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まさかの顚末 ショート・ショート・ストーリー (扶桑社ミステリー)
大好評『まさかの結末』につづき、ベストセラー作家が贈るショートショート集!夜の墓地で、産科医が出会ったあやしい人影。恐怖の顛末を描く〈幽霊?まさか〉。動物ばかりを専門に始...
まさかの顚末 ショート・ショート・ストーリー (扶桑社ミステリー)
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商品説明
大好評『まさかの結末』につづき、ベストセラー作家が贈るショートショート集!夜の墓地で、産科医が出会ったあやしい人影。恐怖の顛末を描く〈幽霊?まさか〉。動物ばかりを専門に始末する殺し屋がおちいった、おそるべき罠〈殺し引き受けます〉など、バラエティに富んだ全20編。ぞっとするホラーから謎めいたミステリー、皮肉に満ちたユーモアからSF的なアイディア・ストーリーまで、思わぬ展開と意外な結末に「まさか、そんな」の驚き満載。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
幽霊?まさか | 11−20 | |
---|---|---|
汝自身を愛するように隣人を愛せ | 21−28 | |
さ、はずして! | 29−43 |
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ショートミステリ集。ちょっとした時間にちょこちょこ読むのにオススメ。
2010/07/05 01:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「まさかの結末」に続くショート・ミステリー(ホラー)集。
前作より、少し長めの作品が多いかな。収録数は20編。
以前よりブラック度は低め。
でも、皮肉が効いた物語ばかりである。
読み応えはあったな。
気持ちのいい結末(ハッピーエンドを指す訳ではなく、小気味がいい皮肉が効いているという意味)の作品が多かった。
一番のお気に入りは「四本足の拾得物」。
迷い犬ですと交番に大きな犬を連れてきた老人がいた。
「任せましたよ」と、犬を警官に託して去っていく。
警官は戸惑いながらも一生懸命、犬の面倒を見るわけだけれど・・・。
意外な結末!
「人間」という動物について語られる話が多いように思ったのは気のせいだろうか。
「人間」の欲や、思いこみを扱う作品が多い気がした。けれど、「皮肉」というのは、そういうものに対して生まれてくるものなのかもしれない。
こちらは前作より頭を使って読まなければならないので、寝る前のお供ではなく、電車に揺られている間のお供にいかがだろうか?
紙の本
ホラー、SF、ミステリー、ユーモアなど多彩でアイロニカルなショートショート20編。
2011/03/08 19:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ショートショートと言えば星新一を思い浮かべるが、本書は星新一の作品と対極的に感じられる。
というのも現実的体験を喚起させる情景状況描写が多く、加えていくつかの作品で扱われている宗教、エロティシズム、テロといったテーマが、想像を無限に膨らませていく星新一の空想的作品とは真逆の印象を受けるからだ。タイムトラベルや未来を描いた作品でさえも現実的感覚を伴う。そして現実的である分、作品に込められている毒や皮肉は、星新一のそれとは比較にならないくらい強い。
本書は意外な結末でも読者を楽しませてくれる。
読者の先入観を前振りでじっくり現実的に固めておいて、結末で覆すといったスタイル。その現実的体験を喚起させる前振りの部分が、凝縮された物語として楽しめるために、本書にひしめく二十のショートショートは二度美味しい。
その一方で、結末のキレが今一つだと感懐を持つ自分がいる。星新一と対極の作品だと言いながら、星新一の作品を夢中で読み続けてきたため比較してしまったようだ。とはいえ納得のいく締め括りであるので、お間違いなく。
