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ブラッディ・カンザス (Hayakawa Novels)
人生というのは作物の収穫みたいなものだ。毎年、同じところ—同じ種、肥料、土壌—から出発するのに、結果は毎年ちがってくる。グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカン...
ブラッディ・カンザス (Hayakawa Novels)
ブラッディ・カンザス
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商品説明
人生というのは作物の収穫みたいなものだ。毎年、同じところ—同じ種、肥料、土壌—から出発するのに、結果は毎年ちがってくる。グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカンザスのコー・ヴァレーにやってきたのは、1855年のことだった。それ以来、三つの一族は隣人として生活してきた。ある時は奴隷解放に抗う者たちの襲撃を受け、またある時は疫病や旱魃といった大自然の猛威にさらされながらも、大地とともに、愛憎を紡ぎながら。歳月が過ぎ、フリーマントル家の屋敷は当主を失って無人になった。シャーペン、グルリエの両家は信教をめぐって対立を続ける。そして、激動の現代において、農場を営む人々といえども、世界と無縁ではいられない。親子の断絶、男女平等、イラク戦争、マスコミ、インターネット…フリーマントル屋敷にニューヨークから新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、人々の生活に巨大な波紋が起きてゆく…。V・I・ウォーショースキー・シリーズの著者が自らの故郷を舞台に、現代社会でのさまざまな問題を織りこみ、大地に生きようとする人々を重厚かつ華麗に描く野心作。【「BOOK」データベースの商品解説】
長年対立を続けてきたグルリエ、シャーペンの2つの農場の間に新たな住人が現れ、人々の生活に巨大な波紋が起きていく…。アメリカ中部の大地に生きる家族のドラマを、重厚かつ華麗なる筆致で描く野心的大作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
サラ・パレツキー
- 略歴
- 〈サラ・パレツキー〉1947年アイオワ州生まれ。シカゴ大学で政治学の博士号を取得。「サマータイムブルース」で作家デビュー。「ブラック・リスト」で英国推理作家協会のゴールド・ダガー賞を受賞。
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パレツキーのミステリじゃない中間小説。
2010/02/25 01:39
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私、V・I・ウォシャウスキーシリーズというより、
サラ・パレツキーそのものを全く読んでいなくて、
(何回か、読もうかなぁ、程度は思ってのですが)
今回ノン・シリーズにしてサラ・パレツキー初読みです。
こういう場合、作家とのあんまりいい出会いにならないケースが多いのですが、、。
最初に書きますが、本書、ミステリじゃあ、ありません。ズバリ、中間小説。
冒頭の著者自身による、前書きで、カンザスという土地について簡単に説明してあり
カンザスは、奴隷制度においても、殆ど内戦といってもいい二派の争いがあり、
又、その後も、隣のミズーリーから武闘集団が、乱入して大変だったと、。
そう、カンザスというと、(私の場合竜巻というか、オズの魔法使いなんですが)
平和な片田舎ってイメージをもたれると思うのですが、決してそうではないと。
前書きからして、本書も、そんなお互いが鍵も掛けずに出かける田舎の
予定調和なお話しには、なりませんよう、という決意表明なんです。
原題は、邦題のブラッディ・カンザスよりもうちょっと過激で
ブリィーデング・カンザス、"流血するカンザス"。
使われなくなった、大きな屋敷に都会からある女性が引っ越してくるところから話は、始まり
ご近所の三家とその家族たちが主に描かれていきます。
この三家の各家族が、みんな一筋縄ではいかないといいますか、
近所のことを勝手に自分のHPにUPするおばあさんをはじめ、みなさん、変わっていて
(あえて普通なのは、主人公の一家か?)
みなさんキャラ立ちがすごい。
そして、宗教的対立、妊娠に対する考え方、戦争に対する考え方、みんなバラバラで
もめてばかりです。
まぁ、それが、小説のコアというか、駆動力になっているのですが、、。
又、本書、パレツキーが育ったカンザスを描いているのですが、決してノスタルジーいっぱいに
描いているのでなく、イラク戦争もあればアイポッドもある現在のカンザスを描いています。
この現代アメリカというか、現代カンザスというのも、キーだと思います。
ミステリとして手にとられた方は、ちょっと肩透かしだったと思いますが、
中間小説だと最初から思って読むと、作家生活云十年のパレツキーの
手管で結構読めるかも、、。
おもしろくないと、けなせないぐらい、面白い作品です。