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商品説明
本の街・神田神保町に暮らす“フラヌール鹿島”の全生活を公開。【「BOOK」データベースの商品解説】
「村」というのにふさわしい環境を持つ神田神保町に暮らす“フラヌール鹿島”の全生活を公開。『清流』ほか、いろいろなメディアに掲載されたエッセイをまとめて書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
鹿島 茂
- 略歴
- 〈鹿島茂〉昭和24年神奈川県生まれ。東京大学大学院修了。共立女子大学教授。「馬車が買いたい!」でサントリー学芸賞、「職業別パリ風俗」で読売文学賞、「成功する読書日記」で毎日書評賞を受賞。
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紙の本
私が毎週のように通過する神田、とはいえ本屋さんがある神田は御茶ノ水駅が最寄り。神田駅から行こうとすると、多分道に迷っちゃう。初めて東京に出てきた人は、御茶ノ水で下車してください。
2008/06/09 19:38
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
シンプルなカバー・本文イラストは、岸リューリ。個人的にはカバーよりは、ノスタルジックな本文イラストのほうが好きです。装丁・本文設計は保坂一彦。設計、ですか・・・レイアウトでもデザインでもなく「設計」という言葉を使う、よほどの考えがあるのでしょうが、残念ながら私にはそれが伝わらない。鈍くて申し訳なし。
さて、現在、私が最も共感を覚える評論家・鹿島茂。当然のことながら、この本に収められている文で感心しないものは一つもありません。基本的には神田を扱っていますが、目次をみてもお分かりのようにフランスのことや、彼が興味を持つものなどの話もあります。ノスタルジックな神田に寄せる思いもいいのですが、新鮮という意味では海外事情が面白い。
断っておかなければいけないのは文章が、1999年から始まっていること。そのため、文が書かれた時点には存在していても、既に様子が変わってしまっている街並み、廃業してしまったお店などが出ています。それがなんとも寂しい。それは懐古的な意味ではなくて、そんなに安くて美味しいお店だったら一度でいいから利用したかった、という意味なんですが・・・
それと、このあと、何かで読んだのですが鹿島が共立女子大学の教授を辞めてしまったということ。鹿島が神田に進出した動機の一つに自身が奉職する職場との近さがあったと思います。ここらへんがドーナッテしまうのか、この本が出版されたあとの情報なので、そこらが気になるところではあります。
早速、内容に入りますが、序章で肯く人も多いのではないでしょうか。そう、神田の古書街って、実はJRの神田よりお茶の水のほうが最寄りなんです。しかも、有名な聖橋口のほうから出てしまうと、古書街には辿り着けないという意外な事実。ま、新しく出来た行列のできる鯛焼きやさん「神田 だるま」にぶつかるので新しい発見はありますけど、そういうことはこの本に書いてありません、はい。
共感を覚えるのは、古書街というか書店街に近いということの便利さです。私も昔は大きなバッグに本を一杯詰めて歩いていましたからわかりますが、重くて大変。それを持って千葉くんだりまで帰る面倒くささといったら。都心に住むことのメリットっていうのは確かにあります。ま、私のように通勤電車を書斎化してしまうと、移動時間がそのまま読書時間になるので無駄ではないんですが、はい。
それと増えつづける蔵書への対処です。これは借家が一番です。私は蔵書が一万を越えた時点で、本の購入を殆ど止めてしまいましたが、夫のコレクターの血をひく次女の部屋では、現在、コミックスが増殖中。ついこの間、ブックオフに一部を売り払ってしまいましたが、これに真面目に対応しようとすれば借家(貸事務所)が一番、それも書架が効率よく並ぶ鰻の寝床タイプというのがいい、はい。
で、これが神田だと案外リーゾナブルな値段のわけです。サラリーマンはわかりませんが、個人事業者なら経費でおとせるはず。家はきれいにしておいて、作業場は書架の或る事務所。しかも一歩外に出れば神田の古書街が、なんていいです。おまけにそこには居心地のいい喫茶店や手頃な価格の定食屋さんがある。ま、それは鹿島がここに住むようになった当時の話で、今では廃業したお店も、はい。
それと海外から本を持ち帰るという話が面白いです。私はてっきり船便で送るのだろうと思っていたのですが、それだと人間の旅費とおなじくらいコストがかかるんだそうです(航空便の間違いじゃないかしらん?)。そこでフランスにはご夫婦で行って、手荷物の制限一杯の本を運んで帰国するとか。うーん、それなら思いきって神田からフランスのセーヌ近辺に移住したら?なんて思います、はい。
でも、オペラ座の上でハチミツを採っている、っていうのは本当の話なんでしょうか、鹿島先生のことだから嘘じゃあないとは思いますが、何となく、アリエネー
以下、簡単な内容紹介。
序章 神田神保町ノスタルジア
・わが青春の街・神田神保町:神田の古書街って、実はJRの神田よりお茶の水のほうが最寄りという東京人だけが知っている事実・・・
・神保町ひいきの作家が語る街の魅力:そういえば逢坂剛も小説にお茶の水(神田の古書街なんですが、駅としては正確にお茶の水としています)を扱っていた・・・
逢坂剛・鹿島茂 対談 など
第1章 遂に神田村住人に!
・通勤地獄脱却が都心暮らしの決め手:通勤にかかる時間をお金に換算したらどれほどの無駄か、それに疲れるし・・・
・わずか二年半で仕事場移転の理由:増え続ける蔵書、分かります、我が家もそうでした・・・
・アメリカ・チップ最新事情:貧富の差が大きく貧しい人が圧倒的に多い故にチップが必要・・・
・超格差社会「アメリカ」の現実:まさかここまで格差が大きいのは日本ではありえない・・・ など
第2章 わが思い出の味、オススメの味
・やめられない、とまらない!!:新潟揚、ってなに?歌舞伎揚とは違うの・・・
・果物界の統廃合と合併:そうそう、消えましたよねデリシャス・・・
・なつかしのサイホン・コーヒー:たしかにエスプレッソ全盛・・・
・ソフト・クリームとおやじ:わかります、我が家だって北海道に言った時は、バスが止まるたびにソフトクリーム買ってました・・・ など
第3章 愛しのフランス今現在
・なぜフランスの出生率は増加したのか?:そこまで未婚の母が増えていたのか、ま、結婚しないカップルが増えたというだけで女性が不幸という意味ではありません・・・
・捨てられたモミの木:自然の木を毎年切るのと、資源を使ったプラスチックの偽者を繰り返し使うのとどっちが環境に優しい・・・
・春の代表野菜アスパラ:我が家では娘達に評判の悪いアスパラ・・・
・オペラ座とミツバチ:まさかそんなところで蜜蜂を飼ってる・・・ など
第4章 鹿島茂を刺激するモノたち
・重い本の輸送手段:手荷物をフルに利用する、それでも運賃よりは安いなんて・・・
・思いもよらぬ勘違い:エレベーターでのこの勘違いはレアではないですか、気持ちは分かりますが・・・
・地方都市ルネサンスのカギ:大店法という意味のない法律がもたらしたのは結局、既成の商店街の衰退だけ・・・
・世界の招き猫:私も集めようかな、可愛いネコちゃん・・・ など
あとがき
初出一覧