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紙の本
パラダイス・クローズド (講談社ノベルス THANATOS)
著者 汀 こるもの (著)
周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、それらを処理する探偵体質の弟・真樹。彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、...
パラダイス・クローズド (講談社ノベルス THANATOS)
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商品説明
周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、それらを処理する探偵体質の弟・真樹。彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、館主密室殺人に遭遇。犯人は館に集った癖のあるミステリ作家たちの中にいるのか、それとも双子の…?最強にして最凶の美少年双子ミステリ。第37回メフィスト賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【メフィスト賞(第37回)】周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の美樹と、探偵体質の双子の弟・真樹。孤島の館へ向かった2人は館主密室殺人に遭遇。犯人は館に集まった者たちの中にいるのか、それとも双子の…? 美少年双子ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
汀 こるもの
- 略歴
- 〈汀こるもの〉1977年生まれ。大阪府出身。追手門学院大学文学部卒。「パラダイス・クローズド」で第37回メフィスト賞を受賞しデビュー。
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書店員レビュー
ミステリーが好き! ...
ジュンク堂書店三宮店さん
ミステリーが好き!
双子が好き!
美少年が好き!
そんなアナタ!読んで損はありません。
美少年双子が繰り広げる、少し病んでる?ミステリ。
熱帯魚に興味がある方も楽しめるかもしれませんよ?
文庫版も出てますので、お好みのものを手にとってみて下さい。
文庫・新書 担当者A
絶海の孤島。嵐の夜。...
ジュンク堂大宮高島屋店さん
絶海の孤島。嵐の夜。殺人事件。密室トリック。禁じられた双子。
この世に推理小説が誕生してから幾度となく使い回され、使い古されてきたであろう言葉に大胆にも挑戦しようとする作家が現れた。
ミステリー作家の屋敷で起こる殺人事件に俗に言う“高校生探偵”と人間よりも魚類を愛する引き籠もりの兄、そして世界一不運な生け贄の刑事が遭遇する。セオリー通りの展開に、セオリーから少しはみ出した登場人物たちが事件の謎を解いていくのだが、この三人、どこか事件を舐めているというか事件に慣れきっているというか、緊張感がない。
しかし、一番の大物はこの作家。先人たちが築いてきた所謂『十戒』も『二十則』もこの作家の前では壁の標語に等しい。ミステリー界の歴史よりも水槽の中の秩序を重んじる究極の魚馬鹿が放つ稀代の衒学的魚ミステリー。地球四十六億年の前ではもはや殺人事件などパソコンに積もる塵である。え、ほんとにそれでいいのかよ、ミステリーだよね!?いかにも、ミステリーである。
混迷するゼロ年代作家の中で唯一と言っても過言ではない、『本格』に少し斜め上から立ち向かわず摺り抜けていく、汀こるものワールドを是非ご堪能頂きたい。
紙の本
堂々と喧嘩、売ってます。
2008/02/24 00:47
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
第37回メフィスト賞受賞。
昨今純文学の力が弱まり、新しい文学に押し寄せられてきていますが、ミステリ界でも同様な事が起こりつつあるようです。
『目には目を。歯には歯を。本格には…』
双子の兄弟、真樹(バリバリ社会派の「名探偵」)と美樹(魚マニアの「死神」)のお守りの為に、推理作家達が集まる孤島にやってきた、刑事高槻。大嵐での停電の後、モナコ水槽が見守る中、密室殺人が起きてしまう。全てが「クローズド」されたサバイバルゲームが始まる。
有栖川有栖が裏表紙で述べているように、この物語は、「いかにも!」なミステリではありません。というかぱっと見では、既存の「美学」としてのミステリに喧嘩売ってる作品。
過剰なまでの魚薀蓄。真相を暴かない名探偵。ミステリの基盤をぶちまける存在である死神。めためたにバカにされる「本格」の推理作家たち。
どれもこれもが、本当のミステリ好きにとっては嫌がらせとも思えるようなものばかり。
ただ、有栖川が述べているように、「それでも本格」たりえるのは、「本格」を潰す為に、「本格」で勝負しているからだと私は思う。
「本格」という美学を潰す為には、「本格」であたるしかない。挑戦状であることに間違いないけれど、律儀に「本格」で勝負している点(純粋なエンタメに逃げなかった点。探偵は真相を放棄するけれど、その真相はちゃんと語られるし、なによりも「合理的な」「論理」である点)からも、わりと律儀なんだな、と感じました。
つまり、設定だけ取り上げれば、この小説は他のジャンルになりえることも可能だったんです。だけど、あくまでもミステリ(しかも「本格」)で勝負した、しかも「本格ミステリ」を徹底的にバカにする方法で「本格」をしたことは、作中の「本格」推理作家たちのように、嫌でもその正統性を認めなくてはならない。いくら小バカにされても無視することはできないと思うんです。
その姿勢は、『六枚のとんかつ』や、西尾のそれと方向性は似ているけれど、「バカにする」という方法で嫌でもこちらを向かせた『パラダイス・クローズド』の勝ちだと思うんですよね。
「美学なんて糞喰らえ、面白ければいいんじゃい」な物語は増えていると思うけど、この作品のようなスタイルは、ある意味極致だろう。こんなにストレートにギャンギャン真正面から抵抗したのはちょっと珍しいんじゃないかな。
ただ、その姿勢は認めるけれど(いつまでそのスタイルでやるかは知りませんが)、そういうカウンターカルチャーとしての文学は、その性質だけが注目されがちであり(今の私の書評のようなもの)、その性質を抜き取れば、意外に中身スカスカのものが多いのも事実。
この物語の場合、その脇を埋めるはずの魚薀蓄に、私は後半ついていけなかった…。自然とそこからの人生論チックの真理にも素直に入り込めなかった。
とりあえず、ミステリ好きの方々は、ある程度覚悟してから読んだ方がよろしいかと。
私もさすがに「タナトスきゅん」だのが出てきた時は、「ぐへぇ」と思いましたが、名探偵の真相放棄には意外とスカッとしちまいました。
最後に。
「ビートたけし」だの「タランティーノ」だの、既存の固有名詞(明らかに作者の好み入りまくり)が出てきたり、キャラクター作りに精を出していたり。正直、やりたいようにやりすぎだと思ったのは私だけ?そこで純粋なエンタメにいかなかったから読むのが辛いと思ったり思わなかったり。そんなこんなで次作は何気に読んでみたいと思ったり思わなかったり。
紙の本
一度挫折した
2021/02/01 19:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うささび - この投稿者のレビュー一覧を見る
双子、美少年、ミステリー、この三拍子にやられて読み始めましたがちょくちょく挟まれる魚や水槽の蘊蓄が長い長い。
もしかしたらトリックに絡んでくるかも・・・と思って頑張って読むけど一回挫折した。しばらくしてから再読し、次はなんとか読みきりました。とってもおもしかった!
双子の片割れは人に不幸を振り撒く迷惑体質で、それを支える弟と護衛の刑事。主にこの三人が事件に巻き込まれる、というより事件を起こしてる。自己中でめんどくさい双子に苦労性の刑事、三人の関係が歪で危うくて愛しい。蘊蓄部分され乗りきってしまえば続きが読みたくて仕方なくなる。
紙の本
本格には……
2017/05/06 18:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
道具立ては本格ミステリ、なのにどうしてこうなったと言いたいタナトスシリーズ。
汀こるもの氏の作品に触れたのはこのシリーズが最初だったので、別シリーズに登場する同じキャラの別面を見ると、今でも驚くことがある。