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商品説明
結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「スパイとは“見えない存在”であること」「殺人及び自死は最悪の選択肢」。これが、結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」—結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
【吉川英治文学新人賞(第30回)】【日本推理作家協会賞(第62回)】陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。これを率いる「魔王」結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく−。スタイリッシュなスパイ・ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
スパイ養成学校"D機関"。常人離れした12人の精鋭。彼らを率いるカリスマ結城中佐の悪魔的な魅力。小説の醍醐味を存分に詰め込んだ傑作スパイ・ミステリー。【商品解説】
収録作品一覧
ジョーカー・ゲーム | 5−54 | |
---|---|---|
幽霊 | 55−101 | |
ロビンソン | 103−153 |
著者紹介
柳 広司
- 略歴
- 〈柳広司〉1967年三重県生まれ。神戸大学法学部卒。2001年「黄金の灰」でデビュー。「贋作『坊っちゃん』殺人事件」で第12回朝日新人文学賞受賞。著書に「新世界」など。
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紙の本
スパイに会ったことが無いんで、実際のところわからないんですけどね
2008/10/06 15:22
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段は読み応えが無いので短編小説は読まないのですが、息抜き程度と手にとってコチラを読んでみました。
この一冊で5編入っていて、全体で小一時間くらいで読み終えるくらいの軽さです。
短編小説はそれぞれが少しずつ重なっていって最後に結びつく形のものが多い中、これは完全に独立したストーリーとして成り立っていて、一遍一遍それぞれ違う人物、違う場所で話が展開されています。
本当に時間がちょっと空いた時に読むのには最適ですね。
登場してくるスパイ達がかなり現実離れして見えるので、ハラハラドキドキするスパイものというよりも、単純に「おぉ、格好いい~。」と楽しむ感じでしょうか。
中途半端なキャラクター設定よりも、『現実にはいないでしょお~』と思ってしまうくらいいってしまったこの結城中佐の人物像が物語を楽しくさせてくれます。
といってもスパイなんて実際に見たこと無いんで、本当にこんな人がいるのかもしれませんが・・・。
紙の本
迷いもない、能力のみという特殊な人間たち
2009/03/28 16:37
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らのスパイ経験を活かして、陸軍内の養成学校“D機関”を率いる結城中佐。
その第一期生たちの活躍が、5つの短編で綴られます。
スタイリッシュなスパイ・ミステリーとあるように、派手さはない代わりに禁欲的で美しい。
あまりにも美しすぎる、いや、有能にすぎるのでは……と思いながら、
よく考えたら、現実のスパイ稼業の実態など知りもしないのでした。
007シリーズのような特殊なものはともかく、
スパイものの醍醐味といえば、目立たず、ひたすら任務の成功のために邁進することだと思っているので、
出来すぎの感があるとはいえ、楽しく読むことができました。
仲間にすら本当の自分を知らせることができない、まさに孤独を抱えたままの人生。
当然、迷いがあって務まるものではありません。
何かにとらわれていてもいけない。
実務的な能力だけでなく、心の問題をクリアしたものにだけ与えられる任務。
少なくとも、結城中佐が育てようとしているのはそういうスパイたちです。
同じように学び能力を発揮できても、心の部分という最後の適性で躓き、
任務につけない(スパイになれない)人もいます。
その葛藤を描くものあり、淡々とスパイの日常と任務遂行を描くものあり。
あまりにもあっさりしすぎている部分も含めて、スタイリッシュなのかなと解釈しました。
できることならもう少し読みたい。
5編にまとめたのも良いけれど、続きや長編が出るならそれも気になる。
そういう感触が残りました。
その際には、人間離れした技や能力も良いけれど、
人間ならではの苦悩もいい感じに描いて欲しいなと思うのは、欲深いのでしょうか。
紙の本
自分で本屋大賞を決めよう 第2弾
2009/02/24 01:36
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞ノミネート作品。5つの短編がまとまった作品です。
時代設定は満州事変後から日中戦争までかと思われます。
全体的に各国での諜報活動をしていた人を通した人間を描いています。今
の日本人ならば、変わった時代を知ることができる内容だと思います。
では思ったことをつらつらと。ん~竜頭蛇尾って感じです。1つ目の「ジ
ョーカー・ゲーム」は、天皇=現人神の時代にそれすら疑って、既成概念に
とらわれない思想をもった日本人スパイという内容が魅力的でした。軍閥政
治に傾倒していこうとする時代に、より軍隊的でありながら構成員が民間出
身であることの、ある種の矛盾が個人的にかなり好きでした。
しかし、残り4つについては筆に勢いが感じられなくなってきたというの
