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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2008.8
  • 出版社: 早川書房
  • サイズ:20cm/330p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-15-208948-9
新書

紙の本

運命の日 上 (Hayakawa Novels)

著者 デニス・ルヘイン (著),加賀山 卓朗 (訳)

第一次大戦末期の1918年。ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動し、組合活動が活発になる一方で、テロも頻発して...

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運命の日 上 (Hayakawa Novels)

税込 1,980 18pt

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商品説明

第一次大戦末期の1918年。ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動し、組合活動が活発になる一方で、テロも頻発していた。そんな折り、有能な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリンは、インフルエンザが猛威をふるう中、特別な任務を受ける。それは、市警の組合の母体となる組織や急進派グループに潜入して、その動きを探ることだった。だが彼は、捜査を進めるうちにしだいに、困窮にあえぐ警官たちの待遇を改善しようと考えるようになる。一方、オクラホマ州タルサでは、ホテルに勤めていた黒人の若者ルーサー・ローレンスがトラブルに巻き込まれてギャングを殺し、追われる身となっていた。ボストンにたどり着いたルーサーはコグリン家の使用人になり、ダニーと意気投合する。ある日、ダニーは爆弾テロの情報を得て、現地に急行する。その犯人は意外な人物だった…。大反響を巻き起こした『ミスティック・リバー』『シャッター・アイランド』の著者が、満を持して放つ画期的大作。【「BOOK」データベースの商品解説】

組合活動とテロに揺れる、第一次大戦終結前後のボストン。前途有望な警察官ダニーと黒人の若者ルーサーは友人となるが、やがて大きな試練に見舞われ…。壮大なスケールで描く家族と愛と友情のドラマ。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

デニス・ルヘイン

略歴
〈デニス・ルヘイン〉マサチューセッツ州生まれ。「スコッチに涙を託して」で作家デビューし、シェイマス賞最優秀新人賞受賞。「ミスティック・リバー」でアンソニー賞最優秀長篇賞受賞。

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みんなのレビュー14件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

娯楽性と文学性を兼ね備えた歴史小説の傑作

2008/09/28 10:41

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カワイルカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 五年ぶりとなるデニス・ルイヘンの新作は、ボストン市警のストライキを扱った歴史小説である。暗くて地味な素材を面白い読み物に仕上げただけでなく、文学性の高さにも驚かされる。スタインベックの『怒りの葡萄』や『エデンの東』のようなスケールの大きさを感させじる傑作である。ルイヘンはエンターテインメントと純文学という垣根を軽軽と越えている。
 
 物語の舞台は、第一次世界大戦末期の1918年から終戦直後の1919年までのボストン。その頃、アメリカではロシア革命の影響を受けて、社会主義者、共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動し、テロも頻発していた。その一方で、それを取り締まる側の警官も、低賃金と過酷な労働条件に苦しんでいた。
 主人公は、有能な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリン。ダニーは急進派グループに潜入してその動きを探るよう命じられるが、その一方で、警官の会合の様子を探る内に彼らに共感し、組合活動に参加するようになる。組合はストには消極的だったが、警察当局との交渉が難航しストに追い込まれていく。

 ストライキに至る過程がスリリングで面白いだけでなく、生き生きと描かれた登場人物も魅力的である。ダニーは警部の息子なのに出世に興味がない変わり者で、周囲の目を気にすることもなく黒人とも対等につき合う。組合の活動や結婚相手をめぐり父親とは対立するが、お互いに深いところでは理解している。父のトマスはダニーが自分の思い通りにならないことを理解しているが、息子たちの中で最も彼を愛している。この父子に共感する人は多いだろう。
 もう一人の主人公は黒人の元野球選手、ルーサー・ローレンス。物語の冒頭のベーブ・ルースたち大リーガーとの野球の試合で、ルーサーたち黒人チームは白人の不正な判定によって負けてしまう。このエピソードは、当時の黒人たちの置かれた状況をよくあらわしている。ベーブ・ルースはこの後も物語の要所で印象的な役割を果たす。
 この後ボストンにたどり着いたルーサーは、ダニーとノラ(ダニーの恋人)の親友になるが、ダニーやノラのような白人は例外的である。黒人と白人が一緒に歩いているだけで周囲からは白い目で見られるのだ。ルーサーはノラと一緒に歩くとき、彼女の使用人に見られるように一歩下がって歩いたりする。当時は、ルーサーの過去を執拗に探り出すマッケンナ警部補のような、黒人嫌いの白人が多数派だったのだろう。

