紙の本
国の借金は幻想でしかない
2009/03/23 17:23
13人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろべえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の第2章で、そもそも国の借金は全く問題ない、ということを歴史背景からしっかりとした説得力を持って語られています。
例えば、
・明治維新政府の発足当初は政府支出のうち94%が「通貨発行益」で賄われていたこと(このシステムでは国の借金という概念のものが原理的には必要ない)
・そして、明治10年の西南戦争までは、上記のようなシステムでも基本的にはデフレだったこと(明治元年とくらべるとなんと米の価格は明治10年の方が低かったとのこと!)
・西南戦争をきっかけに激しいインフレが発生したため、政府が通貨を発行しすぎてインフレになるのを防ぐため、明治14年には通貨の発行を中央銀行が政府に成り代わって行うシステムに移行した。(ただし、なんと、西南戦争でも高々10%台でほんの3年くらいで収束していたので、激しいインフレというほどでもない。近年、ジンバブエで1000万%台のインフレが発生しているのとは比べるべくもないとのこと!)
・このインフレを抑えるための中央銀行システムを採用したことで、必然的に発生するのが、国の借金(国債など)であった(政府が直接通貨を発行していれば、国の借金は基本的には必要なかった)
だから、悪性のインフレにならなければ、そもそも国の借金はなんらの問題もないし、気にするのがおかしいもの、という結論となっています。
そして、日本のインフレ率は近年ずっと世界最低水準を続けているのだから、日本は世界でもっとも財政的余裕があるということになる、というわけです。
なお、第1章では、日本だけでなくG7全ての国で借金が増え続けているということが、IMFのデータベースを基にしたグラフを掲載して説明されています。
また、第5章では、
「英国では公的純債務/GDP比を40 %に維持することであり、EUではユーロ参加国に財政赤字をGDP比3%以内にするように義務付けていることであって、財政収支の黒字化などではない。あくまでも赤字は容認しているのであり、ユーロ参加国のGDP比3%にしても、英国の公的純債務/GDP比40%にしても、GDPが大きくなればそれだけ財政赤字の絶対額の上限が増える仕組みになっている点がポイントである。
例えば、GDP比3%ならGDPが500兆円なら15兆円、1000兆円なら30兆円と赤字許容額が増えるが、これが0%なら100兆円であろうと1000兆円であろうと赤字許容額は0円で変わることはない。
」
と書かれています。つまり、ヨーロッパでは、もとから財政赤字は国の発展のために当たり前であり、国の借金はどんどん増えるのが当たり前という合意がしっかりなされているというわけです。
そして、この本の中では
誰かの借金は必ず他の誰かの資産
と言う考え方が強調されています。
国の借金はよくよく考えてみれば、国民の資産です(日本の場合、国の借金の94%は国民が持っているとのこと)。
我々が銀行に預けたお金は、結局は大部分が国債などの形で国の借金に回っているというわけです。
逆に、国の借金が減れば、我々の資産も減ることになりますね。よくよく考えれば、誰かの借金が単独で存在することなんてあり得ません!!!誰かの借金は他の誰かにとっては絶対に「債権」なのですから。
この本では上記のようなことを根拠に、国の借金が増えるのは当たり前だ、全く心配ない、国の借金が増えるのは国家繁栄の道筋だ!と主張されています。
ほぼ全ての事柄が、数値データに基づいて書かれていますので、
上のような結論には全くもって大賛成、大納得、となること請け合いです。
また、国の借金は問題でないのでどんどん政府は支出を増やすべきだが、人命に関わるものや、将来の投資につながる使い方を優先すべき、との考え方も示されているのが好感が持てます。
オススメの一冊!
