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世界中で読み継がれてきたマクニールの大好評の『世界史』の完訳版です!
2020/07/25 10:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アメリカのシカゴ大学名誉教授で歴史学専門のウィリアム・マクニール氏の非常に有名で世界で40年余りに渡って読み継がれている『世界史』の完訳版です。同書の大きな特徴は、人間の歴史の流れを大きく捉え、きわめて特色ある歴史上の問題を独自の史観で鮮やかに描き出している点です。中公文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書の上巻はユーラシアの文明誕生とそのひろがりから、紀元後1500年までの四大文明の伸展とその周縁部との相互干渉までが解説されます。内容構成は、「第1部 ユーラシア大文明の誕生とその成立」(はじまり、文明のひろがり、中東のコスモポリタニズム、インド文明の形成、ギリシャ文明の形成)、「第2部 諸文明間の平衡状態」(ギリシャ文明の開花、ヘレニズム文明の伸展、アジア、インド文明の繁栄と拡大、蛮族の侵入と文明世界の反応)となっています。
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世界史 上
2012/07/29 07:12
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:牧ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
専門書であり、地球規模の人類の流れを歴史として捉えており大局的な把握をするのに非常に参考になる書物でした。
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世界史がひとつに繋がった
2018/08/18 09:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の中で各国バラバラであった世界史がひとつに繋がったと実感できる内容であった。
独自の時代区分ではあるが、文明同士の影響と拡がりを中心に文化、宗教、思想の変化が文明社会や国家の衰亡に関わっていることを理解できた。各国の政治中心の歴史では理解しにくい一体としての世界史を把握するには最適な一冊だと思う。長い間読み継がれてきた優れた歴史書だと感じた。
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ありがちな西欧偏重・現代史希薄な世界史ではなく、各地域をくまなく論じているフェアな世界史。
西欧以外、特に15世紀以前のアジアの持つ力、先進さがわかる。
高校の世界史は駆け足だが、これはいわば「強歩」の世界史。早目進みながらも、着実に地に足を付けて進む。
二週目の世界史にどうぞ。
(2009/2/25読了)
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「歴史とは何か」にも登場。名著です!大きな視点でダイナミックに描き出す歴史の妙
このような世界史は学校教育では絶対に教えてくれない。これこそが本当に知るべき知識なのに!
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上巻読了。各地で同時進行する歴史の大きな流れの中で宗教や政治形態、民族の成り立ちを見ることができて面白い。
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・農業の重要性、歴史と宗教の不可分性、文明は水面に小石を投げたときにできる紋様のように伝播し互いに影響しあうのである。
・歴史はヘロドトスから始まった。
・人間の歴史の偉大な一歩は食糧生産の発達であった。現在でもその発達が文化文明の発達に寄与していることは火を見るより明らかである。なにせ人口の数パーセントで残りの人口の食糧をまかなえるまでになっているのである。文明の三要素は、国家の成立・文字の発明・金属の使用であるが、特に文字の発明は人類史において数回しか起こらなかった。数ある言語は模倣と改変によって鋳型となった文字から発展したものなのである。
・ある種の複雑な文明社会が生まれるためには灌漑事業が必要であって、つまるところティグリスユーフラテス川にみられるように、水資源の有無が重要な意味をもったことはよく知られていることである。
宗教の発達というのは、誤解を恐れずにいえば人間の支配機構の維持と昂揚のための有効性という特定のパースペクティブから生じた結果なのである。ということがよくわかった。
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紀元前1700年から紀元後1500年までの世界の歴史を、各地の文明の歴史はもちろん、文明間の関わりに焦点を当てて書かれた大著。ひとつひとつの歴史については、さすがにサラっとしか述べられていないので、すでにある程度の知識を持っていないと理解は難しく、その意味では読みづらい。ただ、文明間の関わりについては大いに感銘を受けました。ちょうどインド出張中だったのもあり、特にこの時期のインドの存在感の大きさを知り、勉強になりました。
下巻は1500年から現代まで。こちらは既知識も比較的あるので、さらに楽しめそう。
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上巻読了。地理や国名民族名などの基礎知識がないと読むのは難しい。下巻を読むのは時間ができて地図帳など参照しながら読めるようになってから。
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噂の必読本。確かに、ローマ人や銃病原菌よりも先にこっちかなとは思う。所々訳が残念な章があるのがいまいち。
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文明のはじまりから1500年までの世界の歴史を俯瞰的に書いている。4大河文明が周りに伝播し、蛮族が壊してまた再生しつつ1500年まではユーラシア大陸の諸文明は均衡していた。極西のヨーロッパと極東の日本だけは独自の発展をして近代に他の文明を抑えこむ元になったというのがあらすじ。日本については若干違う気がするがインド、中国については納得。西欧諸国が中世からルネサンスにかけてなぜ近代化の準備ができたのかという点もよくわかる。インドのインド化の過程が興味深かった。
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この作品は分厚くて読みづらい文庫だというのが、唯一の難点というぐらいである。
試験のための高校の世界史がいかにつまらなかったんだ!と思わせるぐらいに、試験に出る用語のスキマを心地よいぐらいにわかりやすくストーリーとして著述しており、また、ヨーロッパ、中国を分断した歴史ではなく、地球規模で、世界史を優しく語りかける作品。
完全に理解しているのかと言われると、困る。
しかし、教養として何回か読まなければならないぐらいに価値のある作品だと思う。
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世界史を知らずして現代、そして未来を知ることはできない、そう思える本でした。
受験勉強の対象ではなく、教養として読む世界史がこんなに面白いのかと目から鱗です。
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世界の4大文明がどう交錯し、どう影響を与えあったかの流れが説明されている。この流れを知っていれば、より一層世界史が面白くなるだろうということは間違いない。ただ、誤字・脱字が多くて若干読みにくい。
ある文明が繁栄すると、その周辺部がその文明の知識や制度を取り入れて、また発展する。ユーラシア大陸の東と西でそれが交互に繰り返されてきたことは注目すべき事実だと思う。
歴史の転換点において、遊牧民族の侵入が重大な役割を何度も果たしてきた。過去二千年にわたって、その圧倒的な機動力と組織的攻撃力で影響を及ぼしてきた遊牧騎馬民族の末裔は今、ほとんど影響力を持っていないように思える。しかし、現代、遊牧民と同じ役割を持つ人たちはいるのではないか。
だとしたら、それはどういうものなのか興味がわく。
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本屋でお薦めの本とあったので、つい買ったが、意外に読みにくかった。歴史の面白いところは、歴史上の人物が繰り広げるドラマであるが、この本は歴史を上の方から俯瞰して評論するもので、余程世界の個々の地域の歴史に精通していないと完全な理解は難しいと思う。上下二巻となっているが、下巻を読むのはしばらく意欲が湧いてくるまで待とうと思う。