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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2008.4
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/457p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-113412-3

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紙の本

虚空遍歴 改版 下 (新潮文庫)

著者 山本 周五郎 (著)

虚空遍歴 改版 下 (新潮文庫)

税込 781 7pt

虚空遍歴(下)

税込 693 6pt

虚空遍歴(下)

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紙の本

血みどろの苦悶。

2002/07/31 22:04

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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 物語は冲也と、彼の音楽で何かが変わったという女、おけいの視点で進んでゆく。おけいは色事で包まれた半生を送ってきた女だが、冲也とその関係になることは無かった。二人は前世で一人の人間だったのだろうと確信する。兄妹のような関係だが、それは夫婦よりも強い関係ではないのか。実際、おけいは冲也の妻お京よりも、冲也に対して親身だった。だが、お京も悪い女ではない。冲也の姿はとにかく痛々しい。その痛々しさゆえに、冲也に奇妙に惹かれてしまうという感覚は、私という読者だけではあるまい。特に女性は。
 多くの人々に愛され、その人の心にまで影響を与えるような優れた端唄を作りながらも、冲也はそれを否定した。だが、端唄が悪くて浄瑠璃が正しいということがあろうか。人々に愛される端唄を自分から全否定したところに、冲也の過ちがあったのだ。勿論、浄瑠璃を目指すことが悪いことではないが、端唄を否定することは無かった。冲也には浄瑠璃の才能があったのかどうかも分からない。結局、彼は血みどろの苦痛にのたうちながらも、何も為すことは出来なかった。
 山本周五郎はこの作品で「人間の真価は何を為したかではなく、何を為そうとしたかだ」という考えを証明したという。その考えには、「マラソンで幾らトップを保持していても、ゴールの1メートル前で倒れてしまえば何にもならない」という反論が上がるだろう。だが、何を為そうとしたかという姿勢が評価されれば、決してその姿勢は無駄ではないと思う。
 

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2012/10/01 19:16

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2010/05/27 01:01

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