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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.8
- 出版社: 角川書店
- サイズ:19cm/191p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-873890-3
紙の本
初音怪談 私と小さなおじさんのこと
ビデオデッキの中にいた手のひらサイズのおじさん、放送室で聞いた知らない誰かの声、私の右半分に住むお兄ちゃん…。現役アイドル・松嶋初音が今まで体験してきた不思議な出来事のい...
初音怪談 私と小さなおじさんのこと
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商品説明
ビデオデッキの中にいた手のひらサイズのおじさん、放送室で聞いた知らない誰かの声、私の右半分に住むお兄ちゃん…。現役アイドル・松嶋初音が今まで体験してきた不思議な出来事のいろいろを語る、実話怪談を超えた体験怪談。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
松嶋 初音
- 略歴
- 〈松嶋初音〉1987年東京生まれ。女優・タレント。ミスマガジン2004審査員特別賞を受賞してグラビアデビュー。
〈木原浩勝〉1960年生まれ。怪異蒐集家。「怪談の怪」発起人。著書に「新耳袋」「隣之怪」など。
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紙の本
採話ではなく、体験で実話を語れる強み。
2008/08/12 11:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:宅悦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『新耳袋』シリーズで知られる現代実話怪談の第一人者・木原浩勝氏を瞠目させた才能が、自身の体験を中心に自らの筆で綴った実話怪談集である。
文筆が本業でないためか、文章はやや軽すぎるきらいがあるが、変に美文を気取らずのびやかに記しているぶん読みやすい。それでいて、書かれている内容は、そのまま『新耳袋』などに収録されていても不思議のない、怪談好きを唸らせるような出来のものばかりだ。
タレントが記す怪談本は闇雲に怖さを煽ったり、変に因果を追い求めたりしがちだが、しばしば理由も解らない怪異がそのまま語られている点でも、本書は一線を画している。素直に「怖い」と感じさせるものもあれば、著者の自然な感覚のまま綴った成り行きが笑いを誘うものも多数含まれているあたり、妙に説得力があるのだ。
特徴的なのが、これだけよくできた怪談集にも拘わらず、あえて大きく採りあげているのが“小さなおじさん”の連作である点だろう。奇妙さでは突出しているとはいえ、おじさんの造型やエピソードの方向性が終始笑いを誘うものばかりなのだから、人を食っている。
あとがきにて、共著者として名を連ねる木原氏が触れているとおり、著者の体験は木原氏の『隣之怪 蔵の中』や『九十九怪談 第一夜』にも収録されている。第三者の観点から語り直されたそれらに触れても、彼女の備える“怪談語り”としての資質の高さを窺い知ることができる。今後も活躍の期待できる新たな才能の出現に、怪談好きならばいまから触れてみることを強くお薦めする。