言わせているがまさにこの言葉通りの作品だと思う。
とにかく面白い。この狸と天狗と人間の三つ巴の世界を充分に楽しんで欲しい。あと決して明るい内に読まないで!少しほの暗い電球の下でこそこの本の魅力が増すのだ。できれば電気ブランなどを傾けつつ。

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紙の本

桜庭一樹がアバンギャルドとすれば、森見はなんといえばいいんでしょう。でも、この面白さは生半端じゃありません。家族で彼の全作品を読み出すほど。それにしても毛玉はカワイイ・・・

2008/01/18 19:22

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

楽しめた、という点では最近のベストかもしれません。桜庭一樹もですが、この人の登場も事件と言っていいでしょう。二人とも今年デビューというわけではありません。森見は2003年『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してのデビューですし、桜庭は1990年代から執筆活動を始めていたものの小説家として注目されたのは2004年の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』あたりからですから、ある意味同世代。

もう一つ似ているのが人気です。図書館で二人の作品をリクエストしてみてください。例えば森見の『夜は短し歩けよ乙女』、或は桜庭の『赤朽葉家の伝説』。多分、待っている人が50人くらいいて、手元にくるまで半年はかかるはずです。宮部みゆきの新作と同じような受けとめ方をされているんです。この『有頂天家族』も書架を暖める暇はなさそうです。

カバーがいいです。少しぶれた線が、カバーのザックリした紙質とも相俟って人の温もりを感じさせます。各扉にも似た街の光景が使われていますが、よく見ると全て微妙にちがいます。もしかするともっと大きな原画があって、その一部分をカットしながら使っているのかもしれません。そんなイラストレーションは平田秀一、協力 Production I.G(え?あの押井守の・・・)、こなれたブックデザインは鈴木成一デザイン室です。

時代は現代、舞台は京都です。狸と人間が共存している、と書いただけでは、田舎の山村と少しも変わりません。実は、この小説での狸たち、普段は人間の姿をしています。だから堂々と大学に出入するし、料亭にあがったりもします。ジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』を思い浮かべてもらうのが一番かもしれません。

で、この世界で争いがあります。狸同士の権力争いと、狸vs.人間の生存競争です。話の内容は、彼らが入り乱れて京の巷と夜空を舞台に壮大で抱腹絶倒、笑いと涙の闘いを繰り広げる、とだけ書いておきます。なにより登場人物の造形が素晴らしいので、彼らを所属別に整理しながら紹介します。

一、タイトルにもなっている有頂天家族ですが、それが狸の下鴨一家です。一応、正義の側です。

・下鴨「偽右衛門」総一郎:洛中に名高い狸。金曜倶楽部で狸鍋になって昇天。
・下鴨矢一郎:真面目な長男。カチカチに堅く土壇場に弱い。選挙で早雲と偽右衛門の座を争う。怒ると虎に変身する。「鴨虎」の通り名を持つ。
・下鴨矢二郎:次兄。引き籠もり。ある理由があって蛙となり今は六道珍皇寺の井戸の中に暮らす、文字とおりの井の中の蛙。酒を飲んで偽叡山電車に化ける栄光の日々がある。
・下鴨矢三郎:三男で、主人公。高杉晋作ばりのオモシロ主義。父から最もつよく阿呆の血を受け継ぎ、天才的な化けを見せる狸。弁天を好きになったことがあり、今でも嫌いではない。
・下鴨矢四郎:末弟。ともかく可愛い毛玉。泣き虫で、史上未曾有といわれる不甲斐ない化けっぷりで有名。早雲のもとで働かされている。
・下鴨母:黒服の王子。子どもたちの狸格を信じる、父に並ぶ偉大な狸。宝塚歌劇ファンで雷が大の苦手。

二、現在「偽右衛門」の座にいる下鴨一家を追い落とし、何とか狸界の覇権を握ろうとする悪の一派が夷川早雲一家です。

・夷川早雲:総一郎の弟。偽電気ブランを製造。製造の秘法を一手に握り、製造販売を統括
・夷川金閣:早雲のバカ息子の一人。四文字熟語が大好きで、印象的な言葉は「捲土重来」。
・夷川銀閣:同上。樋口一葉、を四文字熟語と考える、やっぱり馬鹿。
・夷川海星:主人公の元許婚。総一郎の死後、早雲が一方的に破棄。そのせいか、姿こそ見せないものの主人公の周りに出没。

