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商品説明
ジャーナリズムの何が問題で、報道のどこを変えるべきなのか−。テレビジャーナリズムの前線に立ち続けた異端の改革者の足跡から、マスコミの課題と可能性を浮き彫りにする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小野 善邦
- 略歴
- 〈小野善邦〉1936年愛知県生まれ。NHK情報ネットワーク専務取締役、国際番組交流センター専務理事等を歴任後、大阪芸術大学教授、放送学科長、図書館長を務める。著書に「わが志は千里にあり」等。
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紙の本
どこまでが真実なのか分からないものの、興味深く読んだのもまた事実
2009/06/29 07:25
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
1989年から91年にかけてわずか2年足らずNHK会長の職にあった島桂次について、その政治記者時代からを追った評伝です。
島が記者時代に宏池会との間に深い縁(えにし)を結び、池田隼人/大平正芳/鈴木善幸という人々の政策相談にものるほどの関係にあったというくだりは、公共放送に属するジャーナリストとしてはあきらかに行き過ぎた越えた行動であるといえ、その功罪をひとまず脇に置けば、昭和の生々しい自民党内抗争史をたどることができるという意味では大変興味深く読ませます。
また島がNHK理事に就任して組織経営者の身となった後に、NHKを国際的な組織へ改革しようといかに奔走したかを詳述した部分も、時代の先の先を見据えた彼の先見性に思わずほれぼれしてしまったくらいです。
しかしながら、本書について私はどこか今一つ入り込めないところを感じたのも事実です。
著者は同じ組織に属し、島をその最期まで理解をもって見つめていた人物。それだけにというか、本書は全体的にかなり島に肩入れし、少なからずほめちぎっているという印象を与えます。島と比較してそれ以外の歴代のNHK会長には相当辛口な批評をあびせかけているところなども、島というフィルターを一旦通しての論であるところが垣間見えて、読んでいて必ずしも納得できる気がしませんでした。
島は国会で虚偽発言をしたことによって会長職を辞するに至ります。彼がなぜそんな発言をしたのかについては、「強行日程の海外出張の帰国直後の疲れで頭がボーとしていたから」という島の弁を著者は紹介していますが、真相についての掘り下げが足りないと感じます。
ことほどさように本書のどこからどこまでが真実なのかは分からないという気はするものの、読み物としては大変面白い書であったことは事実です。
*本書は校閲が不十分なため、助詞に誤用や脱字が残ったまま出版されてしまっています。