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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2008.2
  • 出版社: 幻冬舎
  • レーベル: 幻冬舎文庫
  • サイズ:16cm/377p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-344-41079-4

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てるてるあした (幻冬舎文庫)

著者 加納 朋子 (著)

親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教...

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てるてるあした (幻冬舎文庫)

税込 660 6pt

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親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

春の嵐 7−56
壊れた時計 57−108
幽霊とガラスのリンゴ 109−160

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みんなのレビュー124件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

母と娘の再生の物語

2009/12/06 22:30

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、『ささらさや』の続編である。

今回の主人公は、さやではなく、
親の夜逃げのために、佐々良(ささら)にやってくることになった照代。

主人公の周りを固めるのが、
さや、ユウ坊、3人のおばあさん(久代、夏、珠子)、エリカにダイヤと
『ささらさや』の主要登場人物たちである。

照代は、頭がよくどこか冷めた目で周りを見ているような女の子。

というのも、彼女の両親が、まったく親らしくない人たちだから、
彼女自身が急速に大人にならなければ生きていけなかったのだ。

彼女の両親は、特に経済観念が壊れていて、お金をまったく計画なしに使う。

照代は高校受験で、第一志望校に合格していたのだが、
入学金が家になく、振込みの手続きがなされていなかったため、
進学することができなかったくらいなのだ。

本人はきれいだけれど、母親らしくない母親で、
母親はきれいで自分は似ていない、
娘は母親を恨んでいるという初期設定は、
『いちばん初めにあった海』に収録されていた「化石の樹」とどこか似ている。

大切な人の喪失と再生、母娘関係の再生は、
加納作品の根底を流れるテーマなのだろうと思う。

さて、照代の家には、とうとう、毎日のように借金取りがくるようになり、
家族は家にいられなくなって夜逃げすることになる。

両親は、照代を一緒に連れて行かず、
遠い親戚だという佐々良の鈴木久代さんを頼れという。

照代はわけがわからないままに、佐々良にくることになる。

その訪ね先、鈴木久代こそ、
さやの家によくやってくる3人のおばあさんのひとりだったのだ。

本書は、照代の視点で語られる。

そして、久代についても細やかに描かれている。

前作では、わからなかった久代の性格や生き方、
かつて教員をやっていた過去のことなどが見えてくる。

ところで、加納作品の特徴のひとつとして、
名付けに意味が込められていることが挙げられる。

主人公の名前、照代も実はある思いを込めてつけられた名前なのである。

だが、当の照代はそんなことは知らないし、冷めてもいるから、
回想で、同級生に「ヤダァ、うちのおばあちゃんと同じ名前」
なんて言われたなと思い出しているくらいである。