三、人間の側。狸の天敵、とくに下鴨一家にとって敵といえるのが金曜倶楽部です。大正時代から続く秘密結社で、会合は一月に一度、金曜日に開かれる。大学教授、作家、金持ちなど七人のメンバーからなり、席に七福神の名がついている。

・淀川教授:食べることは愛、をモットーに静物であればなんでも食する本物の大学教授。
・弁天:彼女の美しさは筆舌に尽くしがたい、と作者が描写を拒否する美女。本名は鈴木聡美。琵琶湖を散歩中に赤玉先生に誘拐され京都で天狗教育をうけ、美質に磨きがかかり弁天となる。メンバーの紅一点。主人公を可愛がるというか、好きと言うか・・・

四、最後が天狗です。京都といえば天狗。

・赤玉先生:引退した天狗、如意ヶ嶽薬師坊、酒といえば赤玉ポートワイン、風呂が嫌いで、弁天にぞっこん。現在は落ちぶれて京都は出町商店街のアパート「コーポ枡形」に住む。神通力は失うが性欲だけは盛ん。
・鞍馬天狗

まず、下鴨矢四郎が可愛いです。その毛玉の様子が、たまらない。絵も何にもありませんが、読んでいるだけで抱きしめたくなる、そういう可愛さです。それと下鴨矢二郎ですね。井の中の蛙と化していますが、その姿と後半で見せる無軌道ぶりがなんとも楽しい。矢一郎の化けっぷりも壮絶です。

そして弁天です。赤玉センセーだけではなく主人公の矢三郎をメロメロにするあたりも、存在感はただものではありません。しかも、狸の側にも人間の側にも、勿論、天狗の側にもつかず離れず。まさに女の鑑といいたい存在です。我が家の長女が気に入ったのが夷川海星、悪役チームの中では異色の正義派。彼女は誰と結ばれるのでしょうか、気になります。

目次
第一章 納涼床の女神
第二章 母と雷神様
第三章 大文字納涼船合戦
第四章 金曜倶楽部
第五章 父の発つ日
第六章 夷川早雲の暗躍
第七章 有頂天家族

初出は
パピルス二号(2005年10月号)、
四号(2006年2月号)
六号(2006年6月号)
八号(2006年10月号)
一〇号(2007年2月号)
に書き下ろしを加える

巻末に

赤玉先生のご令息、大英帝国より堂々帰還。
そして四兄弟を待ち受ける最大の試練とは?
「有頂天家族」
  第二部
 早くも始動!
 第一話「二代目の帰朝」は、
「パピルス」(幻冬舎)15号(07年10月27日発売)に掲載!

とあります。嬉しい話ですねえ。

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紙の本

次回作を待ちきれない、この偉大なる家族を前に。

2008/01/31 00:33

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

時は今舞台は京都、活躍するは落ちこぼれ狸四兄弟にそれを取り巻く性悪狸に鴉天狗に人間に・・・。天狗の力と美貌をもった半人間・弁天は唯我独尊縦横無尽に三男狸とかつての大天狗・赤玉先生を翻弄し、食べてしまいたいほど好きといっては狸鍋を開催する。そんな彼女に揃って惚れているから救いようがない。
理想ばかりの堅物長男、投げやり奔放に蛙の変化から戻れなくなった二男、バカな立回り役回りの三男、臆病弱者の四男。
彼ら狸四兄弟を取り巻く問題は、色恋沙汰であり、一族の権力争いであり、喧嘩ごとであり・・・ようは阿呆のなせるところである。
やることなすこと話すこと、阿呆なことこの上ない。そして愛らしいこといとおしい事ほほえましいことこの上ないのである。

