「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書)
著者 宮下 規久朗 (著)
生前、様々な流言飛語や毀誉褒貶に包まれていたウォーホルだが、その多面的な芸術は正確に評価されつつある。「孤独なトリックスター」の実像とは。ウォーホル芸術の意味と本質に迫る...
ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書)
ウォーホルの芸術~20世紀を映した鏡~
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
生前、様々な流言飛語や毀誉褒貶に包まれていたウォーホルだが、その多面的な芸術は正確に評価されつつある。「孤独なトリックスター」の実像とは。ウォーホル芸術の意味と本質に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
宮下 規久朗
- 略歴
- 〈宮下規久朗〉1963年愛知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修了。神戸大学大学院人文学研究科准教授。美術史家。「カラヴァッジョ」でサントリー学芸賞などを受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ウォーホルに対する私の長年の思い込みを正してくれた
2010/07/03 10:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は神戸大学大学院人文学研究科の准教授。前著『食べる西洋美術史 「最後の晩餐」から読む』には大変感銘を受けました。
ウォーホルの作品にはこれまでも様々な美術展・美術館で目にする機会がありましたが、本書にあたることで、彼の生涯からその作品に込められたメッセージまで、初めて概観することができました。
一連のキャンベルスープ缶の絵のことを私は、工業製品に囲まれた現代社会の画一化された側面を衝いた辛口の文明批評的作品だとずっと思いこんでいました。
しかし本書によればウォーホルは、同じ生活がもたらす安定感を好ましいものであると考えていたとのこと。スーパーで買ってくる保存食品はいつでも食べられるし、毎日同じ味がするから安心できる。ウォーホルは大金持ちも極貧民でもコカ・コーラを等しく飲めるアメリカの素晴らしさを称揚していたというのです。
さらにいえば、ウォーホルは芸術家の説教めいた思想性に背を向けたタイプであるから、キャンベルスープ缶のシリーズにも単調でつまらない生活の繰り返しといった批判性はないとのことです。
ウォーホルに対する長年の思い込みをぬぐうことができて、今後は彼の作品世界が今までと異なって見えてくる気がします。
掲載されている図版がほとんどすべてサムネール・サイズで、ウォーホルの作品世界をつぶさに見るには極端に小さく、苛立ちを覚えながら頁を繰りました。
しかし巻末の著者追記によれば、「図版の使用をめぐって著作権者のウォーホル財団側と折り合いがつか」なかったとのこと。著者自身、21点ものカラー口絵を予定して書籍作りを進めていたのに、その出版がかなわなかったことを大変残念に考えているようです。
私もそのことは大変惜しいことだと思います。せいぜいインターネット上でウォーホルの作品を参照しながら本書を読むことをお勧めします。