著者は、比較的若い女性の気持ちに焦点を合わせるところで
リアリティを出すのが得意である。

前作のさやよりも照代の心情を描くほうが、
よりなじんでいるようだった。

また、前作は、ひとつひとつの事件が解決していくので、
短編集のような色彩が濃かったが、
本書は、中長編のような構成である。

高校生になっているはずだったのに
親が手続きをしなかったばっかりに高校にいけなかった照代は、
住む場所だけでなく、行く場所も持たなかった。

そんな照代に、久代は、「仕事を見つけるんだよ。
あんたは同級生より一足早く社会に出たんだってことを自覚するんだね」という。

厳しい久代に、照代はなじめない。

同級生以上に努力をして勉強してきたのに、
家庭環境のせいで今の状況に追い込まれていることにも納得がいかず、
なかなか周りの人たちにも心を開けない。

そんな素直ではない自分に腹が立ってもいる。

特に、やさしくてきれいなさやには心が開けない。

照代は、母親からプリペイド式の携帯電話を預かっていた。

鳴り出した着メロは、「てるてる坊主、てる坊主、あした天気にしておくれ・・・」。

メールが入ってきた。

件名は、「てるてる」

  てるてる あした。きょうはないても あしたはわらう。

それは、落ち込みささくれ立っている照代の心を静かに励ますのだった。

この携帯電話だが、最初は母親と連絡が取れていたのだが、
のちには連絡すら取れなくなってしまった。

だが、その後、不思議なメールは、
絶妙なタイミングで入るようになる。

でも、送り主はわからない。母親からではなかったのだ。

不思議なことはメールだけではなかった。

照代は、預かってくれている久代の家で、女の子の幽霊を見るようになる。

その子は、照代の夢にも出てくる。

いったいそれは何を意味しているのか、幽霊は照代に何を伝えたいのか。

その謎が解けたとき・・・。

どんなに過酷な運命でも、生き抜ける、再生できるということを、
彼女の作品はいつも信じさせてくれるのだ。

そして、どんなに理不尽なことにも背景があり、
関わった者、対極にいると思った者にも
その人なりの思いが、物語があることを、いつも教えてくれる。

私が加納作品に出会ったのは、ほんの2ヶ月前なのだが、
今年の大切な出会いのひとつに数えたい。

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紙の本

本を読む楽しさを、そっと、でも鮮やかに伝える物語

2005/10/08 21:23

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:リッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書の主人公は、照代という名の15歳の女の子。親の夜逃げのせいで高校に進学出来なくなり、一度も会ったこともない祖母を頼って“佐々良”に訪れたところから物語は始まります。
 この照代、加納さん自身がおっしゃっているようにかなり「いやな女の子」。でもその本心は、人の温もりが欲しくて近づきたいと何よりも願っているくせに、近づいて傷つくかもしれないことが怖くて人を遠ざけてしまう…、というような、いわゆる“ハリネズミ・ジレンマ”の女の子です。まぁ、照代の生い立ちを考えると仕方がないことなのかもしれませんが。
 私たち読者は最初、そんな照代にイライラさせられます。でも、自分が彼女ぐらいの年齢の時をちょっと思い出してみれば、誰でも大なり小なり同じような悩みは抱えていた覚えがあるはず。こんな照代が、前作“ささらさや”に登場した人々との厳しくも優しいふれあいによって、徐々に徐々に成長していく姿が微笑ましい。また、読み進めるにつれて当初のいらだちが消えて、自分自身も照代と一緒に気持ちが楽になっていることに、ふと気づきます。今まで加納さんの作品を読んできた者としては、この主人公にはビックリですし、もしかしたら最初から彼女を毛嫌いしてしまう人もいるかもしれません。でもそう決めつけないで、最後まで読み進めてください。本書の感動は、前作のヒロイン・サヤを安易に物語の視点にしないで、あえて「いやな女の子」照代を主人公にしたからこそです!そして、最後に久代さんの口を通して語られる言葉(341ページ)や照代の気持ち(345ページ)は、加納さんから私たちへのメッセージなのでしょうね。これだから読書は止められない!
 この物語は、まるで自分の心を映し出すような鏡のような作品。いろんな考え方があるけれど、でも「やっぱりこれだよなぁ〜」そして「いつまでもそんな気持ちを忘れないようにしたいなぁ」と思わせてくれる、素晴らしい一冊でした。

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紙の本

本作で照代が変化したように読者の心の中も素敵に変化していく。作者の願いが通じる作品である。

2005/06/25 20:15

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

前作『ささらさや』と同じく舞台は佐々良という小さな町。
主人公は照代という15歳の女の子。
前作のヒロインであるサヤをはじめ他の登場人物達は脇役となっているので、続編というより姉妹編という表現がピッタシであろう。
佐々良ファンである読者にとっては、サヤにユウ坊、エリカにダイヤ、そして久代さん、夏さん、珠さんのお婆ちゃんトリオとの再会は嬉しい限りだ。
『ささらさや』でいわば究極の夫婦愛を描いた加納さんであるが、本作では究極の親子愛に挑戦。
はじめ主人公にイライラして読み始めた読者が必ず納得して本を閉じる光景が目に浮かぶ。
サヤと照代を比べてみよう。
どちらも余儀なく佐々良にやってきたのである(前作は夫の急死、本作は親の経済的事情)が、年齢と性格的な面から悲壮感が漂っているのは本作の照代の方であろう。
おっとりしていてやや臆病なサヤとは対照的で、ひねくれていて負けん気が強い照代に当初辟易していたのは私だけであろうか・・・
はたして今後どのように進んで行くのであろうか?
めくるページが止まらないのである。
内容的には『ささらさや』よりずっとシリアスなものとなっている。
万人受けする作品かどうかと問われれば少し返答に困るというか前作に比べると劣るという気がするのである。
幽霊が出てきたり前作同様にファンタジー要素があるとはいえ、たとえば両親に対することなどの踏み込んだ描写については現代社会に対してメスを入れている点は見逃せない。
しかしながら読者にとってどちらが胸に突き刺さる物語かと言えば、本作のほうに軍配を上げざるをえない。
たとえば主人公照代と同年代女性読者がこの作品を手にとられた場合、かなり勇気付けられ癒される一冊であろうことは容易に想像できるのである。
いろんなことに悩み解決して行き成長する、まさしく若い時の特権である。
裏を返せば、私を含めて男性読者の大半は本作のような加納さんの世界を求めていないのかもしれない。
少し辛辣すぎる設定に驚かれた方も多いんじゃないかな。
逆に女性読者が読まれたら、前作以上の評価をされる方が多いような気がする。
ある程度の年齢を経た方が読まれたら、照代だけじゃなく久代や幽霊(誰かは読んでからのお楽しみ)にも共感できるのである。
自分の若い頃を思い起こしたり、あるいは自分の子供のことを思いやったりしつつ良い教訓となる一冊である。
--------------------------------------------------------------------------------
作家にも勇気が必要である。
前作が『ななつのこ』などと相通じるメルヘンチック的要素が強い従来の加納ワールドであるのに対し、本作はかなり変化がある。
当然の如く、どちらも加納朋子であることには変わりない。
私の結論とすれば2冊とも読まれて加納さんの現在の力量を堪能して欲しいなと思う。
2作が表裏一体となって現在の加納朋子像をくっきりと浮かび上がらせてくれているといっても過言ではない。
一抹の寂しさもあるのであるが、逆に今まで加納さんの作品を敬遠されてた方にも是非手にとって欲しいなと強くプッシュしたい作品でもある。
悲しみを乗り越えればきっと幸せが待っている。
本作で照代が変化したように読者の心の中も素敵に変化していく。
加納さんの願いが読者に通じた証拠であると断言したく思う。
活字中毒日記