彼らの偉大なる父狸が弟の陰謀にはまり狸鍋いされた日を境に、人間と狸と天狗の関係はより一層複雑にねじれて行った。それがすべての発端。しかし、「一つの大きなさよならが、遺されたものたちをつなぐこともある」この一行が心を打つ。
同じ方を向き見つめている時に、愛は発生するのだと、聞いたことがある。
偉大なる父の喪失は彼を失った家族狸たちを、こんなにも強く結び付けている。それを証明するためにこの長編は存在する!
好き勝手放題やらかしてくれるなんとも暢気な彼らの日常。
開いた口が塞がらぬのは何も呆れているからだけではない。
口をふさぐのを忘れるほど、本作品が面白いからなのだ。

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紙の本

「太陽の塔」よりもファンタジーノベル大賞向き

2008/02/16 12:16

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

登場狸・天狗・人物のそれぞれの人物(?)設定が魅力的である。それぞれが個性的に描き別けられている。背景となる京都の町の実在の町割り、地形の描写とファンタジーとしての空想的ストーリィとの絡み合いが、また絶妙である。この町の空間を舞台にして、狸界の抗争、化かし合いに天狗と人間も絡み合い、大騒動が展開される。なかなかにハラハラさせられる展開がある。親子兄弟の情愛にしんみり温かい気持ちにさせられる場面もある。作者のデビュー作「太陽の塔」よりもファンタジーノベル大賞向きである。

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紙の本

この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

2008/03/11 13:16

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まりんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本は,破天荒である。

 いつかは読まなければならない日が来ると思っていて,いざその日が来て颯爽と過ぎ去った今,短くかつ幸せな読後の余韻に浸っている訳だが,まだそのふんわりした気持ちが抜けないうちに,この気持ちを文書にしたいなあ,と考えこれを書いている。
 
 登場人物の殆どが人類ではなく,狸,天狗,元人間(今は天狗?)等錚々たるメンバー。
 ここで貴方は試されている。この世界に触れただけで「ナニヨコレ!」と本を壁に投げつけるようでは貴方の度量が分かるというものだし,ならばそもそもこの本を手にした自分を叱るべきだ,と私は思う。だがご安心を,この作家はそんな不条理をまるで踊りを踊っているような感覚で読ませてくれる稀有な作家なのだ。
 
 狸が可愛い。
 主人公は狸であり,(狸界の)由緒正しい家柄の三男坊である。
 彼には淡い初恋の思い出もあり(相手は元?人間),父の仇を討つという使命もあり(仇も狸),ステキでカワイイ許婚もいる(もちろん狸)。彼には,雷には弱いけど強くて優しい母,真面目過ぎる長兄,悩みすぎて蛙になっちった次兄,そしてまだ小さくて愛らしい毛玉な弟(当然全部狸)がおり,彼らを巡る面子が元人間だの,天狗だの,妖怪のような人間に意地悪な従兄弟等,愛らしい魑魅魍魎。私達の肉眼では見えない世界,視界に入らない世界で繰り広げられるスペクタクル。
 世界は狭い,いや広い,と思わせる筆力にはただただ脱帽である。
 
 物語としても一級品。
 母の愛,兄弟の絆,陰謀そして淡い恋。狸の世界,見えているけど見えていないだけかもしれない世界の中の物語。最初緩やかに始まる物語はテンポ良く加速していき,辿りつく先には,昔懐かしいお風呂屋さんの壁画のような,天晴れな風景が見えてくる。狸万歳。
 
 森見作品の素晴らしさは,『世の中は不思議に満ちている?』と首を傾げつつも頷きたい気分にさせてくれるところにある。
 例えばこう、ふと目線を下に落とすと,アリが床を闊歩していたとする。私とアリは運命的にも目線を合わせたかもしれないが,私は当然気が付かない。そもそもアリの目がどこにあるかも分からない。一方,私の視線に射すくめられたアリと言えば生命の危機を感じたかもしれないし,もしかするとその瞬間,種を超えた愛が彼に芽生えていたかもしれない―――――なーんて考えただけで身体がふんわりしてしまう。(そして『私にアリの愛が届くのか』という別の物語が生まれる)
 
