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少しでも暑い日があると,「今年の夏は猛暑だ!(温暖化だ)」というような報道がなされる。でも涼しい日には「今年は冷夏だ!」なんて報道はあまり聞かない。気温は揺らぐわけで平年より暑い日なんていつでもあるのに報道は適当なもんです。この本には報道のひどさも述べられていますが,著者の言いたいことは序章に全てまとまっています。そこを読んで理解できれば他は読む必要ないでしょう。本文中でも述べているように著者が言いたいことは単純である。「温暖化は起きているが,それは遅くとも1800年頃から始まっている。だから現在の温暖化を戦後に急増した二酸化炭素(炭酸ガス)で全て説明するのは明らかに間違っている,地球の天候の自然変動の部分が大きい」ということです。それを科学的データに基づいて明らかにしています。シロクマだとか氷河の崩壊だとか温暖化と関係ない報道も指摘されています。IPCCは温暖化問題を政治に絡めて金を得ようとした学者たちの集団である(指導的立場にある学者がこのようにお金を取ってくるのを著者は否定しているわけではない)。もともと原発を推進したい英国のグループが温暖化問題を取り上げたようだとも述べられている(本書は福島原発事故の前です)。しかし,著者自身が述べているが,IPCCが宣言したとおり温暖化問題は「既に政治」ゲームとなっている。温暖化対策=二酸化炭素削減=排出量取引という図式になっている。著者は最終章であるべき状態に関して提案しているが,こうなってしまうと真っ当な科学的議論をしてもなかなか止められないだろうな,と感じた。温暖化政治ゲームが他に害をなさないよう,とくに日本が馬鹿正直に破滅へと向かっていかないように持っていくしかないのではないだろうか。
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冷静に科学的考察を行うと今のCO2による地球温暖化論議が如何にあやしいものか目から鱗がボロボロと落ちる本。この本に書いてあることを知ると今の日本のエコブームは偽善どころか詐欺みたいなもんだと思えてくる。
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過去100年間地球全体として温暖化は起きている
赤外線を反射する分子の中で最も効果が大きいのは水蒸気であり、温暖化の95%はこの水蒸気による。
大気中の炭酸ガス量が急激に上昇し始めたのは1946年ごろ。しかし、この直線的な変化は1800年以前から同じ勾配で始まっていた。
木の年輪やグリーンランドの氷床、北大西洋の海底の堆積物の酸素同位体から推定すると、1000年ごろは比較的に暖かくその後1800年ごろまで気温は低くなる。さらに、紀元前500年と紀元前約1000年は現在より暖かかった。
現在の温暖化がかつてないほど異常であるとはいえない。
ヨーロッパ・アルプスの氷河、スカンジナビアの氷河、グリーンランドの氷河、アラスカの氷河、ヒマラヤの氷河は1800年ごろより徐々に後退している。
現在最も正確な海面の変化は1800年ごろからの連続観測で、海面上昇は1850年ごろから始まっていることがわかっている。
地球は1400年ごろから小氷河期という寒冷期に入り、1800年以前から回復し始めた。したがって気温は1800年またはそれ以前より、100年で0.5度の上昇率で現在まで直線的に上昇している。
アル・ゴアはノーベル平和賞。ノーベル科学賞ではない。
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温暖化は気候変動が主な原因であり,CO2に起因するものは1/6程度しかない.
スパコンによる演算はシミュレーションの前提が正確ではないため,結果も正確ではない.
氷河の崩壊,永久凍土の融解,シロクマの減少とCO2には因果関係はない.
温暖化問題よりもエネルギー問題,食糧問題,環境問題,人口問題に対し積極的に取組むべき.
温暖化問題がここまで大きくなってしまったのは政治・マスコミに大きな原因がある.
