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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.11
- 出版社: 平凡社
- サイズ:20cm/151p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-582-83379-9
読割 50
紙の本
ほかに踊りを知らない。 (東京日記)
たんたんと、時にでこぼこ、どこかシュールに、日々は流れる—。五分の四(くらい)はホントだよ。カワカミさんの日記、続いてます。【「BOOK」データベースの商品解説】たんたん...
ほかに踊りを知らない。 (東京日記)
東京日記2 ほかに踊りを知らない。
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商品説明
たんたんと、時にでこぼこ、どこかシュールに、日々は流れる—。五分の四(くらい)はホントだよ。カワカミさんの日記、続いてます。【「BOOK」データベースの商品解説】
たんたんと、時にでこぼこ、どこかシュールに、日々は流れる…。不思議で可笑しく、ちょびっと切ない。カワカミさんの、5分の4(くらい)はホントの、日々のアレコレ。『東京人』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
川上 弘美
- 略歴
- 〈川上弘美〉1958年東京都生まれ。作家。「センセイの鞄」で谷崎潤一郎賞、「真鶴」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の著書に「神様」「ハヅキさんのこと」など。
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紙の本
おめでたい
2008/01/22 15:55
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
年が明けた。なには兎も角、おめでたい。今年は平成になって二十年だという。人間でいえば、成人だ。成人式には晴れ着で着飾り、政治の世界に清き票を投じ、経済社会の未来をつくる。そんな年になったのかと思えば、これほど目出度き年もない。景気が悪かろうが、政治が閉塞しようが、干支は精励勤勉な子(ねずみ)なんだから、くよくよしてても仕方がない。まずはいい年であれと願わずにはいられない。
今年最初に読んだ本が、川上弘美の『ほかに踊りを知らない。』で、読書好きには、おめでたい話だ。先の『卵一個分のお祝い。』もほのぼの系のシュールな作品だったが、今回も同様な雰囲気がいい。書名の最後の「。」がおめでたい感じがでていていい。ほらほらと、人にこすりつけたくなる気分。それが作品全体にあって、人と人との距離感を微妙に演出してくる。川上弘美の技量といえる。相撲技でいえば、「内無双」みたいで、読者がおっとととと転がりこむ姿が、春らしい。手をうち、おめでたいと叫びたくなる。
趣味の欄に「読書」と書くのは平成二十年ともなればおめでたい話かもしれないが、本を読まない「読書」趣味は戴けない。せめて堂々と私めの趣味は「読書」といえるくらいの本は読みたいものだ。おめでたい年の初めに、青少年のような誓いを立てる中年男はみっともないかもしれないが、そういうおめでたい人間がいてもよい。この本の「あとがき」に川上弘美は「近く幸いが訪れますように」と書いているが、読み終わった今、まさに巫女のご神託のようで、おめでたい、おめでたいと胸震わせている。
経済がどうあれ政治がどうあれ、こんなおめでたい気持ちが、『東京日記』の三冊目が上梓されるまで続けば、どんなに幸せだろう。おめでたい春の始まりである。
紙の本
読んでいて笑いが止まらなくなった… 東京日記 2
2008/02/13 14:52
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
川上弘美さんの「東京日記」の第二弾だ。
あとがきに「あいかわらず、中の五分の四くらいは、うそみたいですがほんとうのことです。」
とあって、またまた嬉しくなる。
弘美さんの小説は読むとなんだか不思議な世界に引き込まれてしまうけれど、
日記を読んでも同じような感覚になるのだ。
それがたいそう気持ちいい。
しかし、今回は読んでいて笑いが止まらなくて困ったことになった。
おりしも、娘の家庭教師がやってくる日の晩、
キッチンに続くダイニングのテーブルで娘と先生が算数の問題に取り掛かっているところだった。
私は夕飯の準備をほぼ終えて、あとは焼くだけだったり、皿によそうだけだったり…下準備を完了させてから、キッチンの片隅でこの本を読んでいたのだ。
と、私は笑いのつぼにはまってしまって、笑いが止まらなくなった。
笑いをこらえるにも限度があって、あわてて洗面所に駆け込む。
そこでひとしきり笑ったあとで、またキッチンに戻った。
どうやらダイニングテーブルの二人は私の様子にはちっとも気づいてなかったようで、それだけが良かった。
で、その箇所とは…。
八月某日 曇
夏休み最後の日の日記である。
川上さんが道を歩いていても、子どもの姿が見えないなぁと思っていたら、
団地のほうから子どもの声が聞こえてきた。
「休みがおわるのはいやだー」
「いやだー」
「ほんとうにいやだー」
まるで掛け合いのように団地のあちらこちらから聞こえたそうだ。
そして五時半を過ぎるとその叫び声がぴたりとやんだそうだ。
叫ぶ子どもの気持ちも、
そんな子どもを持つ親の気持ちもよ~く分かる。
淡々と描かれた弘美さんの日記の行間から
笑いのつぼが私にせまってきた。
これを読んでちっとも笑えない人もいるだろう。
おおかたの人がそうかもしれない。
しかし、私はお腹の皮がよじれるほど笑った。
あ~苦しかった。
でもすごく面白かった。
門馬則雄さんのイラストがまた弘美さんの日記にぴったり合っている。
どれもまねをしたくなるほどかわいいイラストなのだが、
やはり一番と言えば、裏表紙のカエルだよなぁと思う。
東京日記2を読んだばかりなのに、もう東京日記3が読みたいと思う。
それくらいに弘美さんの日記は面白い。
紙の本
「五分の四はほんとうのことです」
2011/03/16 10:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
『東京日記2 ほかに踊りを知らない。』を読んだ。
この本に収められている文章は「東京人」という雑誌に発表されたものだが、川上弘美さんの「東京日記」は2011年の今も続いていて、今は平凡社のサイトで連載されている。
「あとがき」で「中の五分の四くらいは、うそみたいですが、ほんとうのことです」と書いてあるが、本当に、「日記」を読んでいるというよりも日記体の小説を読んでいるという気持ちになる。
適度に肩の力が抜けていて、それでいてユニークな観察もあったりして、読んでいてあきさせない本だった。
文章に添えられた絵も雰囲気にマッチしている。