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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.1
- 出版社: 光文社
- サイズ:18cm/261p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-334-07666-5
紙の本
犯罪ホロスコープ 本格推理小説 1 六人の女王の問題 (KAPPA NOVELS)
著者 法月 綸太郎 (著)
売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンションには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最近、その劇団の芝居を巡り、二人には感情のもつれが...
犯罪ホロスコープ 本格推理小説 1 六人の女王の問題 (KAPPA NOVELS)
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商品説明
売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンションには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最近、その劇団の芝居を巡り、二人には感情のもつれがあったらしいのだが…。虻原は、寄稿した雑誌の最終回のコラムに不可解な俳句を二首、残していた。さらに「六人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージが。はたして、俳句に隠された謎とは?(表題作)星座にまつわる六つの謎を解き明かす、まさに端正な本格推理。【「BOOK」データベースの商品解説】
売れっ子ライター・虻原が転落死した。虻原が寄稿した雑誌のコラムに残した、2首の不可解な俳句。さらに「6人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージが…。6つの星座に隠された謎を解き明かす本格推理。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ギリシャ羊の秘密 | 7−46 | |
---|---|---|
六人の女王の問題 | 47−90 | |
ゼウスの息子たち | 91−127 |
著者紹介
法月 綸太郎
- 略歴
- 〈法月綸太郎〉1964年松江市生まれ。京都大学法学部卒業。「密閉教室」でデビュー。「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門、「生首に聞いてみろ」で第5回本格ミステリ大賞を受賞。
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紙の本
おなじみ「探偵法月綸太郎」が活躍します
2008/03/01 19:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る
6話の連作短編集。
いずれも初めに星座にまつわるギリシャ神話が短く出てきます。その後、それにまつわるような事件がおこるという内容です。神話は登場人物の名前が覚えにくいので少し頭が混乱しますが、事件に移るとすっきりと読めます。
どれも秀作ぞろいで期待を裏切りません。一番よかったのは「乙女座 冥府に囚われた娘」です。
この著者の作品は長編が年間ミステリーの1位になったりしていますが、私は本作のような短編の方が好きです。
紙の本
作者の言葉こそ謙虚ですが、中身は本当に文句のつけようもない本格推理。あえていうなら、謎解きが難しくって理解できないところも。無論、それでも楽しめる。ただ、そこのところだけ絵解きしてくれたらなあ、★六つだったのに
2008/08/19 18:40
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎回、偏見に満ちた気炎を吐いては夫ばかりか娘二人にも敬遠されギミの私ですが、この本にかんしてはまず次女が賛同してくれました。
「母さん、荒川って、河童とかUFOが出るのかな?」
「ま、埼玉流れてんだから、何でもありなんじゃない、でもなんで?」
「いや、この間渡された『六人の女王の問題』読んでてさ、あの中にね」
「そうそう、本当に物知りだよね」
「そうなんだ、法月さんてホント頭いいよね、東大の法学部だっけ?」
「京大の法学部に決まってるでしょ、東大の人間よりずっと頭がいいの」
「そうなんだ、どおりで。でも良く知ってるよね」
「薀蓄傾けるとムカつく作家っているじゃない、でも法月なら許せる。それとね、同じようなこと書いていても有栖川有栖だと嫌なんだよね、例えば無理に使う関西弁もだけど、探偵がズカズカ犯行現場に入っちゃう。同じことやっても、法月ならいいか、って。何かが違うんだよね」