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2007年、IPCCが発表した「1900年代の中頃から観測された気温上昇の大部分は人類活動による温室効果ガスによる可能性が極めて高い」という「要約」に対する反論の書。・・・といっても、IPCCの仮定が学問的に不十分であること、にもかかわらず、それが政治目的にセンセーショナルに使われていることへの警句であり、温暖化問題を軽んぜよ、といっているのではない。要は"センセーショナルで政治的意図の濃い「地球温暖化危機⇒炭酸ガス放出削減」報道に踊らず、普通に"エネルギーの無駄を省き、石油資源をできるだけ子孫に残しましょう。飢饉や環境破壊、水やエネルギー不足に対応することのほうがずっと重要です"というメッセージです。
溢れる情報の中から何を正しいとみるか、個人の判断力の問われる時代。その典型例かもしれません。「事実」と「報道」さらに、そこに「政治的意図」が加わっているテーマの時には十分な注意が必要ですね~。という視点で、この本は、仕事の中に「政治的」なものが含まれるマネジメントの人が読むとさらに面白く読めると思われます。
※IPCCは元米国副大統領のアル・ゴアと共に、「人為的気候変動(地球温暖化)についての問題点を広く知らしめ、気候変動防止に必要な措置への基盤を築くために努力したことに対して」ノーベル平和賞を受賞している。
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IPCCは国際機構変動パネルと自称しているが、実際は炭酸ガスによる温室効果研究グループである。
IPCCは学会ではない。
スーパーコンピュータで日本も貢献したが、すべて人間にできないことをスパコンがやってくれるわけではない。
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地球温暖化は事実。
ただし、主たる要因は自然変動(最新の気候学でもなぜ変動するのかは不明)
よってCO2を減らしても温暖化は止まらない。人類は無駄な事をしている。
過去に今以上に温暖化していた時期もあった。(約1000年前) グリーンランドは本当に緑地だった。
その後、寒冷化したのち、1800年代から温暖化が始まった。
1800年代から現在までの気温上昇は直線的で、ここ数十年で2次曲線的に急上昇したわけではない。
IPCCの主張している(ホッケースティックに代表される)CO2増加により1945年頃から急激に温暖化したというのは誤り。
CO2による地球温暖化という危機感(”恐怖”)を政治的に利用しており、他国はそれを十分承知の上でショーを演じている。
無垢な日本(日本人)だけがバカ正直に信じ込んでいる。
スーパーコンピュータを利用したシミュレーションがセンセーショナルな結果を出しているが、
コンピュータは人間が理解していること以上のことは実現できない(魔法の箱ではない)
地球全体の気候変動がどのような仕組みで起こるのかを理解していないのに、コンピュータでシミュレーションしても意味がない。
公表されているシミュレーションはいくつかの変動要素を使って結果が思い通りになるようパラメータを調整したもの。
危機感を煽る、センセーショナルな情報ばかりを取り上げるマスコミにも問題あり。
崩れ落ちる氷河、泥だらけの白クマ、永久凍土が溶けて傾いた家...全て地球温暖化とは関係のない話。
気候変動は起きている。常に起きている。
CO2削減に無駄なお金と時間を使うよりも、もっと優先度の高い問題に振り向けるべきである。
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ご近所さんからお借りした本。
ここ一年、いろいろな本を読んできた。そして、いかに私が狭い視野でものごとを捉えてきたか思い知らされた。
この本もしかりである。
狭い視野になってしまう原因として、自ら調べない、ということもあるが、テレビ・新聞が(恐らく故意に)報道していないことが大きい。
無料のテレビ放送であれば情状酌量の余地はあるものの、有料放送(N)、有料新聞であるなら、それはお金を出した人を欺くものだ。
温暖化は政治目的に利用されているもの。
CO2排出を抑える、あるいは炭素税、排出権といったビジネス創出、原発推進が大事なのではない。
一部の富める国が地球上の資源を独占、大量消費、森林破壊(儲けたいがためにバイオエタノール生産目的でアマゾン森林破壊を行うグローバル資本を指している)を行っていることが極めて問題なのである。
自らの欲のために破壊している。もう十分儲けたではないか。まだ足りないか。
自分達の子孫に、大事な環境を残そう、という気持ちが欠片も感じられない。そこが問題だと思う。
この本では、「将来何らかの形で天罰が下る」とある。
この流れは、「ヴァンダナ・シヴァのいのちの種を抱きしめて」、「マクドナルド化する世界経済」、につながる。
本当のことを隠し、一部の富める者がさらに富を独占。
そしsて、増えた家畜は自ら削減されつつある。
