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紙の本
編集者国木田独歩の時代 (角川選書)
著者 黒岩 比佐子 (著)
【角川財団学芸賞(第6回)】自然主義作家として名を残す国木田独歩は、日露戦争の戦況を伝えたグラフ誌で一時代を築いた有能な編集者。日本初の女性報道カメラマンも加わり、独歩社...
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編集者国木田独歩の時代
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商品説明
【角川財団学芸賞(第6回)】自然主義作家として名を残す国木田独歩は、日露戦争の戦況を伝えたグラフ誌で一時代を築いた有能な編集者。日本初の女性報道カメラマンも加わり、独歩社を結成。報道写真雑誌を開花させた彼らに、活気ある明治の時代を読む。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
黒岩 比佐子
- 略歴
- 〈黒岩比佐子〉1958年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。ノンフィクションライター。「『食道楽』の人村井弦斎」で第26回サントリー学芸賞を受賞。その他の著書に「音のない記憶」「伝書鳩」など。
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電子書籍
編集者国木田独歩の時代
2024/02/25 15:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代の自然主義作家として知られる国木田独歩の、編集者としての一面に焦点を当てた本。今日まで残ってる雑誌としては『婦人公論』がある。気の合う同時代の友人たちと一緒に「画報」というジャンルを根付かせようとする日々だったが、日露戦争の報道を機に急速に売り上げを伸ばすも、戦後は売り上げが落ちてしまう。しかし「気の合う友人たちと一緒に」という点がウィークポイントで、利益第一だったら手を引くところを、苦しい経営を長引かせ、酒が原因で命を縮めることになったのが悲しい。
紙の本
もう一人の独歩。
2008/01/29 15:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国木田独歩というと日本の自然主義小説の草分けなど小説家の印象が強いが、実は名雑誌編集者、ジャーナリストであったという。知らなんだ。作者の丹念な資料発掘によって、彼の有能な編集者ぶりが明らかにされていく。たとえば報道写真雑誌。これは名取洋之助の「NIPPON」がてっきり、パイオニアと思っていたら、さにあらず。国木田独歩だった。
いまもある『婦人画報』も、-あの重たい月刊誌-はじまりは独歩に辿り着く、などなど。
編集者と作家に求められる資質は異なると思うが、独歩は、なぜか、兼ね備えていた。むしろ、不治の病に罹らなければ、雑誌編集を続けていたのだろうとも。作家は個人ワークだが、雑誌編集はチームワーク。独歩は、雑誌編集に関しては、緻密で目端が利いてヒットマガジンを連発した。自分の目論見が見事に世の中の流れと共振してヒットする。
これが、続いたら、編集稼業はやみつき、中毒になるのだろう。自分のブレーンを引き連れ、出版社を立ち上げるが、所属していた出版社の債務も引き受け、結局は、それが命取りとなる。出版社が財務、金勘定に弱いという体質はいまに受け継がれているが。
個人的に興味を覚えたのは、独歩の薫陶を受けた「日本初の女性報道カメラマン」のエピソード。作者の執念により、経歴などがわかるのだが、これは朝の連ドラのネタにもなりそうだ。惜しむらくは、その女性が撮った報道写真が現存していないこと。この本を読むと、作家よりも編集者として後世に遺したものの方が多いんじゃないかな。
雑誌のコンセプトやスタイルから、作家、挿絵画家、写真家、編集者の人材発掘・育成など。日本の小説の黎明期、独歩は早稲田大学の人脈で知己を得ていくが、さまざまな個性的な人物との交遊は、疾風怒濤の時代って感じで、わくわくさせられた。