紙の本
国家は借金をすればするほどその負担が減る
2009/03/22 17:09
17人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る
通貨発行権を持つ国家は、国債を発行すればするだけ、対GDP比で借金の負担割合が減少する。
国債を発行すれば、もちろん債務残高は増加する。しかし、それ以上にGDPが増加(増える債務の金額の2倍以上)するので、対GDPでの債務の割合が減る。すなわち、国債を発行すればするほどGDPが増加するので、国民の生活は豊かになり、借金の額は増えるが収入がそれ以上に増えるので借金の割合は減る。そう言った内容がグラフやデータを使って説明されており、結構説得力がある。読んでいるとそのような気にさせられる。
ただ、どんどん借金をしたら豊かになるというのは、普通の感覚からすればおかしい。(通貨発行権があるためということだが)
そう言えば、このような例がかつてもあった。使っても使っても減らないお金「円天」だ。これはただの詐欺だったので違うか。今でも「円天」や主犯を信じている人がいるようだが。
さらにずっと前、アメリカで「減税をすればすればするほど税収が増える」という考えが広まったことがあった。この考えが、上記の国債の考え方と同じようなものであった。減税をすれば経済が活発になって税収は逆に増えるというものだ。実際には累積債務は増加してしまった。ただ、次の政権での経済発展に寄与したとも言われている。
日本国債の問題もアメリカの減税と同じ結果になるのではないだろうか。
国の債務が800兆円、地方も合わせると1000兆円ある。対GDP比で200%。この状態で長期金利が2%以下というのが異常な状態なのではないだろうか。日本国債はバブルの状態ではないのか。(金利が低いということは債権の価値が高い)そのバブルの状態が今からも続くものとして政策を考えるととんでもない間違いを犯すように思う。バブルの時は誰もそれがバブルであることに気付かない。薄々気づいたとしてもバブルの音楽が鳴っているうちはそれに合わせて踊らざるを得ないと言う人がいた。
現在ような不況のままであればなかなか金利は上昇しないだろうが、逆に景気回復期に入ると非常に危険だ。金利上昇で財政破綻へと進むのではないか。
不況はもちろん困るが、好況になったらさらに困るというのが現在の日本経済の置かれた状態だ。
紙の本
「国債を刷れ」
2010/06/06 14:10
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yahachiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の国債や財政について、一風変わった視点から述べた本
いろいろツッコミどころは多いのだが、ひとつは、日本の借金は右肩上がりに上がっているが、それ以上に民間の資産が増えているので、これらを「連結」すれば、むしろ借金の余地は増えているとの指摘について
なぜ民間の資産と政府の財政を連結できるのか?
本書では、政府が国債を売る(=借金をする)ということは、一方で民間が国債を買っているから、民間の資産が増えれば、国債を売る余地が増えると説いている
しかし、そのためには、「民間の資産が必ず国債で運用される」という前提が必要なはず
本書の主張は、民間が国債に見切りをつけ、外国債やら株式に資金が回るかもしれないという視点は全く欠落している
また、国債を償還するためには、新たに税金をかけるのではなく、日本銀行券を大量に刷って解決できるととも説く
通常、この手の説に対しては、インフレが発生するという反論があるのだが、それには対し、日本はずっとデフレだから多少インフレになっても構わないと説く
そして、その辺の補強資料として、明治維新時やら第二次大戦時という非常時にあっても大きなインフレが生じていないとしている
なぜ、インフレやら為替の問題を論じるのに、そんな昔の話を持ってくるのか(中にはローマ時代の話も参考に出してくる!!)
日本は原料を輸入し、製品を輸出する輸出依存国だ
そんな中、為替の都合も考えずに、国債を償還するためだけに現金をすれば海外からの信頼を損ねてしまう(大幅な円安)
また、かつて大きなインフレが起きなかったから今後も起きることはないと言い切れる根拠は何か?
むしろ未曾有の危機に瀕しているから皆が心配しているのではないのか
現金を大量に刷ったところで、それが市中に回る保証もない
今は、現金が足りないから不況なのではなく、その現金の運用先や行うべき設備投資がないから不況なのだ
また、政府支出を増やせば必然的にGDPが増えるから、ケチらずどんどん支出というのも怪しい
確かに「乗数効果」で投入した金額以上に効果は出るのだろうが、何をやっても等しく「乗数効果」が得られるわけではない
本書の中でも触れていたが節目の良し悪しというものがある
斜陽産業にいくら公的資金をつぎ込んでもその効果は限りなく小さい
そこで、新総理大臣の管直人氏だが、財務大臣時代に国会答弁で「乗数効果」を問われた際に、しどろもどろになっている
こんなもんなのだ。
そんな彼が行う「社会実験」で、図らずも本書で語られている幻想の一部が実現するだろう
借金が増えれば増えるほど、GDPが増えるのか?
