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紙の本
イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ (平凡社新書)
著者 加藤 雅之 (著)
輝く太陽と青い空、芸術と音楽、美味しい料理。イタリアは本当に素晴らしい国だ。ただし、そこで仕事さえしなければ…。悪戦苦闘を重ねた元特派員が愛情と怨念をこめて描く、あまりに...
イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ (平凡社新書)
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商品説明
輝く太陽と青い空、芸術と音楽、美味しい料理。イタリアは本当に素晴らしい国だ。ただし、そこで仕事さえしなければ…。悪戦苦闘を重ねた元特派員が愛情と怨念をこめて描く、あまりに「イタリア的」な社会と人々の実像。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
加藤 雅之
- 略歴
- 〈加藤雅之〉1962年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻修士課程修了。時事通信社旧経済二部、盛岡支局などを経て、2002〜06年ジュネーブ特派員。現在、経済部次長。
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紙の本
義理人情と賢さでできた国(ただし、イタリア標準で)
2008/05/06 10:52
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、時事通信社の記者氏が、イタリアで仕事をすることになり味わった悲喜劇(主に喜劇、ただし、はたから見ている分には)をつづったものである。
2 (1)イタリアは、地中海に囲まれている。その地理上の恩恵を受け、太陽はさんさんと輝き、肥沃な大地から旨い食べ物がとれ、おまけに歴史上の遺構はあまたあり、素晴らしい芸術品は美術館を満たさんばかりである。また、人心は穏やかで明るく、人情味も豊かである。
なるほど、これは観光に、遊びに行くなら素晴らしいに違いない。
しかし、本書の著者は、何の因果か仕事だったのである。
(2)イタリアというとテキトーというイメージがあるが、実際にいろんなところでテキトーだったらしい。小はトリノ五輪のボランティア、大はバチカンの事務関係だのWTOの記者会見だのまで、ずっと大変だったそうな。
この辺の最大の原因は、イタリア人がテキトーというより、ものすごくマイペースで、俺のところはやるけど、ほかのところは知りませんわという姿勢があるように思われる。
事務引き継ぎとか、相互の連絡とかが無茶苦茶である。これでよく事務が回るなあと思う。ただ、みんなこうだとかえって相手をあてにしないので、イタリア人的にはうまく回るのかもしらん(また、イタリア人的にはイタリア語を話す人はイタリア的思考法をすると思っているらしい。結果、相手がイタリア語で話せば、相手にテキトーなことをしても大丈夫だと思っている節があるそうな)。
3 (1)すごいのは、五輪のような世界的に注目の集まるイベントまでのんびりしているところである。地下鉄が開通できないととか、山間部の施設も間に合わないとか結構すごい(アテネ五輪のときのギリシアも似たような感じだったが)。
(2)その割には、頭のいい人(ずるいという意味でも、賢いという意味でも、あるいはその両方でも)が称揚される。
日本だと、計画を立て、時間内に完成させることが一番重要だと思われており(外国人に言わせると二言目にはノーキ、ノーキだそうだが)、これがちゃんとできる人が頭のいい人、立派な人だという感じがする。しかし、かの国では、手段はともかくも(ずるくてもよい)、最終的にうまいことやってしまう人が頭のいい人、立派な人のようである。
頭のいいという概念とか、美徳の内容とか、いろいろ基準が違うのかだろう。
4 以上のとおり、イタリア人、良くも悪くも個人主義である。みんなで物事をするなんて、ちっとも国民性にあっていないのである。よくこんなところでムッソリーニはファシスト党を作ったなあと変な意味で感心した次第。