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書店員レビュー
お腹のすいたキツネが...
ジュンク堂書店大分店さん
お腹のすいたキツネがやせたヒヨコを太らせて食べようとします。
ヒヨコは食べられるとも知らず、キツネのことを親切なお兄ちゃんと他のやせたアヒルとウサギにも教えていきます。
親切だなんて言われた事のないキツネはぼうっとしてうれしくなってしまいました。
4匹で仲良く暮らしていると、狼がヒヨコ達を食べにきますが勇敢にキツネが立ち向かいます。
最後に「とっぴんぱらりのぷう」という言葉で終わります。この言葉が悲しみを少し抑えてくれるような気がします。
何度読んでも泣けますし、私がキツネの出てくる絵本を集めるきっかけにもなりました。
児童書担当
紙の本
世の中には、この絵本一冊で結婚を決めた女もいる!
2001/03/07 17:21
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書に出てくる『車のいろは空のいろ』のお話で知られる童話作家・あまんきみこさんの傑作絵本です。昔ばなしの語りのようにリズミカルに展開していくテキストが、とても読み聞かせしやすく、優れています。
二俣英五郎さんの絵はダイナミックな筆致でありながら、細やかなところにも気配りやいたずら心が働いていて楽しめます。
お話は次のようなものです。
むかしむかし、はらぺこのきつねがいて、向こうからやってきたやせたひよこをがぶりと食べようとするのだが、考えて、太らせてから食べることにする。
ひよこが良いすみかを探しているというので、きつねは自分の家へ案内する。道すがら「きつねおにいちゃんて、やさしいねえ」と言われ、生まれて初めてそんなことを言われたものだから少しぼうっとなってしまう。
家でごはんを食べさせると、また「やさしい」なんて言われてしまう。まるまる太ったひよこが散歩に行くというので、逃げられないように後を追っていくと、やせたあひるがやってくる。
すみかを探しているというあひるに、ひよこは一緒にきつねおにいちゃんのところへ行こうと誘う。きつねに食べられないか心配するあひるに、「きつねおにいちゃんは、とってもしんせつなの」と説明する。陰でそれを聞いていたきつねは「しんせつ」という言葉にうっとり。ひよことあひるに、しんせつに食事をご馳走する。ひよことあひるが散歩に出かけるので、またついていくと、今度はやせたうさぎがやってくる。
やはり、すみかを探しているといううさぎに、ひよことあひるは神さまみたいなおにいちゃんの家へいくことを薦める。きつねは、3匹にご馳走する。
ある日、山からおおかみが下りてきた。みんなを食べようとするおおかみを相手に、勇気がりんりんとわいてきたきつねは、勇ましく闘いを挑む。
「そのばん。きつねは、はずかしそうに わらって しんだ」
クライマックスまで、書いてしまってごめんなさい。でも、このシーンで、満足そうに横たわる傷だらけのきつねの絵が秀逸なのです。結末を書かずして、この絵本の凄みは伝えにくいなと思いました。
それに、絵本というものは「語りの世界」と「絵の世界」が溶け合って、溶け合わなければ見えない独特な世界をつくりだすものでしょうから、いくら言葉を尽くして、この絵本の素晴らしさを語ろうとしても、語り尽くせはしないのです。だいじょうぶ!
あらすじは知っていても、絵本を手にとってしか味わえない体験が必ずあると思って、筋を全部書いたことをお許しください。
この絵本が素晴らしいものだということを、昔私は、ある男性から聞かされました。その人は、この筋を私に語りながら、あろうことか涙を流して泣き始めたのです。
「大の男が絵本ごときで涙か?」と、正直ちょっとあきれてしまいましたが、その後しばらく、私たちは子どもの本の仕事を一緒にしました。
ここまで感動的な本をプロデュースできたかどうかは、人の評価によるかと思いますが、両者の心に深い感動を残したこの本が、何がしかの心の絆にはなったようです。
大切なもののために自らの身を投げ出すきつね。その気持ちがわかる男性と暮らすのは損ではないなと思い、私は絵本で泣いたその人と結婚して、今に至っています。
紙の本
とっぴんぱらりのぷう
2002/07/31 16:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レゴ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「とっぴんぱらりのぷう」という明るい言葉で終わるこのお話を読んで私は何度涙を流したことだろう。
「むかしむかしあったとさ」ではじまる、よくある昔ばなし。主人公は、せかいいちやさしい、しんせつな、かみさまみたいな、そしてゆうかんなきつねおにいちゃん。
やせている動物をつれて帰り、ふとらせてから食べる計画だったきつねが、信じきって自分になついてくれたうさぎとひよことあひるを助けるために命をおとしてしまうというお話。
そう、彼らにとって、そして私にとっても、きつねは、「せかいいちやさしい、しんせつな、かみさまみたいな、ゆうかんなきつねおにいちゃん」なのです。
「ほんとうの愛とは、みかえりをのぞまないこと。」どこかで誰がそう言ったのをきいたことがあります。
きつねおにいちゃんの彼らに対する愛は本物でした。たとえ、はじまりが残酷だったとしても。
はらぺこだったきつねおにいちゃんはとても満足そうに死んでいきます。たくさんもらった愛を胸に抱えて。
とっぴんぱらりのぷうとお話が終わった時、読んだ人の心にきつねおにいちゃんの
愛が届きます。
紙の本
きつね、いい奴だなぁ
2013/01/19 14:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと昔、おはよう朝日で桂ざこばさんが読んだのを見て、
おもわず泣いてしまった覚えがあります。
それ以来、大好きな本です。
最初は食べるつもりでつれ帰ったはずなのに、
きつねが本来持っていたやさしさで、ついつい育ててしまい・・・。
神様みたいなおにいちゃんの奮闘に、最後涙してしまうのは
私だけではないはずです。
紙の本
泣きました。
2007/01/08 00:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MOON - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだとき、思わず感動の涙が出ました。何度読んでも最後じわっと目頭が熱くなるります。絵本はハッピーエンドが多いですが、これはそうではないです。絵も綺麗で一ページずつ額縁に入っているように描かれています。
紙の本
ちょっとネタバレ
2016/11/15 21:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとネタバレ。
きつねの最後が悲しいけれど、いい絵本。
感じるものがある絵本でよかった。
大人でもいいと思う。
紙の本
ぼろぼろと
2016/12/27 19:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼろぼろと涙が止まらなくなってしまう絵本です。
ひよこたちから向けられる信頼や愛で変わっていくきつねの姿が素敵です。