そして、果たして国の借金は国内で消費する限り、いくら振り出しても破たんしないのか
もう限界はすぐそこまで来ている
投稿元:
レビューを見る
「ひょっとして国債は返さなくて良いのではないか?」と漠然と思っていたので、本書を手に取ってみた。答えはそのとおりだった。
経済の原則に従えば、誰かが得をすれば、その分誰かが損をする。国が借金をすれば、誰かがその分得をしている。それは国民全体である。
日本政府と民間の合計、すなわち連結の貸借対照表(=日本国の貸借対照表)を書くと、資産>負債となる。その差額が純資産であり、つまり対外純資産である。対外純資産が黒字である限り、国家破綻はありえない。
1990年の貸借対照表
資産
政府 271兆円
政府以外 4219兆円
合計 4490兆円
負債
政府 294兆円
政府以外 4144兆円
合計 4438兆円
純資産
政府 -23兆円
政府以外 75兆円
合計 52兆円
2007年の貸借対照表
資産
政府 510兆円
政府以外 5353兆円
合計 5863兆円
負債
政府 962兆円
政府以外 4619兆円
合計 5581兆円
純資産
政府 -452兆円
政府以外 734兆円
合計 282兆円
政府の借金残高というのは、貸借対照表の負債中の一項目に過ぎない。プライマリーバランスの黒字化というのは、実は意味がない。
日本は借金を増やしてでも積極財政出動することにより、経済成長するはずである。たとえ借金を増やしても、それ以上に経済成長するので、公的債務/GDPの比率は下がる。
気をつけなければならないのは、インフレ率である。しかし、日本はデフレである。デフレの根本原因は、供給>需要であることである(逆にインフレは、供給<需要の時に起こる)。日本の生産性は高く、常に供給過剰であり続ける限り、借金の増額、通貨量の増加で、悪性のインフレになることはない。
バブル崩壊後、国の借金を増やしてきたにもかかわらず、高い経済成長を実現できなかったのはなぜか?主に、橋本内閣・小泉政権では、財政再建の名の下、政府支出を減らした。特に小泉政権下では、公定歩合ゼロ、量的緩和を実施していたのにもかかわらず、政府支出を減らし続けたため、経済成長のブレーキになった。
本書の主張に基づき、過去の政治家の政策・経済学者を採点してみると、次のようになる。
○徳川吉宗の元文の貨幣改鋳
○明治維新政府の発行紙幣
×世界恐慌下の米フーバーの緊縮財政
○世界恐慌下の高橋是清・米ルーズベルトの積極財政
×英サッチャー・米レーガンの新自由主義
○英ブレアの第三の道
×橋本内閣の緊縮財政
○小渕内閣の大量国債発行
○バーナンキFRB議長の日本国政府への積極財政の薦め
○日銀のゼロ金利・量的緩和政策
×小泉・安倍内閣の構造改革路線
○麻生太郎の補正ばらまき予算
×与謝野馨の増税・財政再建論
○民主党の子育て手当て
○亀井静香のモラトリアム法案(本書では触れていない)
×民主党による公共工事等の予算カット(本書では触れていない)
○ケインズとケインジアン
×ハイエク・フリードマン・グリーンスパンらのマネタリスト
目次
第一章 「国が借金で大変」の大ウソ
カネにまつわる3つ目の悲劇
「17年連続世界最大の債権国」が「破産寸前?」の怪
国全体の「連結バランスシート」で見る日本の金持ちぶり
国全体では「借金」が増える以上に「資産」が増えている
「イマドキの若者」がカネを使わなくなったことと、国の借金
諸悪の根源は「国にカネがない」と考えること
そもそも「国家破産」、「財政破綻」とはなにか?
破綻したアルゼンチンと日本の決定的な違い
日本のインフレ率は世界最低水準
日本は国債金利も世界最低水準
公的債務/GDP比100%で財政破綻?
8%で破綻しかけた韓国、195%でもびくともしない日本
借金が「毎年200兆円増加」したのに悪性インフレにならなかったアメリカ
CDSプレミアムから見る日本のデフォルト危険度
「国の借金は税収で返さなければならない」というウソ
「国の借金」は経済全体の中の単なる一要素
日本は世界一余裕のある国
第二章 国の借金をゼロにする秘策
「税収にも借金にも頼らない」でお金を集めた明治維新政府
日本銀行設立の主な目的はインフレの抑制
「孫子の兵法」に見るインフレ
古代ローマにおける国の借金
「暴れん坊将軍」通貨発行益で積極財政を断行
「現金」が「借金(負債)」として記載される日銀のバランスシート
日銀の「現金」は最新の会計基準なら「純資産」
日銀保有の国債利息はほとんど政府にキャッシュバック
日銀による国債引き受けは「打ち出の小槌」
60年を超えて引きずる日銀の「トラウマ」
バーナンキFRB議長、日銀による国債引受けによる積極財政を強力に推奨
「ミスター円」、政府による紙幣直接発行を提言
「インフレのない時代」には「国の借金」を気にする必要はない
第三章 日本のGDPが伸びない本当の理由
経済学者の大ハズレの予言
どうしたら経済学者に騙されないかを学ぶ
国の借金は国民の資産
政府の支出は国民の収入
株価暴落で損した人がいれば、その分だけ得した人もいる
今回の金融危機でも得をした人はいる
この不況で国債を大量発行しても買い手に困ることはない
今回の経済危機は「大恐慌」ではない
アメリカの経常赤字は他の国の経常黒字
日本以外の国は借金が増えてもそれ以上にGDPが増えている
政府が支出を増やせば、GDPはそれ以上に増える
日本では国の借金は増えているが、政府の支出は増えていない
国が借金をして支出を増やす方が財政が健全化する理由
政府が支出をケチれば、景気は失速する
政府が躍起になって救済するのは銀行の「信用創造機能」
「銀行への公的資金注入」は国民が税負担というウソ
一円も使わずに「貸し渋り・貸しはがし」を防止できる
「インフレ世界一のジンバブエ」と「デフレ世界一の日本」
GDPが成長するには何が必要か?
