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書店員レビュー
哲学者の名言集や、「...
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
哲学者の名言集や、「すぐわかる/○時間でわかる/易しい」哲学、
といった時短入門書がポピュラーになりつつあるが、本書もその一種と
考えてよいのではないだろうか。
アスタリスクで区切られた2~3行ずつの散文形式で、どこから読んでも
主旨は明快、拾い読みすればしただけ理解を広げることが出来る。
ただし、読んで「すぐわかる」のは一般的な哲学思想の概要ではなく、
“呪詛の人”の異名を取るシオランの、人生斜め読み・過分に露悪的な
反世界論である。
叙情詩のような美しい言葉で紡がれる、ひねくれきった“全否定”の哲学。
真っ当にやさぐれたい時や、気分がむしゃくしゃした時の荒療治に
おすすめの一冊だ。
人文担当 武良
紙の本
シオランの入門書
2005/07/18 00:39
15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NOBUNOBU - この投稿者のレビュー一覧を見る
シオランの著書としては、彼の「生誕とは、一つの災厄である」という告白からも分かる通り、最も明快な反哲学的著書。シオランの著書の多くはアフォリズムで書かれている為、非常に読みやすいが、猛毒性では、世界一かもしれない。そこら辺にある毒舌が裸足で逃げ出すであろう、「真実」に近い透徹した視線がある。ビジネスで成功を邁進している若者が彼の著書で会社を辞め、放浪の旅に出るであろうし、自殺志願者がこの世への怒りから現実に回避するという、人生の視点が遅かれ早かれ「必ず」180度変化することが保証できる本。とにかくシオランという人はどの著書でも同じことを語っているから、売り切れていたら別の著書を購入しても良い。しかし、彼の思想の根幹が最も分かる著書として是非読んで欲しいし、現代の病根が、実は「生きる」ことの肯定を強制する暴力=権力なのだと気づかせてくれる。学校制度はこのことを真摯に受け止めるべきである。シオランは夜、頭が冴えてわたって眠れない時に読むと特に有効で、なぜか彼の考えが良く理解できる。