ついでに本書の読みにくかった部分を挙げれば、登場人物の情報が後出しである場合があること。若いのか年老いているのか、男なのか女なのか、これらが最初の登場で欠落していることがあり、読み進めていくに従い提供された情報によって、想像した人物像を修正しなければいけないことがあった。
話題を本書の特徴に戻すと、絶妙に組み込まれた蘊蓄も特徴の一つである。
たとえば、【幽霊?まさか】では、帝王切開の語源説の一つを医師に信条の証明として叫ばせ、【勝敗は女性の手に】では、中近東の女性の顔を覆うベールの謎を学生の思索に潜り込ませ、【なりたいのは神】では、アカシアの恐るべき防御反応を、主人公の無意識の覚醒の証明に利用している。
これらの蘊蓄はちっとも鼻に突かない。むしろ、味わう者を飽きさせない食欲のそそるスパイスのように機能して、またたく間に食べ終わらせてしまうほど。全体的に知的な雰囲気が漂っているのはそのためだろう。
星新一と比較しながらも、印象に残った作品をいくつか紹介。
【四本足の拾得物】
犬を拾得物として届けた、意外でユーモラスでひょうひょうとした印象の結末が最高。
【タイムトラベル】
時間の経過は細胞の成長である。すなわち成長の逆行は、過去へのタイムトラベルなのだ、という論理の結末は、推して知るべし。
その濃厚な理論構成は、物語の展開に精力を注いだ星新一の作品にはない味わいがある。
【殺し引き受けます】
『動物』の殺し屋の顛末をユーモラスに描いた作品。読者の予想を裏切る意外な結末が。
【生涯にわたって】
遠い未来の物語。現代の散見される前衛的思想への皮肉が込められている。
【その他収録作品】
幽霊?まさか、汝自身を愛するように隣人を愛せ、『さ、はずして!』、勝敗は女性の手に、愛人はヴァンパイア、正義とは、頭との会話、死が二人を分かつまで、罪ある懐胎、四本足の拾得物、千里眼、飛行機のお断り、愛情いっぱいの手紙、店内の死体、懺悔、タイムトラベル、殺し引き受けます、なりたいのは神、安らかに眠れ、生涯にわたって。
紙の本
ショートショート好きなら買わなきゃいけないの?
2008/08/17 22:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツ生まれのE・W・ハイネのショートショート集。(ドイツで)ベストセラーとなった『まさかの結末』の続編。
『まさかの結末』を読んだ時も感じたのだけど、文章、変じゃない?
そもそも著者の書き方がこういうものなのか、それとも、訳者の訳し方が変なのか。うーーん…分からん。続編を読んでもその理由がさっぱり分からない状態である。ひたすら飛ばして書いているような。普通ならあと一言補足が入る所で入ってない。それが持ち味なのかどうかは知らないが、私からしたら味気ない。星新一も極力無駄を省いた書き方をしているけど…やっぱり星さんの場合、日本人の共通認識で補うことで、読み解ける部分があるのだろうか?それとも海外の人にはウケるのだろうか?感性の違い?
「著者から」にこういう事が書かれている。
どうしてこうも短い話ばかりなのか?という疑問に、著者のハイネは、「自分だったら読み飛ばしそうな所を消すように努めている」と答えている。
ショートショートという形態は、その名の通り、小説の短さが一つの重要な要素になっている。いかに字数を減らし、それでいていかに内容を凝らすか。
そういう特殊な制限を自ら課す形態であるショートショートにとって、確かに不必要な所は省いていかねばならない。著者は、一文一語を非常に吟味して選ぶ。
ハイネがいかなる基準で物語を書いているかは知らないが(それこそ、ハイネだったら読み飛ばしそうな所を書かないようにしているのだろう。私が分かるわけがない。というか、テレビをひきあいにして例えるのは、露骨すぎてやだ)、私には理解できない結末、簡単すぎる結末が多いような気がした。ダールやトゥエインと並び称されているそうですが、自分の理解が浅いのか、その称される理由が分かりません。
不平不満ばかり書いて終わらすのはさすがに失礼なので、少ないですが、良かったと思える作品を挙げておきます。
『愛情いっぱいの手紙』 … こういう風に最後を落とすとは想像つかなかった。宛名にしても、宛先にしてもそれぞれ面白みがある。
『安らかに眠れ』 … 最後の文章が良い。実にパンチが効いた教訓。