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紙の本

赤毛のアンのような2人

2005/06/25 13:50

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨシノ - この投稿者のレビュー一覧を見る

大事にしていた物を全て無くした少女が、新しい生活と新しい自分を手に入れていく物語。出てくる人物達は身近にいそうな人ばかり。意地悪な人、厳しい人、口が悪い人、弱い人・・・。主人公の少女もわがままで我慢がきかない 実に今時の高校生、といった感じだ。だからこそ、少女が様々な人間と関わり、たくましく成長していく様子には胸を打たれる。“ささらさや”はミステリを楽しんだ作品だったが、“てるてるあした”は、巧みな人物描写を味わって欲しい作品だ。“赤毛のアン”の厳しいマリラに鍛えられるアンのような、“西の魔女が死んだ”のおばあちゃんの優しさに助けられる少女のような、そんなテイストのある1冊。中・高校生から大人まで、女の人に読んで貰いたい。

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紙の本

繰り返し繰り返し読みたくなる一冊

2008/08/26 20:21

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ささらさや」の姉妹編ということで舞台だけ一緒の「佐々良」だと思っていたのですが、これが大間違いでした。
「ささらさや」に出てきた人たちが今回も同じく登場しますので姉妹編ではなく続編だと思って前作が未読の方はあちらから読まないとちょっとこの本を読むのは難しそうです。

ロクでもない両親の元で育った照代。
頑張って頑張って志望の高校に受かったものの浪費家の両親は入学金を払っていないどころか、借金まみれで夜逃げすることに。
しかも両親と一緒に行こうと思っていたのに遠い親戚の鈴木さんという人を訪ねなさいと「佐々良」の地までやってきた照代を待っていたのは、魔女と呼ばれるおばあさんとの生活なのです。
15歳なのに誰も助けてくれないどころか一緒に住む魔女は厳しくて一人で生きていくように働け学べと言うばかり・・・。
周りから好かれるサヤに腹立ちを感じたり、無条件に愛される子供達を見ては心を痛めたりとただでさえ落ち込んでいるのに更に追い討ちをかけるように現れたのは何と幽霊。
肝心の親とは連絡もつかないのに不思議なメールだけ届いたり、成長期なのに考えることはご飯のことばかり、しかも持っていた宝物はどんどんなくなっていく。
でも宝物はなくなってもそれは他の何かに変わり、照代の心の中にも少しずつ違うものが芽生え始めていくのです。
正直照代の母親に対しては同情する気持ちにはなれないですし、父親なんて問題外の存在に。
繰り返される親子の問題を断ち切れる強さを持った照代は応援したくなりましたけど、彼女は前半まではスゴーク嫌な子なんですよね。
でも15歳で同じ目にあったとしたらここまで逞しくは私はなれないかも。
そして両親のことも許せないだろうなぁと思いました。

ラストは「ささらさや」と同様に少し悲しく寂しい中で人と人との心の触れ合いと、人生において大切なものは何かを説いている作品に。
加納さんらしく大事に大事に温めて書いた作品なのだろうなぁ~と、繰り返し読みたくなる一冊でした。

