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商品説明
政権交代とはどういうことなのか? なぜ自民党ではダメなのか? 日本に起きている地殻変動とは? 民主党元代表・岡田克也が、日本を根底から変える「政権交代」の決意を綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岡田 克也
- 略歴
- 〈岡田克也〉1953年三重県生まれ。東大法学部卒業後、旧通産省に入省。90年、衆議院議員初当選。自民党離党後、細川・羽田連立政権に参画。民主党政調会長、幹事長、党代表を歴任。党副代表を務める。
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紙の本
岡田克也副総理が書いた自民党政治批判の本
2012/02/13 18:04
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは『政権交代』、政権交代前に著されたもので、内容は、おいたち、自民党から立候補し、やがて自民党を離党して小沢一郎氏が率いる新進党に合流し、細川連立政権による「政権交代」。小沢・武村の不和、更には小沢・羽田の反目による新進党解党など、内容はもっぱら政局が中心。随所に岡田氏による自民党政治批判、中選挙区制批判なども散見される。
【自民党政治批判】
一党支配によって生じる弊害は明白だ。まず、しがらみ。政治家と官僚、そして政治家と既得権益者との関係が、互いのもたれ合いでがんじがらめになっている。そして無競争状態。政策をめぐる競争が無ければ、与党の政治家は国民のほうを見ない。その典型的な例が二世・三世議員のこれほどの多さと言っていいだろう。政治家が家業になってしまっているのだ。もちろん、すべての二世・三世が悪いとは言わない。立派な人物もいる。しかし、ひとたび家業を引き継ぐことが自己目的化すれば、国民のための政策を立案することなど二の次になってしまうのではないだろうか。
【中選挙区制批判】
中選挙区制では、一つの選挙区で四、五人が当選する。つまり一人か二人の野党議員を除き、数名の自民党議員が当選することになるわけだ。すると選挙区で戦うのは、おのずと自民党議員同士となる。それが必然的に、各候補者の後ろ盾となる派閥を必要とし、派閥間の争いを引き起こす。
派閥の運営には莫大な金が必要とされた。中選挙区制度のもとでは政党間の政策論争に重きが置かれず、同じ自民党候補者の間で選挙区民のサービス合戦になるためである。それゆえ大きな派閥であればあるほど、莫大な選挙資金が必要とされた。
自民党総裁、すなわち日本国総理大臣になるためには派閥の長にならなければならず、派閥の長になるためには、自分を支持する議員を増やさなければならない。そのためにも莫大な金がいった。こうした状況をたとえて自民党内でよく言われたのが「総理を目指すのは刑務所の塀の上を歩くがごとし。外に落ちれば総理大臣、足を滑らせて内に落ちれば刑務所入り」。
【族議員批判】
自民党の族議員の問題は、利権や選挙での票に結びついていたから。
なぜ族議員は力を持ちうるのか。それは、たとえ法律の詳細は知らずとも、族議員として業界や利益関係団体に便宜をはかることが出来たから。特に許認可事業が多くある分野であれば、それは大きな力となる。
族議員となって、政治資金と票を獲得する政治家の裏側には、それをしないと生き残っていけない、中選挙区制と派閥政治というものが存在していた。族議員と派閥政治は相互補完関係にあった。派閥の力をより強固なものにするためには、同じ派閥から大臣を多く出す必要がある。まんべんなく議員に大臣のポストを回していくために、トコロテン方式に次々と大臣を生みだしていかなければならない。任期は1、2年。能力はさして問われない。法案をはじめ、重要な政策の決定にあたっては、官僚が十二分にお膳立てするし、大臣の国会での答弁は官僚が作るペーパーを読めばいい。よほど問題がなければ、大臣になることができる。国民から見れば、適任でない人物がポストに就く恐れのある危うい仕組みだが、自民党側からみれば、ある意味で非常に完成されたシステムだった。