 読み終わると,「絶対ない」と否定できないところに物語を、面白みを感じるようになる。それがどんなに馬鹿馬鹿しいものであっても,楽しければ,面白ければそれでいいのではないだろうか,と考えるようになる。
 本にはいつだって,不思議と愛が満ちている。
 
  
 この本は,愛すべきモノである。

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紙の本

タヌキが織りなすエンタテイメントな一冊

2008/05/10 16:35

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 舞台は京都の街、時代はおそらく現代。著者の作品には、度々奇怪な人々が登場するが、今回は更に変わった人々が京都の街を縦横に駆ける。いや正確に言うと「人々」ではない。この物語は狸と天狗と人間の物語なのだ。

 設定によると、野生の天敵がいなくなって狸はその数を増やし、人間に化けて京都の街で大勢暮らしているのだそうだ。これは、そうした狸の先代の頭領の息子たち四兄弟の話。
 4人はそれぞれ父親から、責任感、暢気な性格、阿呆ぶり、純真さだけを受け継いだ。4つを併せ持つことで、先代は偉大な狸たりえたのだけど、それぞれ1つだけでは父の跡を継ぐのには不足。「あの父の子」の割にはダメな兄弟なのだ。

 現代の京都に狸や天狗が人に混じって暮らしているという設定は、特に珍しくないかもしれない。しかし、登場する狸や天狗や人は変わったのばかりだ。
 兄弟の恩師はかつては偉大な天狗だったが、今は力をなくし四畳半のアパートで暮らしている。昔の思いがあるので今でもプライドだけは異常に高い。その弟子だった女は、子どもの頃に天狗にさらわれてきたのだが、今は冷酷無比な向かうところ敵なしの半天狗になっている。主人公は兄弟の三男だが、1つ上の兄はある事件の後、蛙に化けたまま寺の井戸の中で暮らしている。
 人間たちだって負けていない。金曜倶楽部と称する連中は、毎年忘年会に狸を捕らえてきて鍋にして食う。全部で7人いるのだけれど、全員一癖も二癖もある連中だ。その内の1人はさっきの半天狗の女、長老格の高利貸しはたぶん、著者の前作「夜は短し歩けよ乙女」に登場した李白だろう。

 ストーリーは、四兄弟の下鴨家と宿敵の夷川家の抗争を中心に進む。夷川家の頭領は四兄弟の父の弟つまり叔父、その娘は主人公のかつての許婚だというわけで、この辺りも複雑に絡んでアップダウンを繰り返し、ちょっとホロリとさせる。実にエンタテイメントな1冊だ。

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紙の本

‘狸の家族’に夢中になること請け合い

2008/07/25 13:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る

京都の街を、狸と天狗、人間が入り乱れて……タ、タヌキ?
しかも狸、脇に控えてなんぞいません。
堂々の主役です。

もちろん人間にも化けるし、何食わぬ顔をして京都の繁華街を闊歩しているわけですが、
狸であることを忘れて、すっかり感情移入してしまうくらいに人間くさい彼ら。

ヒトと同じように、諍い、政治的謀略、トキメキ、出会い、別れと、
楽しいこと切ないことが、てんこ盛りの日々。
送り火もすれば、クリスマスも祝い、初詣にも出掛けます。

主人公の矢三郎ですが、三男らしくのびのびと、しかも要領よく育ち、情にも厚い。

偏屈で頑固なじじいである恩師を怒鳴り散らしながらも、
周囲に持て余される彼を、唯一思うがままに動かすことのできる器用さ。
その裏にある信頼関係などは、お互い腹に収めきって素知らぬ顔。

物語のなかでは、高らかに家族愛が謳われている(はずな)のに、
すべてのエピソードが、見事な寸止めで成り立っています。

背負っているものもそれぞれに重いのに、美談や甘い言葉で解決なんてことはなく、
それは森見氏の物語すべてに、程よく貫かれている姿勢なのだろうと思っています。

語らなくてもいい台詞、過剰な演出。
それらがいかに野暮なものか、物語の感動をぶち壊すものなのか。
そのあたりのさじ加減が、絶妙なのではないでしょうか。

そういううるさいことは抜きにしても、文句なく楽しめる小説です。
癖も愛嬌もある登場人物たちが、京都の(じつはそれほど広くない)繁華街を駆け回ります。

出てくるのはいわゆる観光名所ではなく、生活に根ざした場所がほとんどで、
地名など知らなくとも存分に楽しめますが、
それでも馴染みの空間を想像しながら読むと、楽しさも倍増するかもしれません。

