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紙の本
紀州 木の国・根の国物語 改版 (角川文庫)
著者 中上 健次 (著)
紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満ちる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、”切って血の出る物語”。隠国・紀州...
紀州 木の国・根の国物語 改版 (角川文庫)
紀州 木の国・根の国物語
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商品説明
紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満ちる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、”切って血の出る物語”。隠国・紀州の光と影を描く。【商品解説】
著者紹介
中上 健次
- 略歴
- 1946年和歌山県新宮市生まれ。高校卒業と同時に上京、同人誌で執筆を開始、76年「岬」で第74回芥川賞。戦後生まれ初の受賞者となる。長編小説『枯木灘(かれきなだ)』で第31回毎日出版文化賞、第28回芸術選奨文部大臣賞新人賞受賞。92年8月享年46歳で没。
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紀州とは、敗れた者らの棲む国
2020/09/03 22:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「枯木灘」「岬」の作者、中上健次氏の書く故郷・和歌山を巡ったドキュメントなのだから、「熊野本宮って、厳かですねえ」とか「勝浦の温泉は白浜の温泉に引けを取らないぐらい癒されますねえ」とか「高野山って、元気をもらえるパワースポットみたいなものですね」といった在り来たりの文章など期待してはいけない。「紀州とは、敗れた者らの棲む国である。旅の初めにそう考えたし、旅を終えた今もそう考える」という人が書いた紀行文なのだ。中上氏は紀伊半島のいたるところの被差別部落でいろいろな人に声をかける。新宮の「路地」で育った彼の前に敗れた者がつぎつぎと姿を現す。このドキュメントは今から40年以上前に書かれたもので当時のコレラ騒ぎ(和歌山では死者まで出た)のことが書かれている、恥ずかしい行動に当時の人はでたものだと、コロナ騒ぎを考えると笑っていられない