「そういうの、あるよね。第一、綸太郎、控え目だし」
「あんたは読んだことないけど、エラリー・クイーンのスタイルを受け継いでいるのは、法月なんだろうね。作品も少ないほうだから、全部読んでみる?」
「それより、聞いてよ、もっと凄いことあるの。あのね読みながら、なんだか私が大好きなコミックスがチラツクわけよ。でね、あとがきみたら、中村光『荒川アンダー ザ ブリッジ』(ヤングガンガンコミックス)を読んだから、なんて書いてあってね、感動しちゃった」
などと思わぬ会話になってしまったわけです。知的、ということがこれほどピッタリくる作家というのも珍しいのではないでしょうか。でも、このカバーデザインは秀逸です。てっきりイラストだと思った正座関連のオブジェ(ごめんなさい、正式名称あるんでしょうけど、天球儀でもなさそうだし、タイトルから言えばホロスコープなんでしょうが、実物知らないし)の写真を選んだ、このセンスだけでも降参です。
そんなカバー・デザインは泉沢光雄、驚きのカバー写真はBryan Reinhart/Masterfile/amanaimages、カバー印刷は近代美術です。カバー印刷の会社を書くって言うのは、光文社だけじゃあないのでしょうが、光文社の表示が一番目立つし、それでいてわざとらしくなくて、私は好きです。
カバー折返しの著者のことばは、本当に謙虚です。
デビュー二十年目にして、初めてカッパ・ノベルスから本を出すことになりまし
た。浮世離れした暮らしをしているせいか、未だに新人気分が抜けきらないの
ですが、齢四十を過ぎると、いつまでもそういう甘えは許されない。ここらへんで
一度プロフェッショナルな仕事をしなければと、一念発起して着手したのが、この
〈星座シリーズ〉です。
六つの星座に六つの謎――気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も
残さない、そんな娯楽奉仕に徹したミステリー集になっているとよいのですが。
何も残さない?いえいえ、続巻に対する期待と、法月偉し!の思いをイヤってほど残してくれました、はい。
カバー後の案内は
売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンショ
ンには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最
近、その劇団の芝居を巡り、二人には感情のもつれがあったらしい
のだが……。虻原は、寄稿した雑誌の最終回のコラムに不可解な
俳句を二首、残していた。さらに「六人の女王にたずねるがいい」と
いう謎のメッセージが。はたして、俳句に隠された謎とは?(表題作)
星座にまつわる六つの謎を解き明かす、まさに端正な本格推理!
となっています。どのお話にも冒頭に、小説のタイトルと関連するギリシア神話が2頁で紹介され、中身に入っていくのですが、それが実にいいんです。あれ、どう結び付くの?という感じで、神話の影すら見えない展開をする。ところが、途中から、え、そんなふうに・・・っていう具合に繋がっていきます。それが少しもこじつけに見えない。これって大変な努力をしているんだと思うんですが、それをさりげなく出す。我が家の次女が「綸太郎、控え目だし」という所以です。
以下、各話を簡単にご紹介。
◆牡羊座 ギリシャ羊の秘密(「ジャーロ」2007年冬号):荒川でホームレスのアリョーシャさんが殺された。取材の為、野宿生活をしていたよろずジャーナリストの飯田も襲われて、最後に聞いた犯人の言葉は・・・
◆牡牛座 六人の女王の問題(「ジャーロ」2007年冬号):売れっ子ライターの虻原サトルが雑誌に連載中断の原稿を寄せて36歳の短い生涯を閉じた。背景には、伝説となった芝居の公演をめぐって劇団主催者と対立が・・・
◆双子座 ゼウスの息子たち(「ミステリーズ!」2004年6・8月号):山中湖湖畔の「四つ葉ホテル」のオーナーは悲劇に見舞われた双子の夫妻。そのレストランで綸太郎がみた嫌がらせ。その男が殺された・・・
◆蟹座 ヒュドラ第十の首 (『気分は名探偵』2006年5月31日):霊園で殺されていた蟹江陸朗が住んでいたのは、去年、亡くなった妹が住んでいた部屋。そして彼のパソコンには犯人の名が・・・
◆獅子座 鏡の中のライオン(「ジャーロ」2007年春・夏号):「女王様」と呼ばれていた女優・仙道美也子が自家用車の中で殺された。消えた右耳のピアス、主演するドラマの新人脚本家・・・
◆乙女座 冥府に囚われた娘(「ジャーロ」2007年秋号):ミネラルウォーターを飲んでダイエット、それが原因で植物状態になるという都市伝説。でも、意識不明が続く患者からメールが届くとなると・・・
どれも感心するものばかりですが、強いてあげれば表題作「六人の女王の問題」が好きです。何をやっても魅力のない男って、いるんです、実際。それと、「ヒュドラ第十の首」、ただし手袋の着脱に関する解説は全く読解不能。こういうのは簡単な図をつけたほうがいいんじゃないか、そう思います。