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- カテゴリ:一般
- 発売日:2009/06/15
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/219p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-328250-3
紙の本
朝のこどもの玩具箱
著者 あさの あつこ (著)
父を亡くし、若い継母とふたり年を越す高校生。目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子。頑固な老女の説得を押し付けられた気弱な女子職員。人類の存亡をかけ森の再生目...
朝のこどもの玩具箱
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商品説明
父を亡くし、若い継母とふたり年を越す高校生。目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子。頑固な老女の説得を押し付けられた気弱な女子職員。人類の存亡をかけ森の再生目指し宇宙に飛び立つ少年たち。青春小説、ファンタジー、SFと幅広く活躍する著者ならではの色とりどりの六篇がぎゅっと詰まった小説の玩具箱。【「BOOK」データベースの商品解説】
父を亡くし、若い継母とふたり年を越す高校生。目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子。頑固な老女の説得を押し付けられた気弱な女子職員…。街、山村、狐の森、宇宙の果てなど多彩な世界が展開する6つの物語。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
謹賀新年 | 5−42 | |
---|---|---|
ぼくの神さま | 43−71 | |
がんじっこ | 73−109 |
著者紹介
あさの あつこ
- 略歴
- 〈あさのあつこ〉1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、91年作家デビュー。「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞などを受賞。ほかの著書に「待ってる」など。
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紙の本
読書離れが言われる昨今の事情を考えて二分冊にしたのでしょうが、玩具箱らしさを出すにはボリューム不足。やはり12篇全部収めてあさののすべてを見せたほうが「おもちゃばこ」らしかったのでは?だって、こんなに薄っぺらな玩具箱なんて変でしょ・・・
2010/06/13 15:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本、装幀 石川絢士(the GARDEN)とだけ記載があって、特にカバー画と各章扉絵について名前がでていません、ということは全て石川絢士の仕事でしょうか。絵の巧拙についてはともかく全体のバランスとセンスがいいです。ただし、装幀には関係ないかもしれませんが、この本、頁数が少ない。
半年後に残りの六編を収めた姉妹編『夜のこどもの玩具箱』が出ていることを考えると、一緒にして厚みを出して「玩具箱」らしさを表現した方が、読者には楽しめたのではないか、なんて思います。それにしても、あさのあつこ、文藝春秋からも本を出すようになったんですねえ、もう児童書の枠には収まらなくなってきた?
ちなみに、このお話の初出は産経新聞大阪本社夕刊に毎週土曜日掲載だそうです。文藝春秋のHPには
*
ジャンルを越えた物語が飛び出す玩具箱のような1冊
威力のあるしっぽが生えたイジメられっ子や頑固老女の真の姿、人間社会に進出したキツネの誤算など、さまざまな手触りの6篇の物語
瑞々しい少年小説に、しっとり艶(なま)めく恋愛小説、凛々(りり)しくも妖しい時代小説、と幅広く活躍する著者の魅力をぎゅっと詰め込んだ短篇集。新聞に連載された12の短篇の中から、若者の清々(すがすが)しさと希望がきらめく6篇を採録しました。父の死により若い継母と2人暮らすことになった女子高生、目覚めたら不思議なしっぽがはえていた小学生、許されない相手への恋を祖母に相談する〈青年〉などなど――色とりどりの物語が飛び出す玩具箱をぜひのぞいてみてください。あと6篇を収録する姉妹篇(12月刊行予定)と併せて、あさのあつこワールド入門にも最適です。(YH)
*
とあります。もう少し細かく各話を紹介しましょう。
・謹賀新年(2008年1月5日~26日):三者面談で成績が落ちていることを指摘する先生に、娘はいまのままでいいと思う、と庇ってくれた麻衣子さんは、実は医師である父が再婚した継母。姉妹と間違えられかねない義母と父は・・・
・ぼくの神さま(2008年1月5日~26日):元気で優しかったお父さんが突然倒れて、死んでしまった。伝染病を恐れた町の人々は、遺された家族を遠ざけ、働き手を失った一家はたちまち困窮する。そんなとき、父親の最後に立ち会った医師が・・・
・がんじっこ(2008年1月5日~26日):頑固で意地悪なせいで町の嫌われの老婆の面倒をみることを押しつけられた女性の村役場の若い女性は、相手のシゲばあさんが怖くて仕方がない。アンケートの仕事も押し付けられて・・・
・孫の恋愛(「プロジェクト0」を改題 2008年1月5日~26日):世の中をかえようと人の世界に紛れ込んで暮らしていた孫が久しぶりに山に帰ってきて、祖母に相談したのは・・・
・しっぽ(2008年1月5日~26日):いつもクラス委員をしている優等生が、突然、その大役を押しつけて来た。成績も普通だし、人との付き合いも下手な少年に厭がる仕事を押し付けた彼らは、陰で少年に執拗な苛めを繰り返し・・・
・この大樹の傍らで(2008年1月5日~26日):緑が死滅した地球を離れ、ある星のドームで生きる人類を襲う危機。死に行く人々が幼い子供たちに託したのは、再び地球に戻って、蘇っているかもしれない緑を見ること・・・
そうですね、純粋に大人の読み物といえるのは、「ぼくの神さま」「がんじっこ」「孫の恋愛」でしょうか。あとの三篇はどちらかというとYAものです。どうもあさのの微妙な位置がうかがわれる、そんな短編集とでもいったらいいのでしょうか。たぶん、時代小説を除けば、あさのの読者の多くは相変わらず少年少女であり、その母親ではないのではないでしょうか。
おまけに掲載されたのが新聞の夕刊、しかも土曜日のものです。読者として想定されるのも一般的にいって少年少女とその母親であるはずです。そういう意味で、その要請にしっかりこたえた作品集とは言えるのですが、私としてはもう一歩、大人の側に来てほしかった。これではまだまだ児童書のほうに重心があります。ま、商業的な意味では児童書を書いている方が正しいのかもしれませんけど・・・