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紙の本

内容紹介

2005/05/11 15:40

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ビーケーワン - この投稿者のレビュー一覧を見る

「あの、春の日を境にして、私の世界はくっきりと色を変えた」
親の夜逃げのために、高校進学を諦めた主人公「照代」は、佐々良という田舎町に住む、魔女のような風貌の「久代」の元に身を寄せる。照代は久代の友人らしき人々とも知り合うが、自分の境遇に不満を持つあまり、なかなか彼らと馴染めない。素直になれない自分を持て余しながらも、照代はフシギな体験を通じて様々な人々と出会い、成長していく。ひとりの女の子の自立と成長を描いた長編ミステリファンタジー。好評既刊『ささら、さや』の姉妹編です。

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電子書籍

かたちがかわる

2018/11/15 00:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みつはる - この投稿者のレビュー一覧を見る

見る角度が違えば世界は違う。
ただ格言のように畏まらない、都合の良いことばかりでもない、でも夢のような世界でした。

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電子書籍

主人公に共感

2020/11/06 23:11

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すとこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

心が尖っているとき、心が弱っているとき、主人公に共感できる。世の中はそんなに甘くないし、ご都合主義というものもなかなか通用しない。それでも自力で、そして他人にも頼って、生きていくしかないのですね。
ところでいくつかの謎ははっきりしないままだけど、まあ重要でもないのでいいか…。
久代さんの「本は良い」のくだりはとても良い考え方ですねー。

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紙の本

ほんわり系のお話

2022/11/07 10:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

両親の夜逃げ というかなり衝撃的な場面から話はスタートするのだが、避難先で比較的周辺人物に恵まれて というややほんわか系のお話である。一人称独白という、読みやすくわかりやすい体裁で話は描き出されてゆくが、やや単調になるのはやむを得ないか。終盤にかけていろいろな秘密が明かされてゆくが、結果 まあ良かったね というところで落ち着く。

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紙の本

要するに主人公を身勝手な人間にしてしまうと、話全体に限界が生じてしまうっていう典型じゃないでしょうか。泣くより苛つくほうばっかり多いお話でした

2005/08/16 13:46

14人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

これまた、どうしようもない親子の登場です。2001年出版の『ささらさや』の続編とありましたから、単純にサヤが主人公かと思っていたら、違いました。今回は、東京で贅沢三昧に暮らしていた借金漬け親子の子のほうが主人公です。ちなみに、主人公の両親は高校になるはずだった娘を捨てて、さっさと夜逃げをしてしまいます。
ま、娘が行くべき先として「佐々良」の町と鈴木久代の名前を出したことは、話としては立派なのでしょうが、読んでいれば実の子ならずとも、死ね!といいたくなるような両親です。自分が他人の目に美しく見えること、美味しい食事をすることしか頭にない母親と、その美しき妻を賛美し、いつも自動車のことだけを考えている父親。で、二人に欠落しているのは娘に対する愛情です。
そういう両親の愛情を一身に受けなかった主人公・雨宮照代は、確かに半径五m近くには近寄りたくない、如何にも身勝手、自分のことしか考えれらない高慢な15歳です。親の夜逃げのせいで、念願の高校に受かったのに、進学することも出来なくなった少女の頭の中を渦巻くのは呪詛の言葉です。その呪いの対象は、身の回りにいるもの全てというのですから、恐ろしい。
読んでいて、ここまで身勝手な15歳の女の子というのも珍しいですね。サヤの優しさも、こういう少女も、あまりに極端な存在なのでリアリティを感じません。むしろ、超能力があっても、携帯が使えるのか最後まで分らないですけれど、幼児のユウスケのほうがまだ納得がいきますね。
そういう意味で、この『てるてるあした』は、身勝手な女性オンパレードです。まず年齢の若さでいけば、ダイヤ君に熱を上げているあゆか、がいます。その母親も自分のことしか考えていません。年齢的には次に主人公がきて、つぎがダイヤくんの母親エリカですが、彼女も同じく身勝手です。とどめが照代が転がり込む祖母と教わった鈴木久代です。
で、これに対するサヤの甘さ、いや甘いというよりは人の良さなんでしょうが、これがあんまりで正直いやになります。つまり両極端ですね。そのなかで肯けるのがダイヤくんと、主人公に数学を教えてもらうことになる不良?の山田偉子、スエヒロ電気の松ちゃん、そして言葉もしゃべることが出来ないユウ坊ですか。ま、私としては、あのいやらしい郵便配達がしゃしゃり出てこないだけでも、前作よりは嬉しいのですが、それにしても、周囲をここまで悪意でしか見ることの出来ない人間、というのが駄目ですね。
それならいっそ古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』に出てくるヤクザの娘で、最後にストレルカになるネーチャンのほうが遥かに人間らしい。加納は人間のもつ優しさを書きたかったのだとは思いますけれど、それがこの配役で達成されているのかといえば、私には疑問です。むしろ照代なんか無しで、この小説は成り立ったんではないか、なんて乱暴なことまで思ってしまいます。
それから、癒し、という言葉を嫌いな人は多いようで、実際、私も殆ど使いませんが、この本を売るのに「癒しと再生の物語」では、何だかテレビの番組紹介の安直さを思わせて、ダッセー!っていいたくなります。多分、こういう話を絶賛する人は多いと思うんですが、私には加納ならばもっと書ける、そう思います。
むしろ、この「佐々良」シリーズ自体に限界があるのではないでしょうか。やはり安易なシリーズ化は、佐野洋さんではありませんが、避けるのがベター、そういう気がします。分るんですよ、シリーズ化することの居心地のよさ。でも、このままじゃあ、加納朋子らしくない、才能のある人だけに辛目の評にしておきます。ま、人によってはイチャモンというかもしれませんね。でも甘いだけの話じゃあ、泣きません、私は。

