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浪人生が予備校の寮に入った1年間を10年後回想しながら10年後の生活を生きている話。おもしろくて一気に読めた。
私、受験生の話ってすごく好きだと思った。それはやっぱり自分が受験というものに本当に一生懸命とりくんで、自分がすごく納得できる結果を残せたからだと思う。だからこそバイトも受験がからむもので一生懸命がんばれた。今はどうだろう。本当に一生懸命できているだろうか。
自分が納得できる結果を残せているといえるのか。いえない。
これを読んで仲間とがんばった受験生時代を思い出した。
受験を少し遠い存在としてとらえていたときは受験というものがすごく嫌で怖いものだったけれど、それを通して好きな人もできたし、ステキな友達もできた。23年生きてきたなかですごく大切な1年だったと自信もっていえる。
だからこの話にもすごくひかれたのだろう。
実際寮というのは行ったこともないし、浪人もしたことがないからわからないけれど、なんにも属していないという不安の時期に支えあった仲間というのはすごく大きいものなんだろうと感じれた。
なのに大学に入ったらお互いあまり顔はあわさなかったのだろう。でも心の奥てつながりあえてて、すごく信頼しているのだろうな。青春とひとことで片付けてしまえばそれまでだれど、かけがえのない時間。
今の私の時間は振り返ったときどううつるのだろう、と考えた。
話自体は新しいものではなかったし、オチもふつうで読み終わったときの興奮はなかったけれど、幸せな気持ちで読めた本。
ただ今回は男子寮でメンバーがすべて男だったけれど、これがもし女子寮だったらこんなさわやかな話にはならなかった気がする。女の子ってめんどくさいなぁ・・・
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予備校を舞台にした、浪人生たちのお話。そういえば、私も4年前には浪人していたな。そして、合格の知らせを受けた時には涙を流した。つい最近の就職活動の終わりにも涙を流した。そんなことを思い出しつつ、この作品を読んだ。浪人時代は極めて特殊な時代である。世の中の大半の人たちは過ごすことのない、空白の一年間。もう後がない、という危機感のようなものに苛まれながら毎日を過ごす。私はそんな毎日の中で信頼出来る友人たちを得ることはできなかった。だからこそ、桜花寮の面々がただ純粋に羨ましかった。ふと浪人時代に帰るような錯覚を覚える、そんな作品。浪人した人にとってはとても読みやすいと思う。
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十年前は浪人生だった。
いまは、その学校なくなって
先生もいないけど、
忘れていない。
仲間っていいな〜。
説明書きが少し多いような気がした。
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予備校の寮での浪人生活を描いた青春小説。
こんな浪人生活がおくれるのなら、浪人してもよかったかも。
読了感も爽やか!
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時々、ブログにコメントを下さる音次郎さんから勧められました。
音次郎さんは僕と同級生。しかも一年を同じ予備校の寮で暮らしていた方です。
この作品は、そんな予備校の寮での生活を共にした仲間たちの「あの頃」と「今」がクロスしながら展開していきます。
僕もすごした予備校の寮での一年。それを重ね合わせながら、寮の仲間の顔を思い出しながら読みました。
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予備校の寮を舞台にした浪人生たちの物語。浪人生ならではの鬱屈としたものがありながらもさわやかな青春ものでした。
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とても綺麗なタイトルに惹かれた借り物の一冊。
予備校の寮を舞台にした浪人生の青春物語です。
10年前の浪人時代に出会った友人の行方が分からなくなった、というところから始まるのですが、
10年前の浪人時代と現代が季節の流れとともに同時並行に話が進み、
浪人生の頃、社会人の今のそれぞれを一度に知っていく流れが、まるで自分の思い出のように読めました。
初めはミステリーかと思いきや、蓋を開けて見たら誰もが通るような青春が詰まっていて
浪人生の時も、社会人になってからも、
それぞれの道を懸命に生きている彼らをみていると
フィクションなのに現実味のあるような感覚になりました。
そして(^^)ほっとするお話。
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最高に面白かった!