第四章 財政政策が国の命運を分ける
積極財政派 vs. 構造改革派 vs. 増税派
ルーズベルトと高橋是清、積極財政でデフレ不況克服
サッチャーもレーガンも歳出削減などしていない!
スウェーデンも財政再建より支出増加が先
バブル崩壊後の累積財政赤字の経済効果はあったのか?
日銀による「ゼロ金利、量的緩和」の効果と弊害
政府が財政出動していれば、円キャリー取引の弊害は軽減できた
日銀の「異例の対応」の正否
デフレ不況脱出法もインフレ不況脱出法も、答えは日本自身にあった!
第五章 日本の目指すべき道
「赤字国債」という言葉のイメージに騙されるな
本当の危機は「財政危機」ではなく貧困の危機
福祉政策は消費拡大につながる
日本の「公務員」比率は小さい
行政の効率化が必須
国家財政の管理目標を「プライマリーバランス」から「実質所得の増加率」へ
解説(三橋貴明)
投稿元:
レビューを見る
まず感想、この本は解説が丁寧でしかも非常に読みやすい。
私も著者と同じ理系だからそう感じるのだろうか??
国の歳出を減らしてGDPを減らす方向へ舵を切っているのは日本だけ。世界でまれに見ぬ資産を持つ国なのに。
GDPが増加していないのは日本だけ、という現実が非常に気になった。
素人の疑問
各国のGDPが増え続けてお金が余り続けたら、この先世界はどうなるのだろう??ただでさえあまったマネーでいろんな金融危機が起こっているのに。。。もっと勉強しなくては。
投稿元:
レビューを見る
「国債=国の借金」という「常識」が巷間に流布して久しいが、実はそうではなく、国家経済運営上必要なもので、国債の使用をベースにしてデフレ脱却を目指せと論ずる書。より原理的に国債の仕組みを解説した『国債は借金ではない』(文芸社)も大いに参考になる
投稿元:
レビューを見る
今年最高のベスト本!
これ一冊読むだけで形骸化した大学の経済博士号以上に値する。
経済の全て、先の大戦のキッカケ、現状の政治、江戸時代の泰平が保たれた訳、明治政府が短期間で列強に並べた理由、現在の不景気の根幹、金融危機について、もう…全てを網羅しています。
素晴らしい!!!!!!!
国家の中枢ならずとも全国民に読んでほしい一書。
投稿元:
レビューを見る
主張が力強く、内容はわかりやすい。
わかりやすいのだが、本当にそんなに単純な話なのかな?
そのあたりはもう少し勉強してから判断しないとだな。
投稿元:
レビューを見る
2009/6/10
う〜〜ん。よく分からん。
でも、確かに借金も相対的なもんだからな...