もしお手元に京都の地図があるかたは、再読する際にはマップ片手にというのもオススメです。
架空の人物が駆け回ったであろう京都の街が、また違った魅力に彩られるのではないかと思います。

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紙の本

兄ちゃん、僕たちずっと一緒だね。

2009/07/04 16:48

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はりゅうみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「兄ちゃん、珈琲も牛乳も美味しくないのに、珈琲牛乳はなぜ美味しいの?」
「それは相乗効果さ」

「兄ちゃん、人が狸の話書いて、どうして面白いの?」
「それも相乗効果さ」

「いいか、弟。
巧みな人間観察と洒脱な表現力。
限りなくファンタジーに近いリアルと限りなくリアルに近いファンタジ―。
理性と本能。
地に堕ちた神と天駆ける人。
素直と意地っ張り。
本気と冗談。

最後に、愛と永遠。

こいつをみーんなひっくるめて一つの鍋でぐつぐつ煮る。
似て異なるそれぞれが絶妙なハーモニーとなって、狸鍋なんか腹鼓の下の足元にも及ばん奇蹟の鍋の出来上がりだ。
一口食べればこれぞ羽化登仙、ひらり天狗の心もち。

天下太平、重畳至極。

珈琲牛乳が美味しいのも、この本が面白いのも全部、相乗効果のせいなのだ。」

「さすが兄ちゃん いつもすごいや。」
「何、おだててもシッポは出さんぞ。お前は出てるがな」 ポン♪

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紙の本

下鴨神社付近にはオニやタヌキがいるらしい。

2009/10/10 13:07

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

有頂天家族 森見登美彦 幻冬舎

 わたしは大きな勘違いをしていました。この作品は、映画化されたものと思い込んで読み始めました。本を読み終える頃、自宅の居間へ入っていくと、ケーブルテレビで偶然その映画が上映されていました。もうラストシーンらしく、しばらくして映像が終わりました。家族にたぬきが4匹出てくるお話だよねと声をかけるとどうもうそうではないという返事がかえってきました。そのときは、たぬきを人に変更してあるのだと解釈しました。その数日後、「ブタがいた教室」というDVDを見終えて、俳優さんの紹介映像を見ていたら「The 有頂天ホテル」に出演したとあり、そこではじめて自分が「有頂天家族」と「有頂天ホテル」を同一の作品だと思い込んでいたことが判明しました。人間は、いくつになってもミスをします。
 さて、この本の感想です。まず、下鴨神社です。今年は3月に訪れました。「鴨川ホルモー」万城目学(まきめまなぶ)著の舞台でもあります。オニが出てくる物語でした。有頂天家族では、タヌキが登場します。4兄弟の長男は、かちかちに真面目、2男はひきこもり、3男が主人公で、4男はふがいない。アニメ「平成ぽんぽこダヌキ」も思い出しました。ほかに、赤玉先生、作中で赤玉ポートワインになぜそんなにこだわるのか不思議でした。それから、弁天さんとか、金閣・銀閣などが登場します。
 読書ブログで、本作品を絶賛する記事を読んだのですが、わたしには、作品の面白さが理解できませんでした。作者はいったい何がしたかったのだろうか。タヌキを擬人化する理由はどこにあるのか。読み進むうちにたぬきがだんだん人間に思えてきました。だれが動物で、だれが人間なのかわからなくなってきます。たぬきをたぬき汁にして食う話では、映画「ブタがいた教室」で、育てたブタをこどもたちが食べるか食べないかで激論になるシーンがよみがえりました。
 全体をとおして、ゲームのシナリオのような印象をもちました。ひきこもりの次男については、ひきこもりたくなる彼の気持ちが伝わってきました。

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2007/12/16 23:32

投稿元:ブクログ

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2007/11/15 10:54

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2011/06/05 11:43

投稿元:ブクログ

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