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商品説明
お買い場、ウォントスリップ、同伴DEレース…。伊勢丹は企業ならではの言葉を社員に伝え、共有することによって、現在の地位を築いてきた。そうした言葉のもつチカラに焦点を当て、伊勢丹のサービスの本質を掘り当てる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
国友 隆一
- 略歴
- 〈国友隆一〉1941年新潟県生まれ。中央大学法学部卒業。株式会社ベストサービス研究センター代表。有限会社セカンドライフ・バリューアップ代表。著書に「伊勢丹恋しくなるサービス」など。
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紙の本
明日伊勢丹に行こうかな
2008/12/29 18:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
百貨店の売上げが厳しい。
2008年11月の全国の百貨店の売上状況は9ヶ月連続の前年割れで、しかも前年同月比でマイナス6.4%という低水準である。
従前から右肩下がりの傾向はあったが、今までなんとか支えてきた都市部の業績が急速に悪化しているのが深刻だ。そのため、各百貨店では新装改装を凍結する動きまで出ている。
従来「一人勝ち」と定評のあった伊勢丹であるが、やはり他と同様に苦戦が続く。公表されている11月の部門別の売上げをみても、「ファッションの伊勢丹」といわれながらも、衣料部門の落ち込み幅は大きい。
本書は、伊勢丹が百貨店の中でも「一人勝ち」といわれてきた秘密を「お買い場」や「ウォントスリップ」といった伊勢丹独自の言葉を核にして、その商法を読み取ろうとしている。
著者は「本書は伊勢丹を賞賛する本ではない。伊勢丹を例にとりながら、百貨店はもちろん、流通のあるべき姿を明確にするための本である」(141頁)と書いているが、実際には日本の流通業は、百貨店やスーパー、コンビニや専門店などといったように「業態論」に終始しすぎているような気がする。
つまり、多くの流通業が「お客さま第一主義」といいつつも、実は顧客のニーズをとらえきれていないのが現状だし、その障壁になっているのが「業態」ではないだろうか。
本書の中で伊勢丹のタータンチェック柄のショッピングバッグが出来上がったエピソードが紹介されている(205頁)が、その時生み出したティーンエージャーというマーケットはファッションだけにとどまらず、新しい文化を創出したはずである。
もし、百貨店が今後生き延びることができる業種だとすれば、やはりそういった未知なる文化をどう提案できるかにかかっているように思う。
その時、彼らはもう「百貨店」である必要はないかもしれない。
伊勢丹だけでなく、すべての百貨店の、新しい展開を期待している。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。