 この作品に描かれた警官は労働運動を取り締まる権力の側の人間であり、同時に労働者でもある。ダニーはその間で悩むが、やがて労働運動に身を投じることになる。ダニーの父は過酷な労働条件に置かれた警官を理解しながらも権力の側に身を置かざるをえない。また、マッケンナ警部補は権力を使って黒人を差別しようとする。しかもダニーの父とマッケンナは、元はといえば貧しいアイルランド移民なのだ。この作品に描かれたことは、単純に善悪で分けられる話でない。
 作者はこれらの物語にダニーと父の対立、ルーサーとの友情、ダニーとノラの恋愛を描くことによって普遍性を持たせている。これだけいろいろな読み方のできる小説もめずらしい。これはルヘインのベストの作品であるだけでなく、ハードボイルド作家という枠を越えた作品でもある。ハードボイルド・ファンだけでなく、もっと幅広い読者に受け入れられる作品だと思う。

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紙の本

この小説を読むと、オバマが大統領になったことの意味がよくわかります。暴動以外にはこの一世紀、国内での戦争を経験しないアメリカにとって、もしかすると第一次、第二次大戦や冷戦より、人種差別こそが克服されなければならないものであったのではないかと思います

2009/02/19 19:56

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『ミスティック・リバー』以来のルヘインです。他人さまはともかく、私はダメなんです、映画化された作品、ていうのが。もちろん『ミスティック・リバー』にしても、出版されてすぐ読みましたから、映画化の前なんですが、そうして原作として簡単に使われてしまう作品、ていうのが好きではない。そういう作家を信用できないんです。

それに『ミスティック・リバー』がさほど面白くなかった。極言すればアメリカ人以外に楽しめない話じゃないか、なんて思うんです。アメリカでの評価=世界の評価、なんていう幻想、ハリウッドで評価=面白い、なんていう偏った見方からそろそろ離れてもいい時期じゃないか、なんて思ったりもして。

たまたま、手元に読む本がなくて、何故か図書館の新刊コーナーに誰にも見向きもされずにあった、そうでもなかったら読まずに終った本でした。読み終えて、これがアメリカなんだ、オバマ大統領を生むことになった国なんだ、って思いました。この本とリチャード・パワーズ『われらが歌う時』を読むと、アメリカがいかに遅れた国であるのか、世界を率いるなんて資格がない国であるかがよく分かります。

そして改めてこの本のカバーを見れば、多分、これが小説にも登場するボストンのストライキの写真なんだな、と私があまりよく知ることのなかったかの国の歴史に思いをはせることになります。ノンフィクションの本にこそよく似合うだろう写真は、Bettmann/CORBIS/amanaimages(上巻 カバーの色のイメージはシルバー?)、Underwood & Underwood/CORBIS/amanaimages(下巻 ゴールド?)、装幀はハヤカワ・デザイン。

構成は、上巻が、

オハイオのブルース
見まわり
ベーブ・ルースと労働者革命
労働者階級

下巻は、

労働者階級(承前)
ベーブ・ルースと白い球
赤い夏
ベーブ・ルースと夏の恍惚
ボストン市警ストライキ
ベーブ、南へ
 謝辞
 訳者あとがき 加賀山拓朗

となっています。早川本の常としてカバーに詳細な内容案内が出ていますので、それで紹介に代えてしまいます。まずは上巻カバー折り返し

第一次大戦末期の1918年。ロシア革命の影響を受けて、
アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナー
キストなどがさかんに活動し、組合活動が活発にな
る一方で、テロも頻発していた。そんな折り、有能
な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグ
リンは、インフルエンザが猛威をふるう中、特別な
任務を受ける。それは、市警の組合の母体となる組
織や急進派グループに潜入して、その動きを探るこ
とだった。だが彼は、捜査を進めるうちにしだいに、
困窮にあえぐ警官たちの待遇を改善しようと考える
ようになる。
一方、オクラホマ州タルサでは、ホテルに勤めてい
た黒人の若者ルーサー・ローレンスがトラブルに巻
き込まれてギャングを殺し、追われる身となっていた。
ボストンにたどり着いたルーサーはコグリン家の使
用人になり、ダニーと意気投合する。ある日、ダニ
ーは爆弾テロの情報を得て、現地に急行する。その
犯人は意外な人物だった・・・・・・。
            *
大反響を巻き起こした『ミスティック・リバー』『シ
ャッター・アイランド』の著者が、満を持して放つ
画期的大作。