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地球温暖化の原因は二酸化炭素。だから、とにかく二酸化炭素の排出量を減らさなければならない。京都議定書にしろ、いわゆる先進国の取り決めにしろ、いかに人為的に出される二酸化炭素の量を減らすかということに特化されて議論・対策が進められてきた。しかし、筆者は、二酸化炭素が地球温暖化に与える影響は、1/6ほどであり、実は、自然の気候変動によるものが大きいという主張を様々なデータを提示しながら主張している。筆者のすごいところは、だからまだまだ地球温暖化の原因を断定せずに研究を続けなければならないと言っているところだ。
二酸化炭素の削減だけがエコではないということに私たちは気づかなくてはいけないのではないか。二酸化炭素削減ということだけに特化してきてしまったために、見落としてきてしまったもの、軽視してきてしまったものがあまりにも多いのではないか。そんな気がする。
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現在起きている地球温暖化の原因の大部分は、気候変動によるものである可能性が高い。これが筆者の主張です。(ちなみに筆者は実際に地球温暖化は起きていると述べています。)
現在言われている地球温暖化話(論議ではない)に対して、その科学的根拠や科学的議論の乏さを指摘しています。
本来気候学という科学分野であるはずの地球温暖化が、科学議論を軽視し、暴走していることへの警鐘となるでしょう。
地球温暖化に対して、漠然とメディアで報道されているとうりのイメージを持っている人にオススメです。
また、科学者という人間の基本的な考え方を知ることもでき、個人的にはそのあたりがとても気に入りました。
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本書を読み、事実(本書に書かれている内容を「事実」と仮定する)を知っただけで満足せず、「気候変動にどう対応していくのか」を考えなければならない。
まだまだ自身の向上を図り、対策を心中において練っておきたい。
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現在観測されている地球温暖化はマウンダー極小期からの回復過程であることを、科学的データにもとづいて緻密に説明しておられ、頭がさがる思いがする。
会議で温暖化の原因をもっとよく調べるべきという筆者の意見に対して、米国議員とのやりとりが秀逸。
「家が火事なのだから、さっさと消防車で水をかけろ」
「火事かどうかわからないのに水をかけたら、家財がだめになって困るだろう」
その議員はなんと返したのだろう。「全く困らない。業界が儲かって非常に結構だ」というところか。
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先生の主張は現在進行中の地球温暖化の5/6は地球の自然変動であり、人類活動により放出された炭酸ガスの温室効果による影響は1/6程度であるとのこと。そう考える理由をデータを示しながら平穏な言葉で丁寧に説明されていて読みやすかった。気候変動を自然変動と人為的な影響による変動に分けて考えなくてはいけないことを学んだ。序章に言いたいことのほとんどが書かれている感じがした。
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「地球温暖化の原因二酸化炭素のような温室効果ガスの排出量増加であり人間はその排出量を抑えなければならない。」地球温暖化を知る者であれば常識になりつつある命題であるがそれに待ったをかけた本。自分自身、温暖化問題については学校で習った、積極的環境NGOが言っていたことをうのみにしていただけかもしれない。しかもその声は一方的なものであったのではないかと感じてしまった。地球温暖化について、正しい知識を身に着けていきたい、知っていきたいと思った一冊である。
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・地球温暖化の原因が炭酸ガス(二酸化炭素)であるという定説に対し、本書は、温暖化の原因の大部分は地球の自然変動(小氷河期からの回復)よるものではないかとして反論する。
・自然変動がまだ十分に解明されていない現時点において温暖化の原因を炭酸ガスただ一つに収斂させてしまうことの危険性を指摘するとともに、あまりにも政治的色彩を帯びすぎて歪んでしまった地球温暖化をめぐる学問のあり方に警鐘を鳴らす。
・それは同時に、単なる一つの仮説にすぎないものが、学問上の正規な手続きを踏まれることなく、センセーショナルな報道によって「異論を許さない事実」となってしまう、この社会のあり方への批判でもあるだろう。
・著者は、日本にとって喫緊の課題は温暖化対策などではなく食糧とエネルギーの安定確保だと言う。しかしながら、本書の出版が3.11以前であるとはいえ、何の留保もなしに「より安全な原子力発電」「安全な原子力エネルギー」(p174)と形容している点はいただけない。著者ほどの世界的知性でさえ原発安全神話から自由でなかったということは残念でならない。