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紙の本
検察審査会の午後 連作推理小説 (光文社文庫)
著者 佐野 洋 (著)
「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。それは、検察官が下した不起訴処分の妥当性を市民が審査する日本独自の「陪審制」検察審査員の...
検察審査会の午後 連作推理小説 (光文社文庫)
検察審査会の午後
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商品説明
「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。それは、検察官が下した不起訴処分の妥当性を市民が審査する日本独自の「陪審制」検察審査員の選任通知だった。落ちてきた突然の義務。佐田は、さまざまな事件に関わりながら、次第に興味を深めていく。「裁判員制度」時代に先駆けて名匠が描いた市民参加型司法推理の傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
落ちてきた義務 | 9−71 | |
---|---|---|
消えた指紋 | 73−107 | |
効きめのない祈り | 109−141 |
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電子書籍
この本で知りました
2022/03/24 22:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
検察審査会というものが存在してることをこの本を読んで知りました。初めて読んだとき、日本にも陪審員みたいな制度があるんだな、と思いました。内容はどの話もよく取材されて書かれていて、深いです。かなり古い小説ですが再読したら又深い……
紙の本
小説ですが、検察審査会の仕組みを知るしるべとしても役に立ちます
2010/05/25 19:37
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベニスの商人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
検察審査会。制度としては60年ほど前からあったそうだが、今年になるまでは、ほとんどの一般人は知らなかっただろう。検察が不起訴とした案件を、本当にそれでいいのかと、審査するものである。今年になって、突然、脚光を浴びるようになったのは、昨年の今頃、法律が改正されたから。
審査会のメンバーは11人。いままでだと、過半数により、不起訴が「不当」であるか「相当」であるかだけを判断すればいいし、仮に検察審査員が「不起訴不当」と判断しても、検察庁は審査会の議決に拘束されなかった。つまり、検察審査員の誰もが「不起訴不当だろ」と考えても、検察がそのまま、不起訴にするのであったとしても、許されたのである。
それが、昨年の改正で、「起訴相当」というものができた。「不起訴不当」は過半数(6人以上)、「起訴相当」は2/3(8人)以上。過半数では、6:5の僅少差で決まることもあるから、メンバーを入れ替えると、違う結論(「不起訴相当」)が出ることもありうる。その点、2/3以上なら、結論に揺るぎがなさそうだ。さらに、「起訴相当」と議決したにもかかわらず、相変わらず、検察が不起訴であれば、違う検察審査員メンバーで、審査会を開き、そこで再度「起訴相当」なら「強制起訴」される。第1号として、今年の1月に、明石歩道橋事故当時の警察副署長が「強制起訴」された。もしかしたら、民主党の小沢幹事長も、起訴されるのか? 1度目の検察審査会の議決は、満場一致で「起訴相当」だったという。
本書は15年前に出版された佐野洋の小説。だから、「強制起訴」の制度は、まだ影も形もないが、「強制起訴」以外の条文は、おそらく変わっていないのではないかと思う。登場人物の口を借りて、検察審査会の仕組みの要点を教えてくれる。推理小説として、面白いことは、いうまでもないが、検察審査会を知る上でも、役に立つのではないか。