そして下巻は

第一次大戦は終結した。だがボストンでは、警官の
待遇改善に意欲的だった市警本部長が急死し、ダニ
ーの運命は大きく変化する。強硬派の後任の本部長
によって、彼はスト破りの部署に異動させられたのだ。
1919年のメーデーの集会の後、ダニーは暴行を受け、
大怪我を負ってしまう。
苦難の中で彼は、コグリン家の使用人だった女性を
心から愛していたことを知った。二人は結婚し、ル
ーサーを含めた固い絆ができあがる。
だが、ダニーの名付け親で黒人を憎むマッケンナ警
部補が、ルーサーの過去を暴き出していた。マッケ
ンナはルーサーを脅して、黒人の地位向上をめざす
組織に壊滅的な打撃を与えようとする。
さらに、市警の警官たちのあいだではスト敢行の機
運が高まり、大きなうねりとなっていった。そして
ついに警官たちはストライキを決行、ボストンは大
混乱に陥る。しかも、その騒乱の先には、ダニーと
ルーサーにさらなる試練が待ち受けていた!
            ※
動乱の時代のボストンを舞台に、壮大なスケールで
描く家族と愛と友情のドラマ。

となっています。これで充分でしょう。黒人のオバマ大統領が誕生し、新しいヤンキーズ・スタジアムの建設が始る今にこそ、相応しい物語かもしれません。映画になれば社会派として歓迎されることも間違いないでしょう。この本だけを読めば90年前の話だろ、と考える人がいるでしょうが『われらが歌う時』を読めば、それは40年前でも殆ど変わっていないことに気付くはずです。

逆にいえば、今回オバマが大統領に選ばれたことの意味がいかに大きなことであるかに。暴動以外にはこの一世紀、国内での戦争を経験しないアメリカにとって、もしかすると第一次、第二次大戦や冷戦より、人種差別こそが克服されなければならないものであったのではないか、それが戦われなければならなかったものではなかったのか、の感を強くします。

しかしです、野球好きの人間には常識かもしれませんが、あのヤンキースの象徴とも思われるベーブ・ルースが、元はレッドソックスの選手だったとは驚きです。松井と松坂は「松」の字だけではなく、こんなところでも繋がってしまいました。私の大好きなイチローは仲間外れ? なんて思ったりして。

最後に登場人物紹介。おびただしい数の人間が、上下巻の巻頭にリスト化されていますが、時間の流れにともない内容も、人間も上下巻では異なっています。あえて絞り込んで紹介しますが、倍近い人間がリストに名を連ね、かつ小説中でもきちんと描写されています。ですから、私が取り上げたのはあくまで読み終わった時の印象で取捨選択した結果だと思ってください。

ダニー(エイデン)・コクリン:ボストン市警巡査
トマス・コクリン:ダニーの父。ボストン市警警部
エレン・コグリン:ダニーの母。
コナー・コグリン:ダニーの弟。サフォーク郡地区検事補
ジョー(ジョゼフ)・コクリン:ダニーの末弟
エディ・マッケンナ:ダニーの名付け親。ボストン市警警部補
ノラ・オシェイ:コグリン家の使用人。

スティーヴ・コイル:ボストン市警巡査。ダニーのパートナー。
テッサ・アブルッツェ:ダニーのアパートの住人で、実はアナーキスト。
フェデリコ・ブルッツェエ:テッサの父というが、実は・・・

ルーサー・ローレンス:タルサ・ホテルの従業員。野球の選手。
ライラ・ウォーターズ・ローレンス:ルーサーの妻
クラレンス・ジェシー(ジェサップ)・テル:タルサ・ホテルの従業員。ルーサーの親友
スモーク:タルサのギャング

ベーブ・ルース:レッドソックスの選手

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紙の本

ミステリというより歴史大作。

2009/09/03 00:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書、早川のミステリ・ランキング本では、海外部門で1位でした。

 デニス・ルヘインは、ですね、私「ミスティック・リバー」からの読者でして
今一ルヘインの作家としての本質を掴みきれていません。
 ミスティック・リバーは、設定を覚えているぐらいで後は、
忘れてしまうぐらいの一気読み作品でしてとにかくめちゃくちゃ面白かった。
 そして、次に出たのが、「シャッター・アイランド」
こちらは、ラストが袋とじになっているネタ一発勝負の割と短めのトリッキーな作品。
ミスティック・リバーで人間をいやドラマを描いた作風から一転していて
なんか、作家の特性を掴みきれないまま、今日にいたっています。
 多分、「ミスティック・リバー」以前の、シリーズ物を全く読んでいない所為なんだろうなぁと
勝手に解釈していたのですが、この作風の変化については、
本書、巻末にルヘインのインタビューが載っていて、実は、
 ミスティック・リバー以後のテーマはこのタームにとらわれないことだったと
語っています。
 つまり、簡単に書くと、ルヘインは、一作ごとに変遷する作家なのです。
(ちょっと納得です)
 この変遷というキーワードを覚えておいて、ちょっと前置きが長くなりましたが、
本書です。

