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商品説明
ルノワール「都会のダンス」「田舎のダンス」、ラファエロ「ガラテアの勝利」など、世界に名立たる31点の名画にこめられたドラマを、時代背景やギリシャ、ローマ神話を交え、男と女の愛の視点から読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
有地 京子
- 略歴
- 〈有地京子〉長崎県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、フランスに語学留学。パリにて西洋美術史の研究を始める。「ありちギャラリー」開設。リビングカルチャー倶楽部、三越カルチャーサロン等で名画講座の講師を務める。
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紙の本
大切にしたい一冊です。
2008/09/29 11:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たんぽぽ♪ - この投稿者のレビュー一覧を見る
名画の解説書と言うと何となく敷居が高く、読み始めても途中で挫折してしまう事が多かったのですが、この本は、まずタイトルに魅かれました。 「名画の秘めごと 男と女の愛の美術史」・・・何となくあやしくて、一体どんな秘めごとが書かれているのだろう?と思いました。
ページをめくると綺麗な絵画が並び、第一章から第六章まで、さらにその中が3つ~5つの名画に分かれています。 一つ一つの解説が長すぎず短すぎず、丁度良い長さで完結しているので、後からでも好きなところを二度三度と読み返す事が出来そうです。 美術館に行って名画を前にした時、今までは「ただ綺麗♪」と思うだけでしたが、画家が人間である以上そこにはドラマがあり、名画に託した思い、隠された真実がある事を知りました、そして絵画は単独で存在するのではなく、社会背景と共にある事も、この本は教えてくれました。 参考文献も数多く、巻末の簡単な「美術史の流れ」も知識を整理できて良かったです。大切にしたい一冊です。
紙の本
西洋文化の長い歴史の上に立つ美術鑑賞法について再認識させられた
2011/02/19 21:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
25の西洋絵画作品を取り上げ、それぞれの絵画の主題、もしくは筆をとった画家自身の人生に、どのような男と女の愛の歴史があったかをひもといた書です。絵画鑑賞にあたって、その絵が生まれるに至った道のりについても理解が進む一冊でしょう。
例えば、レンブラントが描いた『バテシバの沐浴』。
作品に描かれるバテシバは旧約聖書の登場人物。ダビデ王の部下ウリヤの妻で王が横恋慕した女性です。ウリヤは王によって戦場の前線に投じられてしまいます。バテシバは夫が王の恣意によって死に追いやられることを運命として受忍しなければなりません。
一方、画家がこの絵画を描くためにポーズをとったモデルのヘンドリッキェは、レンブラントの愛人でした。彼女は結婚していない不義の関係を教会に咎められ、2度も宗教裁判にかけられました。レンブラントとの内縁関係も、ヘンドリッキェの意志では解消できない問題でした。
このように『バテシバの沐浴』には、男との関係に思い悩む弱い女性が描きこまれているというのです。著者自身は「レンブラントは、ヘンドリッキェに対する深い愛情をこのバテシバに託して描いた」と綴ります。かなり男にとっては都合のよい愛情でしょうが。
ミレーの有名な作品『落ち穂拾い』に投影されている男女の愛もまた、興味深く読みました。
モチーフは旧約聖書にある姑ナオミと次男の嫁ルツの女性同士の連帯なのだとか。嫁が落ち穂拾いをして姑を養ったという物語ですが、ミレーには貧困家庭の出身である女性カトリーヌとの結婚を許してくれない母がいました。つまり『落ち穂拾い』はカトリーヌに捧げる作品でもあったというのです。
絵画を観るだけではなく読み解く上での視点を提供してくれる一冊であると同時に、聖書などの西洋文献にあたる必要性について再認識させられた書でもあります。