が正直なところです。これだったら普通にミステリーを読んだほうが楽しい
じゃんと思う作品もあったのがマイナスポイントかと思います。
総評として、1つ目はおもしろいけど、他は普通。そして、今年の大賞で
もないと感じました。
少しでも気になったら1つ目だけでも読んでみてください。
紙の本
魔王結城中佐の超一級娯楽作。
2017/05/27 00:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純明快に面白かった。
ここまで徹底的にエンターテインメントに振っていると純粋に楽しめる。
一応、短編集の形態を取る。全五話で一話完結型だが、
そもそも何か大きなテーマが隠されている訳ではない。
表紙の主は結城中佐。魔王の異名を持ち、帝国陸軍の
スパイ養成所の設立人にして教官でもある。その後、養成所は
D機関と名前を替え、徐々に陸軍に食い込んでいく。
一話目は養成所の設立準備室から話が始まる。
二話目以降、結城中佐の教えを受けた者たちが、順番に
活躍する物語である。
各話の中で結城中佐の人物像などがおぼろげながら浮かび
上がるが、影の主人公である逸材はまさにスパイとして暗中に飛び、
なかなか本意を見せてくれない。そこにこの物語の醍醐味がある。
帝国陸軍が舞台なので当然憲兵とのつばぜり合いがある。
私は憲兵は日本のスパイ的なものと聞いたことがあるが、この本を
読むとなるほどこれじゃあ力不足だな、と感じる描写が多い。
史実は詳しくないが、こんなスパイ機関が本当にあったら、それこそ
ヨーロッパやアメリカのスパイ達とも渡りあえたのではないかと
想像が膨らんでしまう。
超現実主義で自分以外にできるわけがないという恐ろしいほどの
自尊心。なるほど、スパイを突き詰めたらそんな人物のような
気がしてくる。
スパイトリックに振っていて、心理描写とかの情緒的なものや、
拷問みたいな残虐性はない作品だ。
映画007の帝国陸軍版とでも言えばよいだろうか。
シリーズ作でダブル・ジョーカーがあるので、引き続き読み進める
ことにする。心がスカッとする作品だ。
紙の本
哲学的文学を読んだあと、消化不良で胃の中にたまっていた肉の塊がようやく消え、さっぱりしようとサイダーを飲んでみたくなった。「最高にスタイリッシュなスパイミステリー」で爽やかになろうとそんな気分で本著を手に取った次第。『ダブル・ジョーカー』を含め新刊二冊を買って読んだのだから、辛口の感想だって書く資格はあるでしょう。
2009/10/10 15:07
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本が大陸侵略を本格化した頃、そのころはどうやら日本には英米独露に匹敵するまともな諜報機関がなかったらしい。
なぜかというと諜報活動は卑怯、卑劣な行為で日本古来の武士道に反するという皇国軍人精神で毒された軍人たち、特にその最右翼であった陸軍がこれを毛嫌いしていたからだという。そんな馬鹿たれ脳みそでは戦争に勝てっこないと頭脳明晰、実行力で抜群の結城中佐が立ち上がった。極秘に設立したのが、目的と状況に最も適切な手段を選ぶ合理的思考を貫く近代スパイ戦用の「D機関」だ。天皇陛下にお仕えする軍人の大和魂を真っ向から否定し、結城中佐が率いる忍者部隊か詐欺師集団、いやいや義賊よろしき面々が魔術師の如き手さばきよろしくいろいろと活躍するお話である。
『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』それぞれ5編の短編集。悪い人は陸軍、いい人は「D機関」とあえてリアリティはさておいた枠をはめ、どのお話も結城中佐の哲学「スパイとは見えない存在である」「殺人及び自死は最悪の選択肢」などの長々しいお説教があって、読みきりの短編を集めたものだからしょうがないないなと思いつつ、スパイではないスパイスを効かせた落しどころを楽しみに読むことになる。
敵対する相手はアメリカでもイギリスでもなく、ほとんどがあるときは悪の親玉であり、あるときは無能の諜報活動しかできない帝国陸軍である。そんないい加減な陸軍に熱いお灸を据え、彼らのメンツが壊れないように事件を闇の葬るのがD機関の活躍。軽いノリでワルを懲らしめるコンゲームの数々だ。
秀逸は冒頭の「ジョーカー・ゲーム」でこのシリーズの面白さが凝縮している。ところがあとはあまり感心しないのである。理由はいくつもあるのだが、一つあげれば「D機関」のような高度な頭脳と戦闘能力を持つチームが敵対するのは、普通は同等のレベルかそれよりも優れている相手であって、だから迫真のゲームが成立するのだろう。
ノウタリンの帝国陸軍では赤子の手をひねるようなものだ。
端から勝ちがわかっているゲームを見ていても緊張感はない。
紙の本
精鋭スパイたちの奮闘
2010/02/11 16:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロンタス - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイものなので、長い小説なのかな?と思いましたが、思ったより早く解決される五つの話で構成されています。どの話にもでてくる元スパイの結城中佐、その結城中佐率いる精鋭のスパイたちの話です。それぞれ優れた能力の持ち主のスパイたち、それでも彼らに様々な困難がやってきます。どの話も結末が読めず、気づいたら、話についていくような感じで最後まで読んでいました。続きがでているそうなので、ぜひ読んでみたいです。
紙の本
本屋大賞を見て、読みました。
2014/10/31 22:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞を見て、読みました。
スパイの短編集。読みやすく、短編として纏まっています。ただ、結果的にスパイが無敵すぎるせいか、読後感がいまいちでした。