ネットゲリラ: 今、コレが売れている
< http://shadow-city.blogzine.jp/net/2009/03/post_e9f3.html >
投稿元:
レビューを見る
著者は、元は工学部出身で、独自に会計学を勉強し、現在の日本経済の盲点を分かりやすく指摘しています。巷間言われている「日本破産論」などを科学的なデータをもとに一蹴しています。ようするに、日本はまだまだ資産を保有している。政府はもっと財政出動を行うべきだと主張しています。この著者は要チェックだと思いました。
投稿元:
レビューを見る
国債は日本国の借金なので減らさなければいけない、という議論が昔からなされてきているので、タイトルの「国債を刷れ」には驚きました。しかし国債は日本国民にとっては資産であり、外国人の保有が少ない日本は正常であるという考え方は、斬新なものでした。
今まで多くの破産本が出ていますが、破産を煽るために都合の良いデータばかりが紹介されているようにも思います。皆が国債を減らそうと躍起になっている時に、それと異なる説を展開することは大変なことだと思います。その為には、著者の準備は大変なものだと思います、私も彼の考え方を理解したいと思いました。
以下はためになったポイントです。
・2007年の民間金融純資産:734兆円は、政府の純負債:452兆円を大きく上回っており、両者差額:282兆円が国全体の純資産であり、バブル時より230兆円多い(p18、65)
・GDPを国全体の資産で割れば、国全体の資産効率度合いが表現できる、問題なのは国の資産が大きいことでなく、GDPが伸びないこと、資産効率が落ちていること(p27)
・国が破産しない理由として、1)日本政府の借金は、全て円建て(破産したアルゼンチンとの相違)、2)日本円発行権がある(p33、34)
・アジア通貨危機時に起きていたミスマッチとして、1)国内の設備投資のために長期的に必要となる資金の多くは、海外からの短期的な借り入れ、2)国内投資のための「内貨」需要を、「外貨」借り入れで賄うこと、3)逃げ足の速い資金が、不動産・証券投資にも向かっていた、があった(p45)
・借金はやがて税金で返さなければならない、という前提がおかしい(p55)
・西南戦争(明治10年)以前のデフレ基調では、国の借金という概念そのものを特に必要としない「通貨発行」システムがうまく機能していた、激しいインフレにさえならなければ政府はいくらでも直接通貨を発行できる(p73、76)
・江戸幕府の命運を断ち切ったのは、欧米との技術格差であり、財政破綻ではない(p89)
・戦中戦後のインフレ率は、1941~43年までは10%以下、45年に51%、46年に364%、47~48年:100%超であった、これは近年のアルゼンチン、コンゴ、ジンバブエと比べれば桁が異なる(p105)
・政府が支出を増やせば、GDPはそれ以上に増えることになる(p143)
・景気悪化の時に政府支出をしぼって起きたことの代表例は、1929年の米国大恐慌である(p155)
・日本とジンバブエを比較すると、ハイパーインフレを起こすには、1)供給不足と需要過剰、2)通貨過剰発行、がそろう必要があることがわかる(p179)
・サッチャーのモットーは「小さな政府」と言われるが、在任期間中は、政府支出増加率がインフレ率を上回っている(p197)
・ブッシュ政権の行った減税のうち、高所得者中心の戻し減税は、減税額の2割しか消費に回らなかったが、子育て世帯を対象としたものは9割が消費に回った(p246)
投稿元:
レビューを見る
良書。 著者は廣宮孝信。
是非とも読んで欲しい。
そしてこの主張に矛盾があるならばを教えて欲しい。
僕の頭じゃ本書の主張を否定できませんでした。
否定できないが、世の中に同様の主張が広まっていないという現実。
なんなんだ、これでもやっぱり借金は返さないといけないの?誰か教えて下さい。
買ってから読まずに放置してしまったが、
むしろ選挙前の今で良かった。
大事なのは国の借金を減らすことでなく、
何に使って、それが何の役に立つか。
GDPを伸ばせるか。
高校の政経の授業で国民一人当たりの借金は数億円とか言われ絶望したが、
この本読んでだいぶ見方が変わった。
【備忘録】
1.日本国全体のバランスシート
日本政府のB/Sは債務超過です。これを見ると怖くなる。
著者は日本民間のB/Sを、日本政府のB/Sと連結させたB/Sを示しています。
→純資産はバブル期の六倍近くあります。
しかも金融資産のみで議論しているので、とっても金持ちだってことです。
国債の買い手、大半は日本の民間です。
2.GDPが延びないことが問題
金はあるが資産効率が悪い。
この日本国の状態はROAの低い企業を想像すると分かりやすい。
よくいう個人資産1500兆円もそうか。銀行・機関投資家・企業…誰が悪い?
3.日本政府が破綻しない理由
円建て国債だから。
アルゼンチンやアジア通貨危機は外貨建て。
日本政府は円を発行できるからそれで返せる。
→インフレになるだろ!
→いやいや、日本は超デフレだし。何よりハイパーインフレはモノの供給不足に拠るところが大きい。
4.借金はゼロにしないといけないのか
そうだよな。
ゼロにして、どうしたいの?
国債の金利下げて民家の金利も下がってよし?
でもリスクフリーレートが下がれば資産運用もダウンですよ。
実際G7各国借金は増えてます。
借入圧縮の為に増税して、可処分所得へったら国民貧乏ですよ。
5.通貨発行益
日銀が一万円を発行するとき、その原価は約16円。
その差額9984円が通貨発行益。ふーん。
ってことは、日銀が金刷って国債を買えば、日銀には利益も残るし、その利益は筆頭株主である日本政府に帰属して国債も償還できる?
もう少し勉強必要。
打ち疲れた。