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紙の本

立派に生活している彼女を、応援してやりたい。

2008/07/30 23:57

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ささらさや」の続編、「佐々良」という同じ街を舞台とした、1人の少女が経験した半年余りの物語。登場人物の街の住人たちは、前作と同じ面々。「ささらさや」の主人公のサヤも登場する。あれからどれだけ経ったのか分からないが、サヤの子のユウ坊がまだ赤ん坊のままだから、それほど月日は流れていないようだ。

 今回の主人公、照代は15歳、志望校に合格し、晴れて入学式を迎えるはずだった4月に、夜逃げするハメに陥って、遠い親戚である久代を訪ねて一人佐々良に来た。15歳の少女には少し過酷な境遇だ。子どもと言うには成長しすぎているが、一人生きていくのは難しい、まだ大人の保護が必要な年ごろ。
 この街では不思議なことが起きる。前作でサヤの死別した夫が、サヤを助けるために度々現れたような不思議なことが。今回も、照代の周辺には不思議がいっぱいだ。少女の幽霊が現れたり、発信元不明のメールが届いたり。しかし、幽霊が出てくるからと言って怪談ではない。少しホッとする物語がやわらかい文章で展開する。

 この物語は、照代の心の再生物語だ。照代は羽振りの好い家庭で育った。だが夜逃げをしなければならなくなったのは、まっとうな金銭感覚がない浪費家の両親のせいだ。多重債務によって実現した羽振りの良さだったのだ。
 カネやモノは欲しがるだけ与えていたが、愛情は十分に注がなかったようだ。少なくとも、照代自身はそう感じていた。そのためか、やさしくまっすぐなサヤから受ける言葉や親切さえ、嫌悪してしまうほど心がササクレていた。
 しかし、久代やサヤ、そしてクセのある佐々良の街の人々から、たくさんの親切を受けることで、照代の心も穏やかさを取り戻していく。

 このように書いてしまうと、ひどく一本調子でありがちな話のように思える。しかし、この著者は日常に潜むミステリーを書く人だ。ちょっとした伏線が張られていたり、意外な幽霊の正体など、良い意味で読者を裏切る仕掛けがあって楽しめる。

 最後に、私は照代のことを一度も「いやな女の子」だと感じなかった。著者までがそう言っているのに、そうじゃない、というのも傲慢だとは思う。
 確かに、何でも自分以外のもののせいにしてしまうところはある。しかし、照代の境遇のどの程度が、15歳の少女である本人の責任だと言えるだろうか?久代の言うことを聞いて立派に生活している彼女を、私は応援してやりたい。

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紙の本

著者コメント

2005/05/27 11:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:加納朋子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かつて、中学生だったり高校だったりした頃の自分が、「なかったこと」にしたいくらい嫌いです。常に自意識とコンプレックスとがせめぎ合っていて、だからいつも苦しくて、傲慢で無知で他者に優しくなくて。
この物語のヒロインも、まあそんなような、一言で言ってしまえば「いやな女の子」です。かわいげがなくて賢いのを鼻にかけてて、胸の裡で人を見下したり、軽蔑したりばかりしています——まるでハリネズミが世界に向けて鋭い棘を突き立てて、かろうじて身を守っている(あるいはそのつもりになっている)ように。
こんな彼女ではありますが、もし読んで下さった方が一度でも「ガンバレ」と声援を送ってくれたとしたら……作者として、それに勝る喜びはありません。

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2008/02/22 23:56

投稿元:ブクログ

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2008/02/26 01:48

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2008/03/07 21:26

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