 舞台は、第一次世界大戦ごろの、アメリカ東海岸ボストン。
(ルヘインにとっては、東海岸というのが、いつも文化風土としての重要テーマになります、
 で一応東海岸と書いた)
 ダニー・コグリンは、警察一家に育ち自身も制服警官。最年少刑事になろうと目標を立てています。
 ロシア革命が起こり、労働者運動も資本主義の牙城、アメリカでも盛んになって来ます。
ダニーは、社会運動の組織に潜入捜査するのですが、、、。
 もう一人の描かれる人物は、黒人のルーサー。
 彼は、野球選手です。非公式試合ですが、ベーブ・ルースとの試合も経験しています。
 その後、中西部で生活するも、非合法仕事をするようになり地元ギャングを殺してしまいます。
 逃亡しながら流れるようにボストンに訪れ、コグリン家の使用人となります。
 そして、当時の時代を象徴する人物として描かれる、ベ-ブ・ルースのエピソード。

 プロットはこの辺です。

 本書、はっきり言って、ミステリじゃありません。ランキング1位ということと
ルヘインということで、ミステリと思って読んだ私は、かなり肩透かしでした、、。
だけど、面白くない作品では決してない。
ルヘインの作家としての技は、十二分に発揮されていると思います。
 ただ、冒頭で書いた、変遷するということにも絡んでくるのですが、
ルヘインの「シャッターアイランド」以後の執筆する上での目標は、
自身のルーツでもあるボストン市警を舞台にした
歴史大作を書くということで、勿論、その目標は達成されています。
 そして、作品としても面白いただ、勝手に私は、ミステリの1位と思い読んだので、書き手と読み手、一番最初の方向がずれていたわけで、そのずれが、すれのままラストまでいっちゃった感じです。
 又、本書、二段半組みで上下本のかなりの大作で、
ミステリとしては、ルーサーのボストンへの来訪の設定を書いて、下巻だけにしたら
めちゃくちゃ面白い小説になったと思います。
けど、ルヘインの目的が自分のルーツでもある当時の時代背景、風俗、を描く、
歴史大作を書くことなので、しょうがないのですが、、。

 これで、小説として面白くなかったら、
あれこれ書くのですが、小説としても(小説としてドラマとしてこそおもしろい)
面白いので、微妙な感じです。
 兎に角、ミステリではないと思って読むべきです。

 重厚でよく出来た小説だとは、思うけど、ミステリの1位って感じでは、ないと思います。
ミステリとしては、「ミスティック・リバー」や、「シャッター・アイランド」がオススメ。

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紙の本

「たぶん、頭が混乱するものを見るとすぐ答えが欲しくなるからじゃないかな。で、答えが目の前にないと、なんだろうとつかみとってそれを答えにしてしまう」それが変わらぬアメリカの素顔だ。

2008/12/31 15:36

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

国際的秩序を形成するという「正義」のためにアメリカは最強の軍事力を行使してきた。アメリカ流資本主義原理の貫徹と全世界にばら撒かれた圧倒的な価値をもつドルにより、わが国ばかりでなくどの国も経済の繁栄は保証されてきた。だがそれは虚構だった。その虚構がガラガラと壊れつつあるのが現在である。
第一次大戦中にウィルソンが提唱した国際主義が大戦後には強固な孤立主義に変わったように、オバマは外交戦略を転換するのだろうか。どちらを選択するにしろ、アメリカは善きアメリカでありそれ以外は悪しき世界だと考える、独善的気質はいまさら変わるものではないだろう。

「舞台は第一次大戦終結前後のボストン。ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナーキストなどが盛んに活動し、組合活動が活発になる一方でテロも頻発していた。前途有望な警察官ダニーと黒人の若者ルーサーが家族と友情と愛の壮大なドラマを織り上げていく」

デニス・ルヘイン『THE GIVEN DAY』(『運命の日』)。重苦しさに圧倒され、哀しさで胸がふさがれるのがこの小説だ。著者の鋭敏な感覚は、現代アメリカという独善者の底流にある深い哀しみと苦悩について、さかのぼること1918年から1919年のボストンから、その核心をすくいあげているのだ。