一緒に泣いて、笑って、馬鹿やって・・・
こんな仲間って本当に一生ものの宝だと思う。
ずっと皆を見ていたくて、読み終わるのが寂しく感じました。
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変な小細工なしに小気味よく進んでいくストーリー。
あざといのはイヤだけど、捻りがなくてやや平坦な印象。
・・・勝手な読者でスミマセン。星は3.5個。
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予備校の寮を舞台にした10人の予備校生の1年間の生活を描いている。それに並行して10年後の各々の生活も書かれているのだが、う~ん、山場がない・・・。
山場がなくても、もう一捻りぐらいあっても良さそうに思う。物語は淡々と進んでいく。
寮生活というと、三浦しをん「風が強く吹いている」や恩田陸「ネバーランド」をイメージしてたが、この二作と比べても寮生活の描写が軽い感じ。受験生の気持ちなんかは、若い頃を思い出して読めたが、もうちょっと盛り上げてくれた方が自分の好み。☆3個。
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予備校で一緒だったリュータの行方を巡る物語。
浪人時代と現実が交錯しながら物語は進んでいきます。
語り手のアキラ、桜花寮の面々、ヨージ、タモツ、サンジ、ニーヤン、社長、吉村さん、ゴロー、ダイそして、リュータの浪人時代のエピソードもおもしろいし、10年経った今を生きる彼らの姿もおもしろく読めました。それぞれがそれぞれらしく生きていてなんだか安心しました。
アキラの受験に対する違和感、漠然としたゴールに対する違和感に共感しました。とはいえ、アキラはぎりぎりで自分の進みたい道を見つけられたのでよかったなぁと思います。
ゴローやタモツ、吉村さんにリュータも大学入学をゴールにしていなくて、信念を持って生きている姿がかっこいいなぁと思いました。
寮の人達、特に生徒の気持ちを尊重し、寄り添ってくれる徳さんが素敵過ぎる!こういう先生に出会えるか出会えないかで人生は変わるのだろうなと単純に思いました。
予備校という特殊な空間で築いた人間関係。かけがえのない時間を過ごした彼ら。永遠の友情小説…よいなぁ。
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【再読 2014/09】
最初にいつ読んだのかも覚えてないんだが、本棚の整理をするついでに読み始めた一冊。 なんとなく内容を覚えているような覚えていないような?曖昧な感覚で読み始め、これといった新しい発見はないものの引き込まれるようにして一日で読破してしまった。 アキラは典型的な主人公。 やりたいこともないまま流されるように生きてきて、人生で初めての一歩を踏み出したのが浪人生になり実家を出て寮に住むこと。 寮に向かう途中で出会うヨージとリュータやその他の寮の仲間と共に1年を過ごし、初めて自分が出した結論とは? そしてその話と平行して、現在(浪人時代の10年後)の話が進んでいきます。 “リュータが死んだ”という噂。 噂の内容も曖昧で、嘘だと信じているものの本当の情報が手に入れられず寮の仲間と再会しながら情報を探して歩く。 果たしてリュータは生きているのか? 時間軸の絡み方がしつこくなく、分かりやすくて読みやすいです。 浪人生の寮の話ではあるものの、勉強や受験の葛藤の話ではなく、あくまでも仲間との青春をベースにした話。 読みやすいのでおもーいミステリー等の小説の合間に読むのをオススメします。
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「浪人てさ、今は予備校生の代名詞みたいになってるけど、元はどこにも仕えてない武士のことだったんだし、幕末の頃は脱藩して国を離れた志士のことでもあったんだよな」
主人公のアキラにはすごく共感してしまった。どこにもひっかからなかったから浪人して、特に目標もなく浪人生活を送ってるところとか。ただ、アキラは最後は自分のやりたいことが見つけられたんだけど。私も絵を描くことが好きで、それについて勉強したり、それを仕事にできたら楽しいだろうなぁって思う。だけど、思うだけで、今もなんとなく大学生やってる。この本に出てくる人たちはみんな夢とか目標があって、正直羨ましい。
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2chの「忘れられない女がいる孤独な男 part3」で紹介されていて、興味深かったので図書館で借りてきた。
当方の予備校生時代の記憶が何度も呼び起こされる素晴らしい小説。昔の仲間に連絡を取りたいという衝動に何度も駆られたし、あらゆる感情が交錯した。約450ページという長編にもかかわらず、あっという間に読んでしまった。
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一年間、同じ寮で過ごした10人の浪人生。
もちろん受験勉強が毎日のメインなのだが、そればかりではなく、恋愛あり、ケンカありの日々。
そして10年後。
30歳を目前にした彼らは社会に出て、それぞれの人生を生きている。
互いに連絡をとりあうこともあまりなくなっていた頃、「リュータが死んだ」という噂が流れる。
主人公アキラは、入寮直前に出会ったリュータやヨージと出会ったと行動を共にすることによって、なんとなく親の言うとおりに生きていた自分から変わっていく。
いくら学生時代に仲がよかったからといって、10年間音信不通の友だちが「死んだ」という噂を聞いて、1年かけて所在を追究するかな。とか。
話が出来過ぎ。とか。
そんなことはあまり気にならないくらい、面白かった。
浪人生と言ってもしょせん若者。しかも男の子が10人。
おバカもやります。
悩みもします。
そういうのが、目に浮かぶように生き生きと描かれていて、読んでいて楽しかった。
私は浪人したことも寮生活をしたこともないけど、なんかいいなあと思った。
必死にやったからこそ、思い返せば懐かしい。
そんな青春があるってことが、宝物だと思うので。