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紙の本

辛い飴 (創元クライム・クラブ 永見緋太郎の事件簿)

著者 田中 啓文 (著)

唐島英治クインテットの面々が遭遇した不思議な出来事や謎。テナーサックス奏者・永見緋太郎の鮮やかな名推理は—。ライヴ感溢れる文体が魅力の“日常の謎”的ジャズミステリシリーズ...

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辛い飴 (創元クライム・クラブ 永見緋太郎の事件簿)

税込 2,090 19pt

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商品説明

唐島英治クインテットの面々が遭遇した不思議な出来事や謎。テナーサックス奏者・永見緋太郎の鮮やかな名推理は—。ライヴ感溢れる文体が魅力の“日常の謎”的ジャズミステリシリーズ、第二弾。名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出合った風変わりな音楽とのセッションの顛末、“密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など七編を収録。田中啓文おすすめのジャズレコード、CD情報付。【「BOOK」データベースの商品解説】

名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、“密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方…。表題作など全7編を収録。ライヴ感溢れる「日常の謎」的ジャズミステリシリーズ第2弾。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

苦い水 5−50
酸っぱい酒 55−109
甘い土 113−178

著者紹介

田中 啓文

略歴
〈田中啓文〉1962年大阪生まれ。神戸大学卒。「落下する緑」を『本格推理』に投稿し入選。「凶の剣士」(刊行時に「背徳のレクイエム」と改題)で第2回ファンタジーロマン大賞入賞。

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みんなのレビュー12件

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評価内訳

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紙の本

ミステリとしては満点、でも人情に絡む部分は『笑酔亭梅寿謎解噺』と同じで、寅さんふうのベタさ加減は、マイナスでしかないと。こういうどこにでもある人情路線になぜ走る?

2009/02/14 18:31

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんていうか、夢枕獏の『キマイラ』じゃないか、っていうおどろおどろしい印象の装画は森山由海、装幀は森川結紀乃。田中啓分がミステリのお手本を書いた、と言ってもいい永見緋太郎の事件簿の第二弾です。

出版社のHPの案内は

唐島英治クインテットのテナーサックス奏者・永見緋太郎は、相変わらず音楽以外に興味を持たない日々。しかし、クインテットの面々が、謎や不思議な出来事に遭遇すると大胆にも的確にその真相を突いてくる。名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出合った風変わりな音楽とのセッションの顛末、 “密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など七編を収録。ライヴ感溢れる文体が魅力の《日常の謎》的ジャズミステリシリーズ、第二弾。著者が小説のイメージで選んだ、おすすめのジャズレコード、CD情報付。著者あとがき=田中啓文

とある以外に、田中の文章も載っていますので読んでみてください。私のほうは、各話の内容に入ります。

・苦い水(「ミステリーズ!」vol.18 2006年8月):アルコールと賭け事で身を持ち崩した天才的トロンボーン奏者は、その性格ゆえに誰も救いの手を差し伸べようとしない。そんな安来に唐島は・・・

・酸っぱい酒(「ミステリーズ!」vol.20 2006年12月):ほんの数回歌っただけで皆の心に衝撃を与え、伝説を残して消えた歌手にもう一度会いたい、そんな淡田チエは唐島に大阪に連れて行ってと・・・

・甘い土(「ミステリーズ!」vol.22 2007年4月):尊敬する人に厳しく言われて演奏ができなくなった氷見をつれて唐島が向かったのは、面白い音楽を神事で演奏するという九州の山奥の村・・・

・辛い飴 (「ミステリーズ!」vol.24 2007年8月):40年以上も前に凄い演奏を聞かせていたバンドは、なぜかその後音楽界から姿を消した。唐島がやり手のプロデューサー戸川から聴かされたのは彼らの古いLP・・・

・塩っぱい球 (「ミステリーズ!」vol.26 2007年12月):昔好きだった球団、坂上ライガースの4番打者金本のために球場で生演奏をしてほしい、そう頼まれた唐島は野球音痴の氷見を連れて・・・

・渋い夢(「ミステリーズ!」vol.28 2008年4月):食品会社の社長の道楽の一つが自宅に高額のギャラを払ってプロのジャズ奏者を招いて演奏をさせること。もう一つの趣味が高価な楽器を集めること・・・

・淡白な毒(書き下ろし):唐島が20年前にバックで演奏した曲を収めた古いLPに一枚二万円の値がついた。でも、そのLPは、当時不評で今も人気があるというものではない・・・

《日常の謎》的ジャズミステリシリーズ、というのがなんとなく分かる作品が多く収められていますが、例えば「甘い土」なんていうのは横溝正史を読むような感がありますし、「渋い夢」では カー ばりの大技を見ることができます。ミステリ部分は感心しますが、人情に絡む部分は『笑酔亭梅寿謎解噺』と同じ。寅さんふうのベタさ加減は、私の好みではありません。でも、プラス部分が圧倒的に多い。

ま、永見緋太郎にユーモアのセンスがあればもっといいのに、とは思います。正直、息、抜けないんです、こういう正義漢ぶった男といると。

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2008/12/13 23:27

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