ボストンはアメリカ建国期にかかわる人々のむきだしの欲望が煮詰まってできた土地のようだ。その人々は肌色のちがい、アメリカ大陸へ移民してきた時期、母国語、宗教、職業など成り立ちの異なるいくつもの集団で多重層をなしている。小説に登場するその構成員はいずれも社会の底辺に生きる民衆だ。アメリカは移民たちが建国したアメリカだ。原住民がいた。周囲は敵だらけだった。母国すら敵であった。生き残るためには利害の共通する仲間の結束が必要だった。自分たちのための「秩序」が。いくつもの「秩序」は互いを敵とする枠組みであった。そして敵と闘い、敵を倒さねばならない。虐げられたもののグループが虐げられたもののグループを敵とする。そして対立するものが妥協しようと思えば、共通の敵を作り出すことが切り札だ。アメリカ建国にとってそれは抜き差しならない宿命だったのだろう。
とにかく私はまずそんなことを考えてしまった。
そして私は現代アメリカの原罪を見る思いでこの作品を読了したのだ。

プロローグ「オハイオのベーブ・ルース」からこの作品にぐいっと惹きつけられた。ワールドシリーズで移動中のシカゴ・カブスとボストン・レッドソックスの両チームがたまたま草野球を楽しんでいる黒人たちと遭遇し、軽くひねるつもりで試合を申し出る。だが黒人チームは強かった。白人たちは自分たちのアウトをセーフとするいくつかの不正でゲームを強引にすすめるが、9回裏まだ9:6とリードされていた。ツーアウト・フルベースでベーブ・ルースがバッターボックスに立つ。彼はこの不正義に加わったことで内心忸怩たる思いにあった。が、投げられた甘い球に踏み込んでバットを振った。打球が空に消えた、そして………。
屈辱にひたすら耐えることでしか生き延びられないのが黒人である。怒りも憎悪も軽蔑もあからさまな行動で示すことはできないのだが、それでも失わない誇りがある。とっておきの流儀で白人チームを侮蔑するクライマック。読むもののこころは哀しく激しく揺さぶられることだろう。ここだけで珠玉ともいえる、冒頭の第一章だ。

この試合に参加していた黒人の若者ルーサー・ローレンスが一方の主人公である。オクラホマ州タルサでホテルに勤めていた。黒人ギャングの下働きでちょっといい身なりができていたのもつかの間、殺らなければ殺られる事情からボスを殺害し、追われる身となる。妻をタルサに残しボストンにたどり着いたルーサーは全米黒人地位向上協会幹部に身を寄せる。そして警察一家コグリン家の使用人になり、その家の長男ダニーと意気投合する。
「有能な警部(トマス・コグリン)を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリンはインフルエンザが猛威を振るう中、特別な任務を受ける。それは市警の組合の母体となる組織や急進派グループに潜入して、その動きを探ることだった。だが彼は捜査を進めるうちにしだいに、困窮にあえぐ警官たちの待遇を改善しようと考えるようになる。」

二人の主人公と彼らの妻たち。ルーサーが仕えたギャングたち。それだけではない。コグリンの家族、トマス・コグリンの仲間たち、警察や市政の上層部、警官組合の結成を目指す指導者、黒人地位向上協会の運動家、労働者組合の幹部、共産主義革命の指導者、そしてテロリスト。混沌としたこの時代の階層社会を代表する群像である。この複雑な利害の衝突と妥協のプロセスが丹念に描かれる。そしていずれもが重い苦悩にみちた人生を歩んできた人物であることが詳細に明らかにされる。

騒然とした社会不安の中で登場人物たちの怒り、悲しみ、憎悪。激しい感情のもつれが暴力をともない全編を通して爆発し続ける。語り口調は事物、事象、事実のディテールを積み上げるハードボイルドタッチである。会話は比喩、隠喩、機知に富んでいてじっくりと味わって読みふけるにふさわしい名訳だ。そして彼らのこれまでに生きてきた苦難の人生を知るにいたれば、たとえ表面はどんな「悪」であっても他人事ではなしに実にリアルに私としては通い合うところを実感させられるのだ。最悪の人間はトマス一家に家族同然のつき合いがあるエディ・マッケンナかもしれない。卑劣な手段で人を陥れる。主な犠牲者はダニーの恋人・ノラであり、ルーサーであり、彼が敵とする「反社会集団」なのだが。そのマッケンナですら少年時代からいくたびかの死に直面する苦難をなんとか生き延びてきた男なのだ。そしてその事実が彼という人物、誰かを敵としていないと自己を喪失する人格を規定している。哀しい人間だ。非情なテロリストの夫婦にしても憎みきれないところがあった。

文字通り命を懸けて生きようとするものが滲ませるただならぬ気配、犯し難い人間の値打ちをとらえ、やさしさをこめてその陰影を描ききった作品だと言えよう。

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2009/09/24 15:44

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