紙の本
インディゴの夜 (創元推理文庫 インディゴの夜)
著者 加藤 実秋 (著)
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」フリーライター・高原晶の一言から生まれた、渋谷のホストクラブ〈club ...
インディゴの夜 (創元推理文庫 インディゴの夜)
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商品説明
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」フリーライター・高原晶の一言から生まれた、渋谷のホストクラブ〈club indigo〉。店の評判は上々だが、なぜか次次と事件に巻き込まれる晶たち。それらを解決するために、個性的なホスト探偵団が夜の街を活き活きと駆け巡る!第10回創元推理短編賞受賞作を含む連作短編集。【「BOOK」データベースの商品解説】
【創元推理短編賞(第10回)】【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
インディゴの夜 | 9−79 | |
---|---|---|
原色の娘 | 81−138 | |
センター街NPボーイズ | 139−212 |
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書店員レビュー
渋谷のホストクラブ<...
ジュンク堂書店京都BAL店さん
渋谷のホストクラブ<club indigo>は普通のホストクラブとはわけがちがう!
隠れオーナーのフリーライター高原晶が放った「クラブみたいなハコでDJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」という一言から始まった。店の評判も上々だが、なぜか次々と事件に巻き込まれる晶たち。しかし、この<club indigo>のホストたちは、自分たちで事件を解決へと導いていくホスト探偵団。その事件解決の際に対立する所轄の刑事「豆芝」こと柴田克一とのやり取りもまた面白い。
文庫新書担当
紙の本
大人でも少年でもないクールな男たちの、熱い物語
2008/11/22 20:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
渋谷のホストクラブ「クラブ インディゴ」に舞い込んでくる事件の数々。ホストたちは、独特の機動力で事件を解決していく。
連作短編集。
*インディゴの夜
*原色の娘
*センター街NPボーイズ
*夜を駆る者
結論から言うと、もう、めちゃくちゃ面白かった。
なので、この文庫のカバーイラストは、ちょっと損してると思う。このイラストで「ホスト探偵団 渋谷の夜を駆ける」って帯がついてると、なんかかまえてしまうのも致し方ないし、門戸を狭めてるのも確かだと思う。
ともあれ、ちょっと高そうに見える敷居をまたげば、とてもクールな少年と大人の間の男が闊歩する、熱く健全な世界があるのだ。
そう、ホストたちに、ニューハーフなどが暗躍する世界なのに、なんともいえない健全さがある。それは、江戸川乱歩の少年探偵団や、「名探偵コナン」の子供達と同じベクトルを感じさせる。
ようするに、未熟なのだ。
ホストという仕事をして、一応大人といわれる年齢であっても、根本的な未熟さがある。そして、たいていの物語は、それを否定しようとする。が、この物語の度量の広さは、その未熟さをそのままに描いているところなんだと思う。
もっとも、まるで暗号のよう感じられるブランド名や、ファッションを羅列することで、糖衣をまとわせてはいるけれど。
物語は、店のオーナーであるフリーライターの女性の視点で描かれている。これもまた、糖衣なのだろう。
糖衣の奥に、苦い硬い芯がある。
これを感じさせられること、それがこの作者の力強いところなのだと感じた。
紙の本
題名は「Clubインディゴ」とかでよかったのでは?
2009/03/04 13:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:A-1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『Club インディゴ』
…字面を見てみると、これもイケテナイか…(^^;
とにかく表紙がちょっと失敗していると思う。
というか、インターネットのサイト画面などで見ると、一番手前が主人公晶なのか?とも思えるが、その人物の被っているパーカーがボブカットにしか見えず、内容に魅力をかき立てられない。(実際はショートの少年)
この出版社さんにはよくあることだけれど、表紙とタイトルのセンスにはよく残念に思う。
しかし、実物をよく見ればお洒落にコーディネイトしてある方ではあるかな?
でも、惜しいかなインパクトが薄い。
(よく贔屓にしている出版社なので、実体を知っているならば全体的に内容で勝負しているからなのだろうと擁護も出来るけれど…)
『インディゴ』と聞くと、イメージするのは濃い海の色や夜の色でいて、暗いイメージがある。
私の地元阿波では藍の色をそれに当てはめて言うが、その染め上がりの色は「青は藍より出でて藍より青し」と表現するほどやわらかく明るい青色である。
この作品は、むしろインディゴで連想する夜の色より染め上がりのこの明るい色に見える。
ホストクラブである「Clubインディゴ」の営業の描写があまり濃厚でなく、むしろそこで働く若者たちの探偵活動の方が物語の主であるからかもしれないが、単に書き込みの甘さからくるものではないか?とも思える。
センスの悪くないキャラ付けは沢山あるのだが、なんだか薄っぺらい感じが否めない。
登場キャラが沢山居すぎるせいだろうか?
まるで劇原作のように、一人一人のキャラクターの肉付きが少なく、奥行きが感じられない。
あるべき描写が与えてもらえなくて歯がゆいというか…。
描写が足りないなら、行間を読む作業をすればいいのでは?とも言えるが、そういう問題でもないように思える。
裏付けを設定してあるのだろうが、とにかく裏付けの書き込みが浅いのだ。
まず主人公が浅い。(ひょっとしたら主人公という位置づけでは若干ないのかもしれないが…)
晶とが男っぽい名前だと言われても、字面でそうとは読めないのは失敗してないのだろうか?とも思う。
職業がフリーライターで、変なノウハウ本のゴーストを主な生業としているようだが、それにしても仕事量が少なそうで心配する。(余計なお世話ではあるw)
「インディゴ」での売り上げがあるのかもしれないが、その生業自体の描写も全く現実味が無く、曲がってもホストクラブのオーナーらしい生々しさや気骨が微塵も感じ無い。
友人知人は物語の中だけで展開し、過去は絵空事のようで類推は挟めず、愚痴を言ってみても早々に言外に諦めているような感じにもしがらみやこだわりが見えない。
バックグラウンドの広がりが無いのだ。まるで箱庭のように世界が閉じているように感じる。(読み手がまずいのか?w)
まあ、それはそれで、そこが読みやすいのだとも言える。
生々しい内容があっても、字面には引くが、スケベたらしく書き込むこともなく、それが事実としてさらっと読めるのは、若手女性作家ならではの良い持ち味になっているとも言える。
「根拠の見えない仲良し素人探偵集団」という漫画チックな設定であるが、軽妙な語り口は読みやすく、もしNHKか民報深夜番組あたりで脚本化されれば良質なドラマになるのではないかと思う。
探偵風読み物である体裁であるくせに法的な齟齬のあることにつっこみ、人物描写の甘さにツッコミ、しかし、まあ面白くなくはなかった。
推薦「解説」にもあるように、謎の敏腕マネージャー『憂夜』の過去も気になるし(この先明かされるかどうか不明だが…)、アフロヘアで客の顔と名前が覚えられない『ジョン太』猿顔だが元はならしたナンパ師らしい『犬マン』2mの長身のキックボクサー正義感の好男子『アレックス』等、インディゴのホスト達もそこそこ魅力的だ。
次作もそのうち読んでしまうに違いない。